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卒業論文は文献調査のみで可能?-文献研究主体の卒論執筆法を紹介

卒業論文の執筆をする際に気になるのが、フィールドワーク、アンケート、実験などの調査方法が必要なのかということ。

結論としては文系の場合は文献研究だけで卒業論文を執筆することが可能です。

この記事では卒論を文献調査だけで執筆する方法をご紹介します。

 

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卒業論文は文献調査のみで可能?-文献研究主体の卒論執筆法を紹介

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大学4年生になり卒業論文を書くときに知っておきたいのが卒業論文の書き方。

卒論は理系の場合は実験室に所属して、これまでその研究室で研究していた先輩方の研究を引き継ぐ形で進めていきます。

一方で文系の場合はフィールドワークや特別な調査を行わなくても文献研究だけで卒論を執筆することが可能です。

なお、論文を書くときの研究方法として大きく「事例研究」と「統計学的研究」があり、卒論では事例研究を行うのがおすすめです。

この記事では、文献調査だけで卒論を書く時の流れと、書き方を解説していきます。

 

文献研究での卒論執筆方法

文献研究だけで卒論を執筆していくためには、先行研究のレビューとデータ収集が特に重要となります。

フィールドワーク、アンケート、実験などを行うメリットとして、文献や公的機関のHPなどに自分がほしい事例やデータがない場合にも調査を行うことででーたがえられるというものがあります。

文献研究だけで卒論を書いていく場合には、文献の中からデータや事例を探す必要がでてくるため、執筆前の先行研究のレビューが非常に重要です。

 

テーマ決めで文献を集める

卒業論文を書くときのはじめの一歩が「テーマ決め」。

先ずは自分が興味のあることやこれまで学んで楽しいと思ったことからテーマを選定します。

テーマを選んだら、そのテーマに沿って先行研究や文献を集めることとなります。

文献研究だけで卒論を書く場合には、このテーマ決めの段階で、テーマに関連する事例やデータが十分に存在するのかという部分もしっかりと確認します。

この段階で十分な先行研究、事例、統計データがない場合には、テーマを変更するか、文献研究意外のフィールドワークやアンケート調査などの実施も検討しましょう。

なお、この段階ではテーマはあまりしっかりとしたものでなくても良く、まずは文献を集めるという視点でテーマを選定します。

先行研究を進めるうちに、自分の中でテーマが具体的なものになっていくので、その時にしっかりとした題名を決めていきます。

例えば最初は「発展途上国の貧困」というテーマを考えて、研究を進めていくうちに「ウルグアイの左派政権による貧困政策とその評価」といった具体的なテーマとなっていくイメージです。

 

※卒論のテーマの決め方の詳しい説明はこちら

sumikuni.hatenablog.com

 

先行研究のレビューは入念に

テーマが決まったらテーマに沿った文献や論文を集めて先行研究のレビューを行います。

このときにはテーマ決めで考えたテーマに沿ってよりテーマとの関連性の高い文献を収集します。また、テーマ決めで集めた文献を読み込み、必要なものと必要でないものを選別することも大切です。

基本的には理論系の先行研究をレビューしていき、理論のまとめを行ったあとに、その理論に新たな見解を付け足すことが出来るような事例を探して、その理論の不十分なところを事例を用いて指摘していくという流れがおすすめです。

論文と言うのは「巨人の肩の上に立つ」作業だと言われています。

意味合いとしては、先人たちが行ってきた巨人のように膨大な研究と理論をレビューし、その上に少しだけ自分の研究成果を追加する、というものです。

新しい新理論を打ち立てるというのは、一流研究者でも難しく、それこそノーベル賞級の研究を行って初めて実現できるものです。

ですから、卒論では「既に膨大に研究されているものに自分の理論を少し上乗せする」という気持ちで先行研究のレビューを行いましょう。

言い換えると、先行研究のレビューの良し悪しが卒論の良し悪しを左右するということでもあるので、先行研究のレビューをじっくりと行うのが卒論執筆の鍵となります。

 

先行研究リストを作成する

先行研究を行っている際に意識したいのが、先行研究リストを作成すること。

卒論の最後には参考文献を一覧化することが必要なため、先行研究を集めるの時点でリストを作っておくと後で時間をかけて情報を探す必要がなくなるのでおすすめ。

また、本の概要をまとめておくことで、卒論執筆時に参照し易くなります。

・本や論文の場合、「本のタイトル、著者、出版社、発行年月日、本の概要」

・ホームページの場合、「HPのタイトル、URL、閲覧年月日、HPの内容」

をExcelやWordを使って一覧化しておきましょう。

 

※先行研究の集め方についてはこちらをご参照ください

sumikuni.hatenablog.com

 

卒論執筆

テーマが決まり先行研究をレビューしたら本格的に卒論を執筆していきます。

卒論の構成は始めにテーマに沿った理論を複数紹介し、その理論に事例を用いて新たな見解を付け足していくというのがおすすめ。

文献だけで卒論を書く場合には、理論系の文献レビューは勿論のこと、事例についての文献もしっかりとレビューして、論理的に卒論を展開していきましょう。

 

※卒論の書き方詳細はこちら

sumikuni.hatenablog.com

 

理系は実験が必要

ここまで文献研究だけで卒論を書く方法をご紹介しました。

基本的に文献のみで卒論を書くことが出来るのは実験が必要とされない文系の卒論だけで、理系は研究室での実験が必要です。

ただ、論理展開としては先に理論のレビューを行い、その後実験結果をもとにその理論に新しい見解を付け足していく形で進めると、卒論が執筆しやすくなると思います。

 

事例研究と統計的研究の違い

卒論の書き方が分かったところで、論文の主な分析方法である事例研究と統計的研究の違いを簡単にご紹介します。

 

事例研究とは

事例研究と言うのはその名の通り、実際にある事例を研究して、現在ある理論などが正しいのかどうかを検証する研究方法です。

上記でご紹介した私の研究もこの事例研究です。

事例と言うのはある特定の集団や固体などを指し(全国調査ではなく、○○高校の例など)、その集団で起こることの背景(コンテクスト)を観察することができるのが特徴です。

例えば、統計で「日本では中部地方で赤味噌を良く食べる」という結果が得られたとしても、では何故赤味噌なのかというところを解き明かすのが難しいです。

一方で事例研究だと、赤味噌を食べる地域の歴史や風土などその背景にまで焦点を当てて、分析することができます。

卒論では基本的に事例研究を行うのがおすすめ。次で紹介する統計的研究はサンプルを集めるのが難しいですし、お金も必要となります。

事例研究では「○○という理論があるが、Aという事例を調べたら○○´の存在があることがわかった」などといった具合に理論を展開することができます。

 

※事例研究の詳しいやり方はこちら

sumikuni.hatenablog.com

 

統計的研究とは

統計的研究と言うのは、無作為に隔たりの無いサンプルを集めて統計的な手法を用いて分析する研究方法です。

広く当てはまる傾向などを調べるときに使われる手法で、ある事象がどの程度一般的なのかを考えるときなどに役に立ちます。

一方で、その事象が発生する因果関係(原因や理由)までを解き明かすことができないという欠点があると共に調査に膨大な費用が発生したり、隔たりの無いサンプルを集めるのが難しいと言う欠点があります。

 

卒論執筆時の注意点

卒業論文を執筆する際には気をつけなければならない点がいくつかあります。

・剽窃(コピペ)は厳禁

まず、コピペは厳禁です。例え審査に通ったとしても、剽窃だと判明した時点で卒業資格を取り消されてしまうこともあります。自分の文章と他者の文章を明確に区別して執筆しましょう。

・引用・参考文献

剽窃は禁止なのですが、引用と言う形で紹介することはOKです。また、「○○さんはこういう意見です」という形で参照することも可。

引用や参照を行った場合には引用元や参照元をしっかりと明記することが必要です。

・である調で執筆する

論文はである調で執筆します。

・大学のルールに則る

卒業論文の細かなルールは大学が設定しているルールに則ることが大切。

文字数やフォントなども厳しく指定されますし、引用・参考文献の書き方も大学が定めているので必ず確認しましょう。

・提出期限前に余裕を持って提出する

卒論は提出期限を1秒でも過ぎると受け取ってもらえません。時間に余裕を持った提出を行うようにしましょう。

 

口頭試問への備え

卒論を期限前に提出できたら、卒論も9割終わったようなものなのですが、最後に口頭試問(論文に関する教授陣からの質問に答える)が有ります。

口頭試問は卒論審査から数週間後にあるのですが、口頭試問前にはしっかりと論文を見直し、内容を思い出しておくことが大切。

私の大学では口頭試問で失格となり卒業できない学生が毎年何名かいました。ですから、口頭試問も気を抜かずに準備をすることが大切です。 

 

※口頭試問の準備と対策はこちら

sumikuni.hatenablog.com

 

卒論執筆で参考になる本紹介

最後に、大学で研究する際に参考となる本『原因を推論する』をご紹介。

この本は私が大学院に入学して所属したゼミで読んだ本で、直接論文の書き方などが書いてある本ではないのですが、「研究・分析するとはどういうことか」 が書かれている本。

 

原因を推論する:政治分析方法論のすゝめ

原因を推論する:政治分析方法論のすゝめ

  • 作者:久米郁男
  • 発売日: 2015/01/09
  • メディア: Kindle版
 

 

論文を書くときの考え方やロジックの作り方の参考になるのでとてもおすすめ。

難しい本なので簡単にすいすい読める感じではないのですが、大学の研究とはどんなものなのかを学ぶことができる本です。

 

リフレッシュにはオンラインの習い事がおすすめ

卒論を執筆していると、思うように進まなかったり、考えがまとまらないという場合があります。

そんなときのリフレッシュ方法として、オンラインの習い事がおすすめ。

コロナ禍で外に出にくかったり、ジムや教室に通うのが難しい状況ではありますが、現在はオンラインでもヨガやフィットネス、英会話、プログラミング、ボイトレ、楽器など、様々なことをなることができ、家に居ながら趣味の幅を増やしていくことが可能です。

卒論を書いているとストレスが溜まってしまうこともありますが、今あるツールを使いながら上手に発散して、執筆に取り組んでいけると良いなと思います。

 

※オンライン教室の情報サイトはこちら

「くらする」-やってみたいが見つかるオンライン教室の情報サイト

 

終わりに

この記事では、卒業論文を文献研究だけで執筆する方法をご紹介しました。

文系の場合は卒論を文献研究だけで執筆するのは全く問題なく可能ですが、理系では実験が必要となる可能性が高いです。

文献研究だけで執筆する場合は、テーマ決めの段階でしっかりとその分野の先行研究、データ、事例があるのかを確認するとその後の卒論執筆が楽になります。

 

卒業論文執筆は、膨大な量の文献を調べたり、調べた文献を整理して分析したりと、とても大変な作業ですが、やりきった後は「論文を書いた」という充実感や自信を感じることができると思いますので、是非興味がある分野に打ち込んでみてください。

 

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