すみくにぼちぼち日記

メキシコ生活や欧米旅行記、各国の美術館について書いています。

プエブラ空港ラウンジ-The lounge(プリオリティパス)

メキシコの観光名所として知られるプエブラメキシコシティからバスで2時間ほどの距離にあるため、あまり利用者が多くない空港ですが、プライオリティパスを利用できるラウンジが存在します。今回はプエブラ国際空港(Hermanos Serdan空港)のラウンジをご紹介します。

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場所:荷物検査後すぐ

資格:プライオリティパス

アクセス★★★★★

空港がものすごく小さいということもあり、アクセス抜群のラウンジ。出発時間ギリギリまでラウンジに滞在することができます。

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食事★★

利用者が少ないということもあり、食事の種類は少ないです。ですが、アテンドしてくださるスタッフの方々のサービスが抜群。食事の種類の少なさを十分カバーしてくれるサービスです。

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混み具合★★★

利用者は少ないですが、部屋がかなり小さめなので、必然的に人口密度は高め。内装が可愛らしく清潔感もあるラウンジですので、プエブラ空港から出発する際は是非利用したいラウンジです。

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総合評価★★★★

空港の小ささや利用客の少なさから、アクセス面でも居心地の良さの面でも抜群のラウンジ。食事は少ないながらも、利用客数を考えると顧客満足度を重視したラウンジであることが想像できます。

プエブラ空港ご利用時は是非The loungeを利用してみてください。

 

プエブラ旅行記はこちら

メキシコのスペイン-メキシコプエブラ旅行記(2019/03) - すみくにぼちぼち日記

 

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ロシアの秘宝-エルミタージュ美術館 ロシア サンクトペテルブルク

世界三大美術館の1つとも言われるエルミタージュ美術館。ロシアのサンクトペテルブルグにある美術館で1700年代半ばから女帝エカテリーナ2世のコレクションが飾られるようになりました。今回はエカテリーナ2世の至高のコレクションを展示しているエルミタージュ美術館をご紹介します。

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エルミタージュ美術館

 

エルミタージュ美術館の作品

エルミタージュ美術館にはレンブラントティツィアーノなど、多くの有名画家の作品が展示されています。

 

エルミタージュ本館の歴史画・宗教画

はじめにご紹介するのはクリスティアーナ・ロバートソンが描いたマリア・アレクサンドロヴナの肖像画。アレクサンドロヴナはロシア皇帝アレクサンドル2世の皇后だった人物です。

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クリスティーナ・ロバートソン【エルミタージュ美術館

 肖像画の楽しみ方はこちら

sumikuni.hatenablog.com

 

続いてエル・グレコの作品の「使徒ペトロとパウロ」です。エル・グレコはスペインのフェリペ二世の治世に活躍したギリシャ人画家。マヌエリスムという全体的に引き伸ばしたような画風が特徴の画家で多くの宗教画を残しました。

どちらもキリスト教の12使徒と呼ばれる重要人物です。ペトロの有名なエピソードとして次のものがあります。

キリストが捕まる前にペトロは「貴方は私のことを知らないと3回言うでしょう」とキリストから予言されます。ペトロは「そんなことありません」と否定するのですが、キリストの捕縛後、キリストの裁判まで、そして裁判中にあわせて3度「貴方はキリストの弟子でしょう?」と周りの人々に尋ねられます。そしてそのたびに「私は知らない」と答えてしまいます。その三度目の否定をしたときに彼は「自分はとんでもないことをしてしまった」と自分の行いを悔いる

というお話。聖書に馴染みがない日本人でも耳にしたことがある気がするエピソードです。

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エル・グレコエルミタージュ美術館

グレコの愛したトレドの記事はこちら

sumikuni.hatenablog.com

 

最後にご紹介するのはレンブラント作の「ダナエ」。ダナエの主題はギリシャ神話です。ダナエが生まれる前、父であるアクリシオスは神の神託を仰ぎます。すると「お前は孫に殺される」という神託が下りました。アクリシオスは恐れおののきダナエを塔に幽閉するのですが、ギリシャ神話の神様であるゼウスが見初め、黄金になってダナエに降り注ぐ。するとダナエは男の子を身ごもってしまったのです。

アクリシオスは断腸の思いで二人を島流しにするのですが、生まれた子はペルセウスという英雄。メデューサ(ゴルゴンの首)を退治したり、アンドロメダを救ったりしながら最終的に母国アルゴスへ帰還しました。

アクリシオスは殺されるのを恐れて家督を譲り、隠居し、姿を暗ませるのですが、ある日開かれた円盤投げ大会でペルセウスが投じた円盤が老人に当たり、老人は死んでしまいます。そしてその老人こそがアクリシオスその人だったのです。

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レンブラントエルミタージュ美術館

 エルミタージュ新館は近代絵画

エルミタージュ美術館の反対側には新館が立っており、そちらでは近代絵画を鑑賞することができます。

こちらはルノワール作の「ジャンヌ・サマリーの立像」。ジャンヌ・サマリーは当時の女優で、他にもルノワールのモデルとして彼の作品に登場しています。

ルノワールエルミタージュ美術館新館】

続いてモネ作の「タンドレスの庭」。モネが描く風景は本当に美しく、癒されました。

モネ【エルミタージュ美術館新館】

エルミタージュ新館には他にもドガゴッホマティスなどの作品も展示されています。

内装の壮麗さはヨーロッパ随一

多くの作品が揃うエルミタージュ美術館ですが、その内装もとても美しく息を呑むほど。

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エルミタージュ美術館 天井画

絵を見て感激するのと同じくらい内装のすごさに感動しました。

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エルミタージュ美術館

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エルミタージュ美術館

こちらはピョートル大帝の偉業を称えて製作された玉座です。

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エルミタージュ美術館玉座

目に入るもの全てに圧倒されたエルミタージュ美術館でした。

 

終わりに

今回はエルミタージュ美術館をご紹介しました。エルミタージュ美術館では本当に多くの名画が展示されており、そして何よりもその内装の豪華さに感動すること間違いなしですので、ロシア御旅行の際は是非エルミタージュ美術館に足を運んでみてください。

 おまけ

エルミタージュ美術館ですが、チケット購入にものすごく並びます。ですが、一番初めの写真の門を抜けたところに自動券売機が設置されており、券売機には誰も並んでいません。思い切って券売機(クレジットカード可)を利用してみてください。入場券を購入できます。その入場券を持って行列に並ばずに入り口まで行くと、待ち時間無しで入場できます。

 

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夢見る宝石-ロシア モスクワ旅行記(2017/8)

芸術の都モスクワ。世界的に有名なボリショイバレエ団や赤の広場など、美しさの代表ともいえるような文化的資産を有する大国ロシアの美の都をご紹介。

ロシアに来たならバレエを見たい!

せっかくロシアに来たのだからとまずはじめに訪れたボリショイ劇場。ですが、8月に旅行したため、ロシアのバレエ団は巡業中?でモスクワでの公演を行っていないことが判明…半ば諦めていたのですが、ボリショイ劇場のお隣のRAMT(キリル文字ではPAMT)で公演を行っていました。

ロシアを代表するバレエ劇場- ボリショイ劇場

こちらがロシアを代表するバレエ劇場のボリショイ劇場。あのボリショイバレエ団の本拠地です。ボリショイとはロシア語で「大きい」を意味する言葉で、ボリショイ劇場はロシア語で大劇場という意味だそうです。

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この雄大な佇まい、中に入れなかったのが残念ですが、また別の時期に行ってみたいと思います。

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子どもと一緒にバレエ鑑賞も-RAMT

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ボリショイ劇場に入れなかったため、そのお隣にあるRamtでバレエを鑑賞。小さいながらも洗練された建物でした。

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 モスクワ滞在中に2回バレエを見に行きました。こちらは白鳥の湖。生オーケストラの演奏とすばらしいバレエを見ることができて感動しました。

白鳥の湖の粗筋は、

「真実の愛(これまで恋したことのない男性に愛される)によって人間に戻ることができるという魔法をかけられた女性と王子の物語。

女性は夜だけ人間の姿に戻ることができるのですが、お昼は白鳥の姿で過ごしています。ある日王子がこの女性に出会い一目で恋に。事情を知った王子は舞踏会に女性を誘いますが、当日現れたのは魔法で彼女に返信した魔女の娘でした。王子はそれに気づかず求婚し、白鳥は元の姿に戻れなくなります。

王子は魔女と戦いますが、結局魔法は解けずに王子は湖に身を投げてしまう」

というお話です。

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これぞロシア-赤の広場

ロシアと言えば赤の広場。ミッション・インポッシブルの舞台となったクレムリンがある広場です。

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ロシアに来て思ったのは、とにかく建物が可愛いということ。古めかしいと言う感じでもなく、新しすぎるわけでもない。形も色もとにかく可愛いのです。

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たまねぎ屋根が可愛い-ワシリィ大聖堂

赤の広場の中にあるワシリィ大聖堂。たまねぎ屋根、そして建物の模様に癒されます。

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見惚れてしまう-クレムリンの壁とスパスカヤ

こちらはクレムリンの壁とその壁から聳え立つスパスカヤ(救世主)塔。クレムリンと言うのは旧ロシア帝国の王宮で、ソ連時代には共産党の中枢が置かれました。

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歴代ツァーリが眠る-聖天使首大聖堂(せいてんししゅ大聖堂)大聖堂

こちらは歴代のツァーリが眠る大聖堂。1500年代に立てられ、17世紀まで歴代ツァーリが埋葬されました。イヴァン4世(雷帝)も埋葬されています。イヴァン雷帝は優秀な息子イヴァン(5世となるはずだった)を殴り殺してしまったエピソードで有名な皇帝。ツァーリという称号を正式に使用した始めての人物でもあります。

 

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お洒落に買い物-グム百貨店

モスクワで買い物をするのであればここ。歴史ある建築物の中のお洒落な空間で是非買い物を楽しんでみてください。

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美しい以外の言葉を忘れる-スターリン様式の建築群

ロシアの建築物で忘れてはならないのがスターリン様式の建築群。スターリン様式とはその名の通りスターリン時代に多く立てられた建築物で、当時の社会主義国家の建築物にも大きな影響を与えました。

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スターリンはモスクワにこの様式の摩天楼を乱立させ、その国力を誇示しようとしたとも言われています。

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中でも見所はこちらのラディソン・ロイヤル・ホテル・モスクワ。元々はウクライナ・ホテルと言う名称のスターリン様式の建築物です。

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夜のライトアップも幻想的。

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なんと中に入ることができます。宿泊客でなくてもホテルのエントランスまで入って写真撮影することも可能です。

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 ホテルの部屋はこんな感じのかわいらしい内装です。

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 巨躯の聖堂-救世主ハリストス大聖堂

こちらの聖堂はナポレオン戦争後にロシアの勝利の記念及び戦没者の慰霊を目的として1812年に建築が開始された救世主ハリストス大聖堂。その後スターリンの指示で爆破されたのですが、1990年代に再建立が計画され、2000年に今の姿を取り戻すことができました。

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カフェが集まる歩行者天国-アルバート通り

モスクワで最も有名な歩行者天国であるアルバート通り。沢山のカフェが集まり、ゆっくりと散歩をするのに最適なエリアです。

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 芸術家の方々が絵を売っている絵を見たりと、のんびりと休日を楽しむことができます。

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終わりに

今回はロシアのモスクワをご紹介しました。いかがだったでしょうか。日本のお隣であるロシアですが、なんとなく遠いような気がしてしまう国。私も行く前はあまりイメージがなかったモスクワですが、旅行してみて大好きな町になりました。

皆さんも是非、旅行先に迷ったらモスクワを候補に加えてみてください。

※ロシア観光はビザ取得が必要です。私はロシア旅行の際はいつも「ロシアビザセンター」というところにビザ取得を依頼しています。

https://interlinkservice.world/japan/jp

 

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知れば100倍面白くなる美術館の見方(肖像画編)

デートや海外旅行での定番スポットである美術館。美術館を訪れると必ずといっていいほど展示されているのが肖像画の数々。有名な人なのかなーとは思っても、知らない顔ばかり並んでいる肖像画エリアはついつい早足になってしまいます。

今回はそんななんとなく難しいイメージのある肖像画の楽しみ方について「知れば100倍面白くなる」をテーマに考えてみたいと思います。

静物画を楽しむ豆知識はこちら

sumikuni.hatenablog.com

 ※この記事は学術的な研究に基づく記事ではなく、個人の趣味の範囲で書かれています。

肖像画は何故描かれたのか

 肖像画の主人公は王侯貴族が殆ど。と言うのも、元々肖像画というのは画家がお金を稼ぐ手段として描いていた絵画で、その発注元は王族や貴族でした。王侯貴族は、私たち現代人が写真を取る感覚で自分や家族の肖像画を画家に依頼していました。

自分が楽しむために描かせた肖像画も存在しますが、政治的なプロパガンダを目的とした肖像画や結婚するためのお見合い写真のような感覚で描かれた肖像画もあります。プロパガンダとして肖像画を利用した人物として有名なのが、イギリスの処女王エリザベス一世エリマキトカゲのような襟で有名)やフランスのマリーアントワネット。マリーアントワネットは家族の絵をヴィジェ・ルブランに描かせ、「国民の母」を演出していたと言われています。

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Vigée Le Brun(ヴェルサイユ宮殿蔵)

ナポレオンもプロパガンダの達人で、特に有名な絵画は馬にまたがり急峻な崖を登っている絵。絵では駿馬にまたがる颯爽としたイメージを演出していますが、実際は騾馬(ラバ)にまたがり慎重に進行したそうです(その絵がこちら)。

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Paul Delaroche(ルーブル美術館蔵)

お見合い用の肖像画を描かせた場合には、当然実物よりも「盛って」画家に描かせるために、実際に出会ったらお互いに別人のようだったということもあったようです。その代表作?がこちらのアン・オブ・クレーヴズの肖像画

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Hans Holbein(ルーブル美術館蔵)

アンはイギリス国教会を設立したことで有名はヘンリー8世(ブラッディ・メアリーと処女王エリザベス一世の父)の4番目の妃。イギリスをカトリックからプロテスタントへ改宗したヘンリー8世の要望により、クロムウェルにより選出され、ホルバインという画家によって肖像画が描かれました。ヘンリー8世は一目で気に入ったのですが、実物を見た途端にあまりのギャップに激怒しクロムウェルを処刑、ホルバインを追放してしまい、半年後にアンとも離婚してしまいました。この一枚の絵画によって3人の人間の人生が大きく変わってしまったのです。ちなみに、ヘンリー8世は生涯で6人の妻を娶り、多くが悲惨な末路をたどっていることを考えると、離婚後に「王の妹」という称号を貰い余生を楽しんだアンはこの肖像画によって人生が好転したとも言えるかもしれません。

肖像画を100倍楽しむための豆知識

様々な目的のために描かれた肖像画ですが、その見方のコツが分かると、肖像画エリアも一段と面白いものになります。

肖像画はインスタだ

昔の人々は自分の姿や楽しかった思い出を残しておきたい、誰かに見てもらいたいと考えて、多くの王侯貴族が画家に肖像画を依頼していました。そんな肖像画ですが、見る側としてまず心に留めておきたいことは、肖像画はインスタだということです。

インスタって、例え投稿する人のことを良く知らなかったとしても、なんか観てるだけで面白いですよね。そんな感じで、「綺麗な人だなー」とか、「この人イケメン」とか、「赤ちゃん小さくて可愛い」などなどの観点から気楽に楽しめるのが肖像画です。例えばこちらはヴィクターハンター作のオーストリア皇后エリーザベト(レプリカ)。絶世の美女と謳われたエリーザベトの美しさにただただうっとりするばかりです。このエリーザベトは見返り美人風の構図なので、エリーザベトとしてはこのドレスや髪型の横側から後ろにかけての装飾が気に入っていたのかなと思います。

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Franz Xaver Winterhalter(レプリカ)

そしてこちらはクリスティーナ・ロバートソン作のマリア・アレクサンドロヴナ。素敵なドレスだなーとか、この時代も犬を飼っていたんだなーとか、そんな他愛もないことを感じながら絵画を楽しみます。

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Cristina Robertson(エルミタージュ美術館蔵)

中でもインスタ映えする衝撃的な肖像画を残したのが「王の画家にして画家の王」と謳われたルーベンス。その代表作である「マリー・ド・メディシスの生涯」は肖像画の域を超えています。

マリー・ド・メディシスはフランスのアンリ4世の妻で、イタリア・フィレンツェの名門商家メディチ家出身の女性。彼女は莫大な財力をバックにあのルーベンス肖像画を依頼します。ですが、マリー・ド・メディシスはあまりお綺麗な方ではなく、依頼されたルーベンスも「似せて描くと怒られるし、嘘をつくのもな…」と困ってしまいます。そこで考え出したのが、「そうだ!マリー・ド・メディシスを神話の中に入れちゃおう!」という妙案でした。出来上がった作品は、壮大な神話画の中にとても小さく顔が目立たない程度に(というよりもどれがマリーか分からないくらいに)マリー・ド・メディシスを描き込んだ、肖像画とは思えない肖像画。この絵こそが「インスタの写真をアプリで沢山加工してアップする」という現代の肖像画に繋がる源流だったのです(個人の見解です)。

※実物はルーブル美術館ルーベンスの間にありますので、是非実際に見てみてください。

絵にファッションの変遷を見る

モデルのファッションに注目するのも肖像画の楽しみ方のひとつ。例えば、エリザベス一世が着ていたエリマキトカゲのような襞襟(ひだえり)は、当時のヨーロッパでのトレンドでした。(1500年代後半)

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作者不明-オクスフォード大学

こちらは1600年代中旬に描かれた肖像画。襞襟がさらに大きくなっています。

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Johannes Corneliszoon Verspronck(ノートン・サイモン美術館蔵)

こちらのレンブラント作の肖像画の男性も襞襟着用。1600年台中旬の絵です。

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Rembrandt Harmenszoon van Rijn(ノートン・サイモン美術館)

 こちらはマリーアントワネットの肖像画を多く描いたルブランが描いた肖像画。1700年代後半の絵画です。この時代になるとより現代に近い形のファッションになってきます。

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Marie Élisabeth-Louise Vigée Le Brun(ノートン・サイモン美術館蔵)

このように、 肖像画は当時のファッションを知ることができるファッション雑誌のような存在であり、鑑賞するときには、その時代にどんなファッションが流行ったのか、どんな髪形をしていたのかなどに注目してみると、肖像画が生き生きと見えてくるはずです。

悠久の歴史を感じる

肖像画歴史小説でもあります。肖像画に写る王侯貴族を見ながら、「この王様誰だろう?」と携帯で検索し、その時代背景を知りながら鑑賞するのも肖像画を楽しむコツです。

例えばこちらはスペインの巨匠ベラスケスの絵画。ベラスケスはスペインハプスブルク家の宮廷画家(王様に使える画家)で、ラス・メニーナスなど、多くの傑作を残しました。下の絵はスペイン王フェリペ4世の家族の絵。ハプスブルク家の特徴は受け口であること。ベラスケスの絵にはその特徴がしっかりと描かれています。ですが、何故そんなに受け口が遺伝したのかと言うと、実は、ハプスブルク家が「青い血(純潔)」を守るため、近親結婚を繰り返したことが原因でした。中には伯父姪婚を行った例もあり、その血の濃さはすさまじく、その濃さのためか時代を下るにつれ病弱な家系となっていき、カルロス2世の死を最後に200年の歴史に幕を閉じました。

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Diego Velázquez(ルーブル美術館蔵)

 ※ハプスブルク家に関する記事はこちら

sumikuni.hatenablog.com

 絵画の変遷に時代を見る

時代によって変わりゆく絵画の変遷を見るのも楽しみの一つ。中でもここまで紹介してきた絵画から一気に作風が変わるのが1800年代に起こった印象派以降の絵画です。例えばこのゴッホの絵のように、昔とは筆のタッチが変わったというのも変化の1つ。

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Vincent Willem van Gogh(ノートン・サイモン美術館蔵)

そして何より変わったのが描かれる対象です。印象派が台頭するまでのヨーロッパは一部の地域を除き絵画は王侯貴族のものでした。したがって一般市民が絵の対象となることはありませんでした。しかし、時代が下り、市民が主役となると、購買層が市民に移り、様々なテーマの絵画が描かれるようになったのです。例えばゴーギャンの「タヒチの女」やルノワールのヌード画など新しい絵画が次々と描かれるようになりました。

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Eugène Henri Paul Gauguin(ノートン・サイモン美術館蔵)

こちらはルノワールのヌード画。印象派台頭の少し前まで、ヌード画は「神話」もしくは「聖書」の題材(実際の風景ではない、想像の世界)を書くことで許されていたジャンルで、実在する人物のヌードを書くのはタブー中のタブーでした(そのため、ヴィーナスなど、裸の女神様は格好の題材だったのです)。

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Pierre-Auguste Renoir(ノートン・サイモン美術館蔵)

バレエで有名なドガ。人々の生の一瞬を切り取る画家でした。市井の人々やバレリーナなどが描かれ始めたのも印象派が台頭してきてから。特に絵の具の発達により外で色付けができるようになったことが大きく寄与しています。それまでは暗いアトリエの中で色の原料となる植物や虫を磨り潰しながら絵の具を作っていたのですが、この時代からチューブ入り絵の具が普及し始め、アトリエから開放されて絵を描くことができるようになりました。

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Hilaire Germain Edgar de Gas(ノートン・サイモン美術館)

そして最終的には「絵の概念」さえもが変わっていったのです。これまでの注文主が気に入る作品を制作する時代から、自分が好きな絵を描いて表現する時代へと変化していきました。

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Amedeo Clemente Modigliani(ノートン・サイモン美術館蔵)

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Pablo Picasso(ノートン・サイモン美術館蔵)

終わりに

今回は普段美術館でも素通りしてしまいがちな肖像画について、「知れば100倍面白くなる」をテーマに美術館の見方について考えてみました。美術館で肖像画を見つけた際には、是非、インスタを見る感覚で気軽に肖像画を楽しんでみてください。

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海・空・町-アメリカ サンディエゴ旅行記(2019/07)

抜けるような青い空、真っ白な砂浜、紺碧の海。おしゃれな街並みや学びの多い文化的施設にも魅了され、時が過ぎるのを忘れるほど充実した時間を過ごすことができる街…今回はそんなアメリカサンディエゴをご紹介します。

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学びに浸る-バルボアパーク

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バルボアパークはサンディエゴのダウンタウンからすぐ近くにある、学びの詰まった公園です。中には動物園や博物館、美術館などがあり、様々な施設を楽しむことができます。

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下の写真はサンディエゴ美術館。大規模美術館ではないですが、見応えのある作品が集められ、充実した時間を過ごすことができます。

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サンディエゴ美術館詳細はこちら

sumikuni.hatenablog.com

こちらのティムケン美術館は個人のコレクションだった絵画を無料で展示している必見の美術館です。

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ティムケン美術館詳細はこちら sumikuni.hatenablog.com

バルボアパークのもう一つの見所はこのスペイン風建築。スペイン風建築群の中を散歩しながらヨーロッパの雰囲気を楽しむという贅沢な時間を過ごすのもおすすめ。

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バルボアパークには劇場もあるため、次回訪問時は行ってみたいと思います。

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絶景と癒し-ラ・ホヤ・コーヴ

サンディエゴのおしゃれ地区であるラ・ホヤ(スペイン語で宝石の意味)。洗練された町並みが印象的な地区ですが、中でもラ・ホヤ・コーヴと呼ばれる海岸沿いの地域は必見。青い海と白い大地、そして間近で見ることのできるアシカに癒されること間違い無しです。ラ・ホヤ地区まではダウンタウンからウーバーで30分ほどで行くことができます。

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こちらがアシカ。何十頭ものアシカが海岸で寛いでおり、至近距離で見ることができます。寝ていたりじゃれあっていたりするアシカに時間を忘れて釘付けになってしまいます。

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海岸から少し上がったところにあるメイン通りには多くのブティックが立ち並んでおり、洗練されたお店の数々をウィンドーショッピングするだけでセレブ気分に。

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暑くなってきたらカフェで一息つくのがお勧め。私はハーゲンダッツカフェで一休みしました。

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絶品に舌鼓-リトル・イタリー

イタリア移民が多く移り住んだリトル・イタリー。沢山のイタリア料理レストランが立ち並ぶグルメ通りです。リトル・イタリーはダウンタウンに有り、サンディエゴハーバーまで歩いていくことができます。

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散歩に最適-サンディエゴハーバー

サンディエゴハーバーはサンディエゴ観光では外すことのできないスポット。海岸に浮かぶ船や空母は中を見学することも可能です。

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こちらはサンディエゴのシンボルであるナースにキスする水兵の像。この像は第二次世界大戦で日本に勝利した際、喜びのあまり水兵が見知らぬ女性にキスしたところを撮影した写真がモデルになっています。一見ロマンチックですが、いきなりキスされた女性からしたらいい迷惑だった一瞬かもしれません。

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泊まってみたい-ホテル・デル・コロナド

数ある観光スポットの中でもひと際美しいのが、このホテル・デル・コロナド(コロナドホテル)。コロナド地区に有るホテルで、ダウンタウンからはウーバーで20分ほどのところにあります。

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ビクトリア様式で建築されたホテルは外観も然ることながら、内装の美しさに息を呑みます。一泊でもいいので泊まってみたいホテルです。

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ホテル・デル・コロナドの裏にあるプライベートビーチではリゾート気分を存分に味わうことができます。

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終わりに

今回はアメリカサンディエゴ観光についてご紹介しました。サンディエゴは清潔で美しく、観光スポットも豊富で、家族旅行には最適な町。紹介した地域以外にもオールドタウンやガスランプクォーター、ミッションベイなど素敵な観光スポットが数多くあり、私も今回の旅行で虜になりました。

メキシコにも近いので、サンディエゴから歩いてメキシコのティファナ市へ渡ってみるのも面白いですし、逆にメキシコからサンディエゴに観光しに行くことも可能です。私もこの旅行ではメキシコティファナから歩いて国境を越えてサンディエゴに入りましたが、メキシコとアメリカの違いを肌で感じることができ、とてもいい経験となりました。

そんな魅力の詰まった都市サンディエゴを是非訪れてみてください。

 

※メキシコティファナ旅行記はこちら

sumikuni.hatenablog.com

※CBXはこちら 

sumikuni.hatenablog.com

※サンディエゴのお寿司屋さんはこちら 

sumikuni.hatenablog.com

 

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知れば100倍面白くなる美術館の見方(静物画編)

海外旅行やデートの定番スポットである美術館。美術館へ行く機会はあるものの、よく分からないから行きづらいという方も多いのではないでしょうか。身近にありながらも、どことなく敷居が高いイメージの美術館ですが、実は美術品の見方のポイントを抑えるだけで、その面白さは何倍にも膨らみます

今回はそんな「知っていれば100倍美術館が面白くなる豆知識」を「静物画」にスポットを当ててご紹介したいと思います。

 ※本記事は学術研究や理論に基づく記事ではなく、一個人の趣味の範囲で書かれているものです。

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Frans Snyders

 

画家の技術の結晶「静物画」

静物画とは、絵画のカテゴリーの1つで、果物や花、グラス、お皿、獣肉などの動かない、静止した物を対象とした絵画のこと。美術館に行くと必ずといっていいほど何点かは展示されている王道の絵画です。静物画自体は紀元前から描かれていたといわれていますが、盛んに描かれるようになったのは16世紀から。そしてその後現在に至るまで描かれ続けているジャンルです。

静物画の特徴として、画家の技量が物を言う絵画ということが上げられます。果物や花、グラスやお皿などを題材とする静物画は、本物そっくりなところに意味が見出されていたため、画家たちは競って静物画を描き、自分の技量を認めてもらおうとしました。謂わば画家たちが自分の技術を比べあうための格好の題材であったのが静物画でした。

市民台頭が鍵-静物画の歴史

何故16世紀から静物画が盛んに描かれるようになったのか、それはオランダでの市民階級の台頭に起因します。

絵画と言うのは元々貴族の偉い人たちのもので、教養ある貴族がその絵を読むためにありました(絵に描かれたギリシャ神話の内容などを絵を見て思い出しながら楽しむ)。また、教会が布教のためのツールとして、目で見て分かる絵画を利用していたことも絵画の存在意義の1つでした。

一方でオランダでは、スペインからの独立を機に市民階級が台頭し、絵画の購買主が市民階級へと変化。画家たちは市民が好んで購入したくなるような風俗画(市民の生活を描いた絵)、風景画、そして静物画を書くようになりました。

静物画が100倍面白くなる鑑賞法

そんな静物画ですが、私は実は「歴史画」や「宗教画」、「風景画」などに比べてつまらない絵画だと思っていました。何せ、どれも同じに見えてしまう。これでもかと言うくらい画面に花や果物が詰め込まれた絵、狩られた直後の動物の絵、何の変哲もないグラスの絵…

しかし、そんな一見退屈に見える静物画もちょっとした見方の豆知識でぐっと面白くなるのです。

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Isaac Soreau

四季を楽しむ

16世紀から、オランダで購買主が市民に代わって言ったと前述しましたが、その購買主は購入した絵をリビングやベッドルームに飾っていました。その家に飾る用の絵画として要望したのが四季折々が詰まった絵画です。

現在では、温室などの発達から、春夏秋冬、様々な花や果物を観賞したり頂いたりすることができますが、16世紀や17世紀には季節のものは季節の間でしか楽しむことができませんでした。そんな中、購入者の要望に多かったのが様々な季節の花や果物を同じキャンパス内に描き、絵画で四季を堪能すること。日本では茶道などで季節にあった茶花や掛け軸を準備し四季を楽しむという「わびさび」が伝統的ですが、ヨーロッパではまた別の美を楽しんでいたのです。

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Balthasar van der Ast

例えば上の絵を見ると、現実では起こりえないほど様々な季節の花や果物が描かれています。まず春を彩るバラやあやめ、初夏の味覚ブドウ、そして冬の果物洋梨とリンゴ。それに加えて海の幸も絵画を彩っています。 このように、どんな季節にも様々な四季を楽しむことができる静物画は、人々の生活を彩り、華やかにするために描かれた存在だったのです。

画家の技量が随所に

冒頭に静物画は画家の腕を見せる絶好の芸術だと書きました。この腕の見せ所となるのが、あのグラスやお皿の絵。私の場合、美術館で横を素通りしがちな分野です。しかし、この無機物の絵には、画家の技が所狭しと詰め込まれています。

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Sebastian Stoskopff

例えば上の絵のグラスの透け感。本当にグラスが目の前にある感じがしませんか?バケツやコップの金属の質感も画家が渾身の技術を込めて表しており、画家はこのリアリティを観客に味わってほしいと考えていたのです。ですから、私たちも画家が見てほしいと思っていた、このリアルさに注目するとより一層絵画が楽しくなります。

次の絵はフルーツと牡蠣の絵。牡蠣やフルーツの瑞々しさ、布の柔らかさ、ランプの光沢、食器の質感が表現されています。

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Laurense Craen

 このように、一見無機質な絵に見える絵画でも、実は随所に画家の技術が詰め込まれており、その絵のリアルさに注目してみることで無機質な絵が生き生きと見えてくるのです。

儚さの寓意ヴァニタス

ヴァニタスというのも静物画の見所。ヴァニタスは、絵のモチーフによってこの世の無常を表す表現方法のことで、例えば髑髏や熟した果実、泡、砂時計などを描くことで、時の儚さを表現します。静物画には一見綺麗な絵に見えても実はヴァニタスだったということもあるので、これはヴァニタスではなかろうか?と考えながら静物画を鑑賞するのもひとつの楽しみ方です。私が持っている写真の中にはヴァニタスが表現された絵がないのでここでは紹介できないのですが、美術館に行ったときに、もし髑髏の絵や砂時計など描かれた絵画を発見したら、その絵を見ながらこの世の無常を感じてみてください。

デザイン重視に変貌

 印象派が活躍する19世紀になると、リアルな技巧派の絵画よりも、よりデザインを重視した静物画が登場します。その代表格がりんごの絵でお馴染みのセザンヌ。これまでの「どれだけリアルな表現で描けるか」という視点から、自分の描きたい世界を静物で表現するという視点へ変化していきました。

 

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Paul Cezanne

こちらは「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」や「ピアノに寄る少女たち」など可愛らしい絵のイメージが強い画家ルノワール静物画もやっぱり可愛らしい。リアリティよりも自分らしさが存分に表現されています。

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Pierre Auguste Renoir

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Pierre Auguste Renoir

リアリティを追求した絵よりも独創的で面白い静物画を見ることができるこの時代の静物画は「自分の家ならリビングに飾りたいな」や「玄関に合いそう」など、より自分の生活に密着した視点で鑑賞するととても楽しく鑑賞できます。 

終わりに

今回は「知れば100倍面白くなる美術館の見方」をテーマに、静物画の鑑賞ポイントについて紹介しました。美術品鑑賞は自分が見たいように見ることが一番なのですが、少しだけ自分の感性に見方のポイントをプラスしてみると、これまでとはまた違った感動に出会うことができるかもしれませんので、是非今回紹介した鑑賞方法を頭の片隅に、美術館に足を運んでみてください。

 

※ちなみに、ピカソ静物画を描くとこうなる。

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Pablo Picasso(ノートン・サイモン美術館蔵)

肖像画編はこちら

知れば100倍面白くなる美術館の見方(肖像画編) - すみくにぼちぼち日記

 

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建物との融合-ティムケン美術館 アメリカ サンディエゴ

アメリカサンディエゴのバルボアパークにあるティムケン美術館をご紹介。ティムケン美術館はサンディエゴ美術館のお隣にあり、とても小さいですが、じっくり作品を鑑賞できる美術館。また、入館料無料というのもとても嬉しい美術館です。

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※サンディエゴ美術館はこちら

芸術の小箱-サンディエゴ美術館 アメリカ サンディエゴ - すみくにぼちぼち日記

 

自然光が差し込む上品な内装

建物は平屋で階段がない分お子さま連れや足が不自由な場合にも行きやすい美術館です。内装は落ち着いた雰囲気で、自然光が差し込み、ゆったりとした気持ちで作品を楽しむことができます。

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厳選された個人コレクション

ティムケン家によって開設された美術館ですが、コレクションはパトナム姉妹という富豪の個人コレクションだそう。ヨーロッパやアメリカ絵画が揃います。

はじめにご紹介するのはブーシェの「公園の恋人」とフラゴナールの「目隠し遊び」。ブーシェフラゴナールロココを代表する画家です。ロココ絵画はルイ14世の時代に花開き、ルイ16世の治世で終焉を迎えた絵画様式。特徴はその可愛らしさと甘美さ。

この絵はブーシェの作品で、ブーシェフラゴナールの師でもありました。

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特に次の絵を描いたフラゴナールは有名で、その作品の中でも「ブランコ」という絵画がよく知られています。

個人的にお勧めなロココ画家はヴィジェ・ルブラン。マリー・アントワネットの良き理解者であり、王朝の最後を見届けた人物で、マリーアントワネットや子どもたちの肖像画を数多く残しました。

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続いてルーベンスルーベンスは王の画家にして画家の王と称され、ベルギーのアントワープで巨大な工房を経営した経営者でもあります。

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アントワープの記事はこちら

王の画家にして画家の王- ベルギー アントワープ旅行記(2011/4) - すみくにぼちぼち日記

 

最後はヴァンダイクの肖像画です。ヴァンダイクはルーベンスに師事し、主にイギリスの王侯貴族の肖像画を描きました。特に有名な絵はチャールズ1世が狩をしているシーンを描いた絵。ティムケン美術館ではこちらの肖像画の展示がありました。

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※チャールズ1世の狩りの絵はこちら(ルーヴル美術館蔵)

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終わりに

今回はアメリカサンディエゴのティムケン美術館をご紹介しました。小規模ですがゆったりとした空間で絵画を楽しめる美術館ですので、サンディエゴへのご旅行の際は是非足を運んでみてください。

 

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