すみくにぼちぼち日記

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ルーブル美術館で鑑賞できる有名作品と見どころを紹介-ルーブル美術館 フランス パリ

美術館といえばルーブル

色々な美術館と組み合わせて「世界三大美術館」と称されたりもします。ルーブル美術館はフランスのパリにある美術館で、35,000以上の美術品を所蔵しています。

今回はそんなルーブル美術館をご紹介します。

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ルーブル美術館で鑑賞できる有名作品と見どころを紹介-ルーブル美術館 フランス パリ

世界で最も有名な美術館と言っても過言ではないルーブル美術館

入り口のガラスのピラミッドが印象的で、広大な敷地に38万点以上の作品を所蔵しているのだとか。美術館見学で充実した1日を過ごせるほどの展示内容となっています。

ルーブル美術館の建築のおおもとは、フランス王フィリップ2世が12世紀要塞として建設したルーヴル城。現在の建物にも要塞として使用されていた当時の面影が一部残っているそうですが、基本的には増改築が繰り返された形で、現在のルーヴル宮殿の建物となっています。

 

ルーブル美術館入館-お休みは混みます

ルーブルといえばこの透明ピラミッド。これを見ると、「ああ、ルーブルだ」と感慨深くなってしまいます。

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ルーブル美術館外観

早速入場!と思いきやこの日は休日でしたので、入場までの行列が。平日は並ばずに入れることもあります。入館までに2時間かかりました。途中ダフ屋がチケットを販売しにきますが、正規のチケットを購入するようにしてください。

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ルーブルへの行列

ちなみに、チケットはネット予約も可能です。

 

ルーブルは広い-作品の展示場所を事前確認

美術館はとても広く、じっくり見ると1週間あっても時間が足りません。

シュリー翼、リシュリュー翼、ドゥノン翼に分かれており、作品も各フロアに点在していますので、自分の見たい作品の場所を事前に確認し、入館後は目的地に直行するのがおすすめ。

ルーブルの公式サイトが日本語で分かりやすく情報を掲載していますのでご参照ください。

ルーヴル美術館の公式ウェブサイト

 

ルーブル美術館の作品紹介

ここからは、ルーブル美術館の作品を、解説と共にご紹介します。

作品数が多い美術館ですので、興味がある作品に絞って、美術館を見て回るのがいいかなと思います。

 

サモトラケのニケ-勝利の女神

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サモトラケのニケ

ルーブル美術館訪問でまず目に入るのがこちら「サモトラケのニケ」です。

ギリシャサモトラケ島で発掘された勝利の女神ニケの彫像です。

 

ギリシャ神話のあらすじを知るためにおすすめな本はこちら

sumikuni.hatenablog.com

 

モナリザ-ダ・ヴィンチの傑作

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ルーブルの中を抜けていきます。

 

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モナリザ

ニケと並んでルーブルの代名詞といえば、「モナリザ」。

モナリザはフランス語ではLa Joconde(ラ・ジョコンド)と言うそうです。

 

肖像画の見方はこちら

sumikuni.hatenablog.com

 

洗礼者ヨハネ-ダ・ヴィンチの有名作品

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洗礼者ヨハネ

そして同じくレオナルド・ダ・ヴィンチの描いた「洗礼者ヨハネ」。

洗礼者ヨハネイエス・キリストユダヤ教徒としての洗礼を施した人物で、最終的にサロメの要望によって首を撥ねられて死んでしまった殉教者です(サロメという女の子が踊りを父に褒められたときに、彼の首を所望しました)。

 

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天井画

天井画も綺麗。

 

メデュース号の筏-実際に起こった悲劇

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メデュース号の筏

こちらは「メデュース号の筏」。

メデュース号は1816年に座礁したフランス船。座礁してからの13日間で147人内の殆どの船員が死亡。生き残ったのは13人という凄惨な事件を描いたジュリコーの作品です。この筏では生き残るために食人もしなくてはいけなかったそう。この事件は国際的な大スキャンダルとなりました。

 

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メデュース号の筏2

こちらも同じ主題、同じ構図の絵画です。

 

民衆を導く自由の女神-多くのオマージュが生み出された

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民衆を導く自由の女神

民衆を導く自由の女神」はドラクロワによって描かれた傑作。1830年のフランス7月革命(王政復古で復活したブルボン朝が再び打倒された革命)を主題としています。

 

ミロのヴィーナス-不完全だからこそ美しい

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ミロのヴィーナス

ミロのヴィーナスもルーブルにあります。不完全だからこそ美しいといわれるこちらの像。古代ギリシャの時代に製作されたものです。

 

ギリシャ神話の神々についてはこちら

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ナポレオンの戴冠式-ナポレオンここにあり

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ナポレオンの戴冠式

ナポレオンが妻ジョセフィーヌに戴冠した「ナポレオンの戴冠式」。

パリのノートル=ダム大聖堂で1804年12月2日に挙行された戴冠式の光景がダヴィッドによって壮大に描かれました。

 

ヴェルサイユのナポレオン戴冠式はこちら

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キリストの磔刑-エル・グレコ

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キリストの磔刑

こちらはエル・グレコが描いたキリストの磔刑

エル・グレコギリシア人ながらスペインのトレドに住み、マヌエリスモと呼ばれる技法で独特な宗教画を数多く残しました。

 

エル・グレコ詳細はこちら

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ベラスケスの肖像画

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ベラスケスの作品群

スペインのフェリペ4世に仕えた宮廷画家ベラスケス。

代表作は「ラス・メニーナス」。ラス・メニーナスはスペインのプラド美術館に所蔵されていますが、ベラスケスの作品をルーブルでも鑑賞することができます。

 

※スペイン絵画についてはこちらをご覧ください

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受胎告知-宗教画で最も有名な主題

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受胎告知1

宗教画の代表といえる「受胎告知」。

聖母マリアのお腹に子ども(イエス)が宿りましたと大天使ガブリエルが伝えにくるシーン。このときマリアは未婚ですので、さぞや驚いたことでしょう。

 

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受胎告知2

受胎告知は宗教画の中でも特に人気の主題。多くの画家によって描かれました。

 

※宗教画の見方はこちらをご覧ください

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怒れるメディア-ギリシア神話・怒りの物語

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怒れるメディア

こちらの鬼気迫る絵はドラクロワ作「怒れるメディア」。

ギリシア神話の主題の一つで、英雄イアソンが、コルキス国へ黄金の羊皮を探しに行ったときに恋に落ちたのがこの魔女メディア。その後イアソンが浮気をし、怒ったメディアが二人の子どもに手をかけようとする場面です。

 

スザンナと長老たち-美徳の不徳への勝利

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スザンナと長老たち

聖書のお話で好まれる主題がこちらの「スザンナと長老たち」。

ある日、人妻スザンナが水浴びをしていると二人の長老が現れ、彼らとの関係を迫る。スザンナが拒否すると、彼らは「スザンナが木下で男と密会をしていた」と嘘の告発をする。昔は不徳は厳罰であったため、スザンナは死刑を言い渡されるが、そこにダニエルという青年が現れ、異を唱える。ダニエルは長老たちを別々に尋問し、彼らの話の食い違いを指摘。これにより告発者である長老たちが処断され、美徳が勝利を収めることとなった、という物語です。

 

パリスの審判-トロイア戦争の引き金

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パリスの審判

パリスの審判はギリシア神話で好んで描かれる主題。パリスの決断がトロイア戦争の引き金となり、自国トロイア王国の滅亡に繋がってしまうという悲劇の物語です。

 

 

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パリスの審判2

パリスの審判もとても人気の主題。多くの画家たちの絵画を鑑賞することができます。

 

※神話画の見方はこちらをご覧ください

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印象派も多く展示-ルノワールドガなど

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ルノワール

印象派の作品も見ることができます。

こちらはルノワール。甘美な画風が特徴の画家。オルセー美術館の『ムーランドラギャレット』は特に有名な作品です。

 

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ドガ

こちらはドガ。バレエのエトワールが有名な画家です。

ドガは一瞬を切り取る画家として活躍。その一瞬のモデルとなったのが疾走する馬であり、舞台上そして日常のバレリーナでした。こちらの絵はバレリーナではないですが、人々の日常の一瞬を切り取った絵画であるといえます。

 

印象派の見方はこちらをご覧ください

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天文学者-フェルメールの代表作

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天文学者

こちらはフェルメールの「天文学者」。

フェルメールフェルメールブルーと呼ばれる独特の青色を鮮やかに使った作品が特徴。このフェルメールブルーは、ラピスラズリと呼ばれる、チリとアフガニスタンでしか採掘できない宝石を粉にして作った色。

ラピスラズリは鮮やかな群青に星屑を散りばめたように鉱物が表出しており、その美しさから別名「星空の宝石」と呼ばれます。

 

ダイヤのエースを持ついかさま師

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いかさま師

ジョルジュドラトゥールの作品『ダイヤのエースを持ついかさま師』。

純朴な貴族の少年を他の三人がいかさまではめようとしているシーンを描いた作品です。

 

ガブリエル・デストレとその姉妹ビヤール公爵夫人とみなされる肖像

 

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ガブリエル・デストレとその姉妹のビヤール公爵夫人とみなされる肖像

こちらの作品はフォンテーヌブロー派の画家によって描かれた作品といわれていますが、作者は不明。

モデルは、アンリ4世(1553-1610年)の寵妃ガブリエル・デストレと、彼女の姉妹の一人であると言われているビヤール公爵夫人ではないかと推測され、ガブリエル・デストレの右の乳房をつまむという仕草は、ガブリエルがアンリ4世の私生児を懐妊したことを象徴していると言われています。

 

ナポレオン3世の居室-ルーブルの中の豪華な部屋

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ナポレオン3世ナポレオン1世(ナポレオン・ヴォナパルト)の甥。

ルーブル美術館リシュリュー翼の2階にナポレオン3世の居室があります。ものすごく豪華絢爛で金色が眩しい。

 

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豪勢なシャンデリア、内装、調度品に感動してしまいました。

 

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絵画だけでなく、美しい内装や部屋の数々もルーブル美術館の見どころです。

 

終わりに

まだまだ魅力が詰まったルーブル美術館

1日では足りないくらい沢山の芸術作品と出会うことができる美術館ですので、時間をたっぷりとって、ゆったりとした時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

 

※パリの旅行記はこちら

sumikuni.hatenablog.com

 

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