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卒論はいつから始める? どのくらいかかる?-卒業論文の執筆期間や開始時期とは

大学を卒業する際に最後の難関として突破しなければならない卒業論文ですが、いつ頃準備を開始すれば良いのかがわからないという方も多いのではないでしょうか。

この記事では卒業論文の準備について、どのくらいに始めたほうが良いのかをご紹介します。

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卒論はいつから始める? どのくらいかかる?-卒業論文の執筆期間や開始時期とは

卒業論文が卒業の条件となっている場合には卒業するために卒論の執筆が必要となります。

卒業論文は、

①テーマ決め

②構成(章立て)の検討

③卒論の執筆

という流れで進めていくのですが、この流れの中でも最も大切なことが、①のテーマ決めです。

卒論の開始時期はこのテーマ決めを開始する時期ということになるのですが、その時期としては3年生の後期には開始するのがおすすめです。

3年生の間に開始するのが難しいという場合には、遅くとも4年の4月、5月には文献やデータ集めにとりかかるようにしましょう。

 

テーマ決めは3年の後期から

卒業論文を書くときのはじめの一歩が「テーマ決め」。

テーマ決めでは、自分が興味のあることやこれまで学んで楽しいと思ったことからテーマを選定します。

テーマ決めはできるだけ早めに始めることが大切なのですが、理由として、テーマ決めの際に先行研究を集める必要があるためです。

3年時にはテーマ決めのための参考文献の収集を行うのがおすすめです。

 

※卒論のテーマの決め方の詳しい説明はこちら

sumikuni.hatenablog.com

 

テーマ決めで先行研究を探す

テーマは基本的には興味がある分野で自分が調べたいことをテーマにするのですが、先行研究、データ、事例があるのかというところが重要となります。

テーマを決めてから先行研究やデータがないという事態になると、4年生の卒論提出が迫ってきた段階で躓いてしまう可能性が出てきます。

卒論の最初の部分は広く先行研究やデータを集める作業です。この部分を前もって行うことで、実際に4年生になってテーマを絞って研究を進めていくときに、「データがなくて困る」ということがなくなるので、3年生の段階でこの部分に注力するのが大切です。

参考文献やデータはすべてをしっかり読み込む必要はなく、まずは量を集めることを第一優先にします。

内容を精査するのは文献やデータが集まってから実施していく形がスムーズです。また、文献はできるだけ新しいものを選び、その文献に記載されている参考文献を抽出しながら自分の論文の参考文献を増やしていくイメージです。

 

先行研究リストを作成する

先行研究を行っている際に意識したいのが、先行研究リストを作成すること。

卒論の最後には参考文献を一覧化することが必要なため、先行研究を集めるの時点でリストを作っておくと後で時間をかけて情報を探す必要がなくなるのでおすすめ。

また、本の概要をまとめておくことで、卒論執筆時に参照し易くなります。

・本や論文の場合、「本のタイトル、著者、出版社、発行年月日、本の概要」

・ホームページの場合、「HPのタイトル、URL、閲覧年月日、HPの内容」

をExcelやWordを使って一覧化しておきましょう。

 

※先行研究の集め方についてはこちらをご参照ください

sumikuni.hatenablog.com

 

4年の前期は中間発表に向けた準備

3年の内、もしくは4年の4月ごろまでに参考文献やデータを集めて、先行研究を調査していき、4年の5月、6月ごろから実施に卒論を執筆するフェーズに入っていきます。

最初から卒論を書き始めるのではなく、まずは参考文献をもとにテーマを立案し、卒論の章立てを考えます。

このテーマ立案と章立て、そして参考文献がしっかり揃っているのかという部分を中間発表で発表することになるので、大学で決められた中間発表の日までにこの3つまで完了させるようにします。

4年の前期は、中間発表に向けた準備を目標として、集めた先行研究のレビューや、立案したテーマについての詳しいデータや事例を集めて整理していく時期だと言えます。

 

※卒論の中間発表についてはこちら

sumikuni.hatenablog.com

 

卒業論文の構成(章立て)

テーマを考え、先行研究がある程度進み卒論の全体図が見えてきたら、卒論の構成(章立て)を考えます。

卒論の構成は4部構成(はじめに+3章)で考えると良いと思います。また、章・節・項という構成が基本で、「章」の中に「節」が、「節」の中に「項」という更に小さな見出しをつけていくイメージです。

この記事では、一番大きな「章」の編成方法を詳しく説明していきます。

 

題名

①はじめに(序論・問題提起など)

②第一章( 先行研究と分析視座)

③第二章(本論・自分の研究のメイン)

④第三章(結論)

という4部の構成を土台として、分量が多ければ第二章の本論を2つに割って四章(5部)編成とするなど、工夫することも可能です。

各章には必要に応じて「節」を、各節には「項」という更に小さな見出しをつけます。

 

題名

私の場合、題名は最後に最終的な題名をつけていましたが、仮の題名は最初からつけて取り組んでいました。

はじめの段階で仮題名をつけることで、論点がぼやけるのを避けることができます。

また、「一考察」のようなタイトルは避け、題名は一目で何を書いているのかが分かる題名とするのが望ましいです。

 

はじめに-序論・問題提起・研究方法

題名の次に来るのが「はじめに」。問題提起をする章です。問題提起は自分がテーマとした内容について、どういう問題意識を持ってそのテーマとしたのかを説明します。

それを踏まえた上でどのような手法を用いて分析するのか、誰の理論を元に分析するのかと言った研究方法を書きます。

 

第一章-先行研究の分析

続いて第一章では自分の持った問題意識について書かれている先行研究を参照し、先行研究の理論や主張を深めます。

また、先行研究を踏まえてその問題に対して自分はどのようなアプローチを採るのかという分析視座を記述します。

 

第二章-本論(事実に基づいた自分の分析)

先行研究の主張をサポートする、もしくは反対の見解を提示するために、様々なデータや事例を使って事実に基づいた分析を行います。

この章では、自分の問題意識、先行研究の主張、実際のデータや事例研究、と論理を展開し、客観的な分析を行うことが大切です。

また、その分析を誰が行ったのかを明確に記すことがとても大切です。自分でインタビューやアンケート調査を行った結果なのか、データバンクなどのデータなのか、第三者が著書や論文で展開している主張なのかをしっかりと分けて自分の分析を行います。

 

第三章-結論・自分の考察・今後への課題

はじめにで問題意識、第一章で先行研究のレビュー、第二章で事実の分析を終えたら、第三章ではこれまでの分析を踏まえて結論を導き出します。

また、結論へは自分の考察を入れ込んでも良いですが、あくまで客観的データを踏まえての考察としてください。

また、最後に今後への課題を記すのもいいかと思います。

 

参考文献

そして最後に参考文献リストを大学の要綱に沿って作成します。

 

※見出しと目次の解説と作り方はこちら

sumikuni.hatenablog.com

 

4年の後期で実際に卒論を執筆

3年から4年の始めまでに参考文献やデータを集め、4年前期にテーマ決めや章立てと先行研究のレビューを行って中間発表まで終わったら実際に卒論執筆にとりかかります。

卒論執筆は中間発表で教授陣やほかの学生にアドバイスをもらった内容を卒論の構成に反映させて進めていきます。

卒論の書き方については下記の記事で詳しくまとめていますのでご参照ください。

 

※卒論の書き方の詳細はこちら

sumikuni.hatenablog.com

 

事例研究と統計的研究の違い

卒論の書き方が分かったところで、論文の主な分析方法である事例研究と統計的研究の違いを簡単にご紹介します。

 

事例研究とは

事例研究と言うのはその名の通り、実際にある事例を研究して、現在ある理論などが正しいのかどうかを検証する研究方法です。

上記でご紹介した私の研究もこの事例研究です。

事例と言うのはある特定の集団や固体などを指し(全国調査ではなく、○○高校の例など)、その集団で起こることの背景(コンテクスト)を観察することができるのが特徴です。

例えば、統計で「日本では中部地方で赤味噌を良く食べる」という結果が得られたとしても、では何故赤味噌なのかというところを解き明かすのが難しいです。

一方で事例研究だと、赤味噌を食べる地域の歴史や風土などその背景にまで焦点を当てて、分析することができます。

卒論では基本的に事例研究を行うのがおすすめ。次で紹介する統計的研究はサンプルを集めるのが難しいですし、お金も必要となります。

事例研究では「○○という理論があるが、Aという事例を調べたら○○´の存在があることがわかった」などといった具合に理論を展開することができます。

 

※事例研究の詳しいやり方はこちら

sumikuni.hatenablog.com

 

統計的研究とは

統計的研究と言うのは、無作為に隔たりの無いサンプルを集めて統計的な手法を用いて分析する研究方法です。

広く当てはまる傾向などを調べるときに使われる手法で、ある事象がどの程度一般的なのかを考えるときなどに役に立ちます。

一方で、その事象が発生する因果関係(原因や理由)までを解き明かすことができないという欠点があると共に調査に膨大な費用が発生したり、隔たりの無いサンプルを集めるのが難しいと言う欠点があります。

 

卒論執筆時の注意点

卒業論文を執筆する際には気をつけなければならない点がいくつかあります。

・剽窃(コピペ)は厳禁

まず、コピペは厳禁です。例え審査に通ったとしても、剽窃だと判明した時点で卒業資格を取り消されてしまうこともあります。自分の文章と他者の文章を明確に区別して執筆しましょう。

・引用・参考文献

剽窃は禁止なのですが、引用と言う形で紹介することはOKです。また、「○○さんはこういう意見です」という形で参照することも可。

引用や参照を行った場合には引用元や参照元をしっかりと明記することが必要です。

・である調で執筆する

論文はである調で執筆します。

・大学のルールに則る

卒業論文の細かなルールは大学が設定しているルールに則ることが大切。

文字数やフォントなども厳しく指定されますし、引用・参考文献の書き方も大学が定めているので必ず確認しましょう。

・提出期限前に余裕を持って提出する

卒論は提出期限を1秒でも過ぎると受け取ってもらえません。時間に余裕を持った提出を行うようにしましょう。

 

口頭試問への備え

卒論を期限前に提出できたら、卒論も9割終わったようなものなのですが、最後に口頭試問(論文に関する教授陣からの質問に答える)が有ります。

口頭試問は卒論審査から数週間後にあるのですが、口頭試問前にはしっかりと論文を見直し、内容を思い出しておくことが大切。

私の大学では口頭試問で失格となり卒業できない学生が毎年何名かいました。ですから、口頭試問も気を抜かずに準備をすることが大切です。 

 

※口頭試問の準備と対策はこちら

sumikuni.hatenablog.com

 

卒論執筆で参考になる本紹介

最後に、大学で研究する際に参考となる本『原因を推論する』をご紹介。

この本は私が大学院に入学して所属したゼミで読んだ本で、直接論文の書き方などが書いてある本ではないのですが、「研究・分析するとはどういうことか」 が書かれている本。

 

原因を推論する:政治分析方法論のすゝめ

原因を推論する:政治分析方法論のすゝめ

  • 作者:久米郁男
  • 発売日: 2015/01/09
  • メディア: Kindle版
 

 

論文を書くときの考え方やロジックの作り方の参考になるのでとてもおすすめ。

難しい本なので簡単にすいすい読める感じではないのですが、大学の研究とはどんなものなのかを学ぶことができる本です。

 

リフレッシュにはオンラインの習い事がおすすめ

卒論を執筆していると、思うように進まなかったり、考えがまとまらないという場合があります。

そんなときのリフレッシュ方法として、オンラインの習い事がおすすめ。

コロナ禍で外に出にくかったり、ジムや教室に通うのが難しい状況ではありますが、現在はオンラインでもヨガやフィットネス、英会話、プログラミング、ボイトレ、楽器など、様々なことをなることができ、家に居ながら趣味の幅を増やしていくことが可能です。

卒論を書いているとストレスが溜まってしまうこともありますが、今あるツールを使いながら上手に発散して、執筆に取り組んでいけると良いなと思います。

 

※オンライン教室の情報サイトはこちら

「くらする」-やってみたいが見つかるオンライン教室の情報サイト

 

終わりに

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この記事では、「卒業論文の執筆はいつから始めるのか」をご紹介しました。

卒論は3年生から4年生の初め頃までに参考文献やデータ集めと大枠でのテーマを検討し、4年生の前期に中間発表に向けて内容を整理、中間発表後から4年の後期で実際に執筆するという流れで行うのがおすすめ。

卒業論文執筆は、膨大な量の文献を調べたり、調べた文献を整理して分析したりと、とても大変な作業ですが、やりきった後は「論文を書いた」という充実感や自信を感じることができると思いますので、是非興味がある分野に打ち込んでみてください。

 

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