アーティゾン美術館は東京駅から徒歩で行くことができる美術館です。特に近現代の美術を楽しむことができます。
この記事ではアーティゾン美術館をご紹介します。
アーティゾン美術館の見どころと作品紹介-アーティゾン美術館 東京
アーティゾン美術館は、旧ブリヂストン美術館が、新しい名前の下、開館した美術館です。
「ARTIZON」(アーティゾン)とは、「ART」(アート)と「HORIZON」(ホライゾン:地平)を組み合わせた造語で、時代を切り拓くアートの地平を多くの方に感じ取ってもらいたい、という意味が込められているそう。
印象派を中心に、古代美術、日本の近世美術、日本近代洋画、20世紀美術、現代美術までを鑑賞することが可能です。
※アーティゾン美術館HPはこちら
アーティゾン美術館
見どころと作品紹介
作品数が多く、見ごたえのある美術館ですが、特に見どころなのが、印象派を中心とした近現代の美術です。
モネやゴッホ、ゴーギャン、ピカソなど、お馴染みのアーティストの絵画も揃っています。
ベルト・モリゾ
モリゾは第一回印象派展が開催される前年の1873年まで6回もサロン・ド・パリに入選しており(作品が飾られており)、謂わば当時の主流であった国立芸術アカデミーからも認められる存在でした。
画家と言うのは職業ですから、国立芸術アカデミーに認められる実力であれば、正統派であるアカデミー風の作品を作り続ければ安泰であったのにも関わらず、第一回印象派展開催から印象派の画家としての道を歩み始んだのです。
エヴァ・ゴンザレス
エヴァ・ゴンザレスはフランスの画家。
1869年に画家アルフレッド・ステヴァンスを通じてマネを紹介され、そのモデルとなり、次いでその弟子となりました。
マネ同様サロンへの出品を優先したため、第1回印象派展への出品を断り、その後も印象派展に出品することはありませんでした。
ですが、ゴンザレスの絵のタッチは、マネと印象派に近いため、印象派の女性画家のひとりに数えられています。
メアリー・カサット
母子の日常を切り取った絵を多くの描いたメアリー・カサット。幸せそうな風景に心が癒されます。
カサットはアメリカ出身の画家で、アメリカ人として唯一の、そしてモリゾと並んで女性の印象派画家です。
ドガと親しく、日本画から影響を受けた作品も発表しています。
実は、現在の印象派人気、印象派が世界中で愛されているのは、カサットのお陰といっても過言では無いのです。
というのも、当時、フランスでは印象派は邪道と思われ、評価されていなかったのですが、カサットがアメリカの資産家へ印象派を紹介するようになったところ、アメリカで人気に火がつき、それを機に本国フランスでも認められるようになっていきました。
そういう経緯もあり、アメリカの美術館は多くの印象派絵画を所有するに至っています。
オーギュスト・ルノワール
ルノワールは甘美な画風が特徴的な印象派を代表するフランス人画家です。
ムーラン・ド・ラ・ギャレットの絵画など、美しくも可愛らしい、明るい絵を多く残しています。
エドゥアール・マネ
マネは落選展でスキャンダルとなった作品『草上の昼食』を描いた画家。他の印象派画家よりも少し年上で、印象派の先駆者として知られる画家です。
先駆者という立場として前衛的な作品を数多く残したマネですが、実はサロンへの応募も続けた画家で、印象派とサロンのどちらも大切にした画家でした。
ポール・セザンヌ
りんごの絵でお馴染みのセザンヌ。ポール・ゴーギャン、フィンセント・ファン・ゴッホと並んで3大ポスト印象派の1人です。
静物画を、これまでの「どれだけリアルな表現で描けるか」という視点から脱した大胆な構図と色彩で表現したのが特徴の画家で、「自然を円筒、球、円錐によって扱う」というセザンヌの言葉は、後のキュビスムにも影響を与えた言葉として知られています。
キュビズムやフォービズムの画家たちに大きな影響を与えた画家です。
クロード・モネ
印象派の名前のもととなった作品『印象日の出』を描いた画家。
印象派の画家として日本でもとても有名画家で、彼が描いた『睡蓮』は印象派を代表するような作品です。
ポール・ゴーギャン
色合いが印象的な画家。一時期ゴッホと共同生活を送ったこともあります。
晩年はタヒチ島に渡り、現地の人々を描いてすごしました。
フィンセント・ファン・ゴッホ
ポスト印象派の代表的な画家ゴッホ。ひまわりの絵が特に有名な画家。
生前は評価されずに厳しい人生を歩んだゴッホ。くっきりとした独特な色使いが印象的な画家です。
アンリ・マティス
フォービズムを主導した代表的な画家がアンリ・マティス。
ギュスターヴ・モローの指導のもとで大成した画家です。
フォービズムの特徴は、キュビズムのように構図を様々な視点から捉えなおす、といった理論的なものではなく、心に映る色彩や感覚を重視した、明るい強烈な色彩でのびのびとした雰囲気の絵画です。
パブロ・ピカソ
キュビズムを代表する特に有名な画家はパブロ・ピカソ。キュビズムの発案者であり、代表者です。
特にピカソは多くの作品を残しており、世界中の美術館でピカソの絵を鑑賞することができます。
キュビズムは、直訳すると「立方体主義」と訳すことができる単語。
その名前の通り、目で見たものを立方体、つまり三次元で捉えなおし、一つの視点ではなく、色々な視点でから観察した形を、一つの画面に描き込む技法です。
具体的には、絵を描くとき、対象を正面から見たところ、右側から見たところ、左から見たところ、後ろから見たところ、下から見たところ、上から見たところなど、様々な方向から観察し、それを平面のキャンバスに表現する、という手法です。
ジョアン・ミロ
ミロはシュルレアリスムの画家。
ミロの「記号こそ、魔術的な感覚を引き起こす」という言葉に表されているように、ミロの作品にはイメージを単純化した表現が随所に見られます。
彼は現実のものだけでなく、頭の中にあるイメージや夢の中の出来事なども作品化しており、その独特な作風が人々を魅了しました。
バルビゾンの画家たち
バルビゾン派の画家コローとミレーの絵画も。
風景画や風俗画がバルビゾン派の画家たちの特徴です。
キース・ヴァン・ドンゲン
エコール・ド・パリの画家。
これまでは知らなかった画家でしたが、モダンな、「デザインのような絵画」でとても好きになりました。
西洋美術を学ぶための本
西洋絵画は、前知識なしでも十分に楽しめるのですが、少し絵画の背景や画家について知っていると美術館が何倍も楽しくなります。
中野京子さん、原田マハさん、阿刀田高さんの作品はどれも西洋絵画を楽しく学べる本となっているのでお勧めです。
※西洋絵画を学べる本はこちら
sumikuni.hatenablog.com
アクセス
アーティゾン美術館は東京駅から徒歩5分の一にあります。
終わりに
この記事では、東京駅から徒歩でいくことができる「アーティゾン美術館」をご紹介しました。
アーティゾン美術館は印象はをはじめとする素晴らしい絵画を鑑賞することができます。
作品数も多く、交通の便も良いので、東京の美術館の中でも特におすすめ。
東京に行く機会があるという場合はぜひ一度アーティゾン美術館で絵画を鑑賞なさってみてください。
※絵画を学ぶ本のおすすめはこちら
sumikuni.hatenablog.com
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