英語とスペイン語は世界で広く使用されている言語であり、仕事や会話で耳にする機会も多いです。
この記事ではそんな英語とスペイン語の似ているところ、違っているところをご紹介します。
- 英語とスペイン語は似てる!? 難易度は? -発音, 単語, 文法面の違いと類似点
- 英語とスペイン語は違うグループ-英語の兄弟はドイツ語!?
- 語彙-英語とスペイン語は似ている単語が多い
- 発音-大きく異なる英語とスペイン語
- 文法-従兄弟くらい似ている
- 文字-スペイン語は独自の文字がある
- 難易度は?-英語とスペイン語どっちが難しい?
- 終わりに
英語とスペイン語は似てる!? 難易度は? -発音, 単語, 文法面の違いと類似点
英語とスペイン語、どちらも世界で広く使用されている言語です。
世界の共通語として使用されることが多い英語、中南米全域で広く使用されるスペイン語を話すことができれば、海外に出たときに多くの外国の方々とのコミュニケーションができるようになります。
その英語とスペイン語ですが、似ているのか似ていないのかというのが気になるところ。似ていれば英語を勉強したあとにスペイン語の学習が楽になりますし、似ていなければどちらも別言語として勉強する必要が出てきます。
そして、結論から言うと、この二つの言語、単語(語彙)の部分では似ている単語が多いですが、発音、文法の面では似ていない言語であるということができます。
英語とスペイン語は違うグループ-英語の兄弟はドイツ語!?
英語とスペイン語、どちらもヨーロッパ起源の言葉ですが、それぞれ属するグループが異なっています。
英語の言語グループは印欧系のゲルマン語派というもので、所謂ゲルマン系の言語。実はドイツ語やオランダ語、北欧言語の兄弟なのです。
一方でスペイン語は印欧系のロマンス諸語と呼ばれるグループに属しています。ロマンス諸語は一般にラテン系と呼ばれる言語で、代表的な兄弟はフランス語やイタリア語、ポルトガル語、ルーマニア語です。他にもカタルーニャ語やガリシア語などの小さな兄弟もいます。
したがって、大本の「印欧系」という括りは同じなのですが、属するグループは異なっており、英語とスペイン語は異なる言語と言うことができます。
ですから、もともとの言語の仕組み、単語の部分は全く異なっているといっても過言ではありません。
※ロマンス諸語についてはこちら
語彙-英語とスペイン語は似ている単語が多い
異なるグループに属する英語とスペイン語ですが、実は単語レベルで考えると似ている単語が多いです。何故単語が似ているのか、それは、英語にフランス語の語彙が多く流入したから。
そして、フランス語とスペイン語は兄弟ですので、語彙の部分で似ている単語が多いです。つまり、フランス語の単語を多く借用している英語の語彙とスペイン語の語彙は似ているということができるのです。
イギリスへのフランス語の流入は歴史が理由
もともとはイングランドには、「ケルト人」と呼ばれる人たちが住んでいました。その後、ローマ帝国、アングロサクソンの時代へと続き、このアングロサクソン人がケルト人をウェールズやスコットランド、アイルランドに追い払い、アングロサクソン人の天下となりました。アングロサクソン人の天下の下で使用され始めたのが、今の英語の祖先である、古英語です。
しかし、1066年、フランス北部のノルマンディ地方を治めていたノルマンディ公ウィリアムにイングランドが敗れたことによって、イングランドがフランス語を話すノルマン人に支配されることになりました。ノルマン朝が誕生します。
ノルマンディ公ウィリアムはフランス生まれの生粋のフランス語話者ですので、当然その部下達もフランス語を話します。そこで成立したのが、「支配階級がフランス語話者で、支配される人々が英語話者」という構造です。
このフランス語話者が支配し、英語話者が支配されるという社会的構造により「高貴な言葉はフランス語、下賤の言葉が英語」という2重構造が誕生しました。
例えば、動物を表す単語は、育てるときの単語と、食べるときの単語が英語では異なります。これは、「作るのは英語話者、食べるのはフランス語話者」だったからなのです。
①牛:Cow(英語起源)、牛肉:Beef(仏語起源)
②羊:Sheep(英語起源)、羊肉:Mutton(仏語起源)
③豚:Pig(英語起源)、豚肉:Pork(仏語起源)
※詳しくはこちら
英語とスペイン語の単語が似ている例
前置きが長くなりましたが、英語とスペイン語の単語が似ている例をご紹介します。
特にスペイン語の語彙は、英語の「難度の高い単語」と似ています。
例えば、「静かな」という意味の単語は「Quiet」と「Tranquil」が有ります。Tranquilは英語では難しい単語として知られていますが、スペイン語では単語帳の1ページ目に出てくる"Tranquilo"という単語で、日常でとてもよく使います。
また、「始める」は「Begin」 と 「Commence」という単語が存在しますが、スペイン語では”Comenzar”でスペイン語勉強3日目には出てくる単語です。
他にも、英語辞書を引いてラテン語由来と書かれている単語は高確率でスペイン語にも似た単語が存在するので、英語の単語が分かればスペイン語の単語が分かる可能性が高く、反対にスペイン語で学んだ単語が英語の難しい単語だったということもあります。
発音-大きく異なる英語とスペイン語
語彙の部分では似ている単語が多い英語とスペイン語ですが、発音は似ていません。英語の発音は特徴的で、母音(AEIOU)を様々な形で発音しますが、スペイン語の発音はもっと簡単で、アルファベットをローマ字読みで発音すればOK。
母音の種類も日本語と同じ5種類(AEIOU)なので、日本語発音で発音すればスペイン語話者から「発音上手だね!!」とものすごく褒められます。
反対にアメリカ人やフランス人がスペイン語を話すと発音が上手くできず困っているのをよく見かけます。
スペイン語で唯一難しい発音はRの音。巻き舌になるので、巻き舌ができないと発音に苦労します。巻き舌は「札幌ラーメン」と何度も発音する練習方法があり、また、巻き舌をしなくても通じます。
スペイン語圏でもコスタリカ人はCosta Ricaと国名にRが入っているのに巻き舌発音をしない方が多いです。
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文法-従兄弟くらい似ている
文法はあまり似ていません。語順も異なりますし、スペイン語は動詞の活用が多いので、その点で英語より大変です。
活用と言うのは、英語で言う「三単現のs」と同じです。
英語はRunがRunsになりますが、スペイン語はRun=Correr がCorro(私) Corres(君) Corre(彼/彼女/あなた) Corremos(私たち) Correis(君たち) Corren(彼ら/彼女ら/あなた達)と主語ごとに活用が変わり、それが過去形、現在形、未来系など全てで変わるため、1単語につき多くの活用を覚える必要があります。
一方で、英語のような例外が多い言語ではないため、1度覚えれば基本的にその文法を使用していれば必ず通じます。その点で学びやすい言語であるといえます。
※英語の文法の難しさはこちら
文字-スペイン語は独自の文字がある
アルファベットは英語と同じで、「えにぇ」という文字があるのが違いです。「えにぇ」はnの上に~がついた文字Ñで、「にゃにゅにょ」の発音表記のときに使用します。
スペインを意味するエスパーニャなど、「にゃにゅにょ」をよく使う言語ですので、独自の文字があるのかなと思います。
読み方は基本的にローマ字読みですが、JとGは「は行」で発音されることが多いです。ですから、日本(JAPON)は「はぽん」と発音します。
あとはアクセント記号がありますが、このアクセント記号がついている母音を強く発音するというルールがあります。
難易度は?-英語とスペイン語どっちが難しい?
英語とスペイン語、似ているところもあれば似ていないところもあることが分かりましたが、それではスペイン語はどのくらい難しいのかを考えてみたいと思います。
難易度の比較としては次の通りです。(難易度はCが簡単、Aが難しい)
英語
発音-A、文法-C、語彙-A、やりこみ度-A
英語って実は難しい言語。発音、語彙は間違いなくA難度の難しさです。
一方で分法は五文型(SV,SVO,SVC,SVOO,SVOC)を理解すればよいので簡単なのですが、そこにやりこみ要素が詰まっています。
英語は例外でできている言語。文法を覚えても例外があり過ぎてその難易度がものすごく高いのが特徴です。
スペイン語
発音-C、文法-A、語彙-B、やりこみ度-B
発音は日本語発音で良いので難易度はCで簡単な部類に入ります。
一方で文法は前述の通り動詞の活用を覚えたり、単語や形容詞に性があったりと、覚えるのが大変。文法を全て覚えるのに労力を要します。
語彙は英語と異なり種類がそこまで多くないため難易度はB、やりこみ度も深く突き詰めることは可能ですが、英語ほど例外が無いためB。
※筆者おすすめのスペイン語参考書(初級)の記事はこちら
英語は極めるときりが無く, スペイン語はスタートが難しい
英語は発音が苦労するのと、例外を覚え極めるためにはものすごく時間がかかる言語です。ですから、英語の上達にはマラソンのような持久力が必要です。
スペイン語は文法を覚えるのが大変なのですが、一度覚えればあとは慣れるだけ。どちらかと言うと短距離走のように一気に覚えるというのがおすすめです。
※英語を話せるようになる練習方法はこちら
終わりに
この記事では「英語とスペイン語が似ているか」をテーマに両言語の特徴をご紹介しました。
英語と似ているのは単語の部分と使用される文字(アルファベット)で、似ていないのは発音や文法だということが分かりました。
また、英語は例外が多く、極めるのが大変なのですが、スペイン語は最初に一生懸命勉強するとあとは文法の応用編となるため、その点でゴールを目指しやすい言語かなと思います。
そんなスペイン語ですが、興味を持たれた方は是非一度スペイン語の世界に触れてみてください。
※英語とスペイン語の同時学習についてはこちら
※英語とフランス語の比較はこちら
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