すみくにぼちぼち日記

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西洋絵画を勉強するためにおすすめな本を紹介-絵画入門は中野京子, 原田マハ, 阿刀田高で美術を学ぶ

日本の美術館や欧米の美術館で目にする西洋絵画。見ているだけで美しい絵画ですが、絵画の特徴を知ると美術鑑賞が一層面白くなります。

この記事では西洋絵画を勉強したいと思ったときにおすすめな本をご紹介します。

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西洋絵画を勉強するためにおすすめな本を紹介

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西洋絵画を鑑賞するときに、知っておくと美術館が一層楽しくなる知識があります。

そんな知識を蓄えるためにおすすめな本が、中野京子さんの本、原田マハさんの本、そして阿刀田高さんの本です。

美術の見方、面白さを学ぶなら中野京子さん、美術を小説として楽しむなら原田マハさん、美術の題材を面白く学ぶなら阿刀田高さんの本を読むと、美術の基礎を学ぶことができます。

 

中野京子さんの怖い絵シリーズ

美術の楽しさに浸るのにおすすめな作家が中野京子さんです。

中野京子さんは絵画で描かれるストーリーを軽快な語り口で解説する作家。美術の表から裏側までを学ぶことができます。

数ある作品の中でも特におすすめなのが「怖い絵シリーズ」です。怖い絵シリーズは、絵画に描かれるシーンの背景にある怖い物語を、絵画を見ながら解説する本。

 

怖い絵 泣く女篇 (角川文庫)

怖い絵 泣く女篇 (角川文庫)

 

 例えば『怖い絵 泣く女篇』の表紙に描かれるのは、紅茶「レディ・グレイ」のモデルとなったイングランド最初の女王ジェーン・グレイ。

在位わずか9日間でブラッディーメアリーことメアリー1世により廃位させられ、その7ヶ月後には処刑されてしまった悲劇の女王です。

彼女が何故このような数奇な運命を辿ったのか、その歴史から処刑に至る顛末までをこの本では解説されています。

このような、絵画にまつわる様々な物語を短編集のように纏めた本が、怖い絵シリーズなのです。

 

 

名画の謎 陰謀の歴史篇 (文春文庫)

名画の謎 陰謀の歴史篇 (文春文庫)

 

他にも、名画の謎シリーズなど、絵画を様々な切り口から捉えた本を多数執筆している中野京子さんは、絵画入門では欠かすことのできない作家さんです。

 

中野京子さんの絵画で学べる西洋史はこちら

sumikuni.hatenablog.com

  

原田マハさんの美術小説

中野京子さんの本で絵画の面白さを体感したら、次に原田マハさんの美術小説を読むのがおすすめ。

美術を題材とした歴史小説やミステリー小説が原田マハさんの魅力のひとつです。

 

 『ジヴェルニーの食卓』は、美術小説の中でも読みやすい本。

印象派の画家たちの生活を短編小説として描いた作品です。モネやドガなど、印象派を代表する画家たちの絵画に対する姿勢や絵画とは離れた部分での人間性などを想像することができます。

 

楽園のカンヴァス (新潮文庫)

楽園のカンヴァス (新潮文庫)

  • 作者:原田 マハ
  • 発売日: 2014/06/27
  • メディア: 文庫
 

原田マハさんの美術小説の中でも傑作中の傑作と言えるのが、『楽園のカンヴァス』です。

『楽園のカンヴァス』は、アンリ・ルソーの代表作『夢』と酷似する作品『夢を見た』の真贋を巡り、若い研究者2人が鑑定を試みるという美術ミステリー。

主人公早川織絵は伝説の美術コレクターであるバイラーの計らいで、MoMA(ニューヨーク近代美術館)のキュレーター、ティム・ブラウンと『夢を見た』の鑑定で対決することに。しかし、その鑑定にはひとつの条件がありました。それは、7日間、7章からなる物語を、一日一章ずつ読み、その上で『夢を見た』の真贋を判断して欲しいというものだったのです。

原田マハといえば美術小説。私もこの『楽園のカンヴァス』で初めて原田マハさんの作品に触れました。『楽園のカンヴァス』では、2人の若きキュレーターが1枚の絵を巡って繰り広げる観察と考察、そして推理を、まるでその場に同席しているかのようにリアルに堪能できます。

小説の中に登場する物語を私たちも一緒に読み、その物語と絵画に対する2人の推理を聞く。2人の意見が知りたくて、物語の先が知りたくて、ページをめくる手が止まらなくなる、そんなドキドキのミステリーを味わうことができる作品です。

 

原田マハさんのおすすめ作品についての詳細はこちら

sumikuni.hatenablog.com

 

阿刀田高さんの知っていますかシリーズ

中野京子さんの本で美術の楽しさを知り、原田マハさんの本で美術の奥深さを感じたら、今度は阿刀田高さんの「知っていますかシリーズ」で、美術に描かれる神話や聖書の内容を学ぶのがおすすめ。

 

旧約聖書を知っていますか (新潮文庫)

旧約聖書を知っていますか (新潮文庫)

  • 作者:阿刀田 高
  • 発売日: 1994/12/20
  • メディア: 文庫
 

阿刀田高さんはミステリーやブラックユーモアの分野で高名な作家さんですが、実は世界各国の古典を軽妙に読み解いた随筆でも知られる作家さんで、阿刀田高さんの作品を読めば、楽しくヨーロッパ古典を学ぶことができます。

例えはこちらの『旧約聖書を知っていますか』は、アブラハム、イサク、ヤコブ、ヨセフ、モーセヨシュアダビデ、ソロモンと続く古代イスラエル王国の歴史を分かりやすく解説している本です。

旧約聖書に馴染みの薄い読者でも分かりやすい形で解説してくれる本で、聖書を学ぶときははまず、この本を読むのがおすすめ。

天地創造などの神話的要素に関しても説明されており、この一冊を読めば旧約聖書ユダヤ教キリスト教イスラム教について、「なるほど、そういう宗教か」と理解できるようになれる作品です。

 

阿刀田高さんの「知っていますか」シリーズの詳しい紹介はこちら

sumikuni.hatenablog.com

 

ギリシャ神話の知識をつけるなら

阿刀田高さんの「知っていますかシリーズ」と重複するところもありますが、特にギリシャ神話を重点的に学びたいと思ったときにおすすめな本を5冊紹介している記事が下の記事となります。

ギリシャ神話に興味がある場合には、是非一度ご覧になってみてください。

 

sumikuni.hatenablog.com

 

聖書の知識をつけるなら

聖書について学べる本をご紹介している記事も書いているので、聖書に興味がある場合は是非覗いてみてください。

 

sumikuni.hatenablog.com

 

終わりに

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この記事では、西洋絵画を勉強するためにおすすめな本をご紹介しました。

中野京子さん、原田マハさん、阿刀田高さんは、美術を学ぶときにとてもおすすめな作家さんですので、是非一度作品を読んでみてください。

 

※宗教画の見方についてはこちら

sumikuni.hatenablog.com

 

静物画の見方についてはこちら

sumikuni.hatenablog.com

 

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