外国語学部の研究分野は大きく「地域研究」と「言語研究」に分けることができます。
この記事では、外国語学部の研究分野についてご紹介します。
- 外国語学部の分野-地域研究と言語研究とは
- 外国語学部は外国語で学ぶ学部
- 地域研究とは
- 言語研究とは
- 外国語学部で学べる色々なこと
- 外国語学部の就職について
- 英語は高校生の間に話せるようになるのが理想
- 受験勉強にはスタディサプリがおすすめ
- 終わりに
外国語学部の分野-地域研究と言語研究とは
外国語学部は専攻言語を学び、その言語を用いて専門分野の研究を行う学部です。
外国語学部の専門分野は主に地域研究と言語研究の2つの分野があり、それぞれの分野の中でさらに細かく専攻が分かれていきます。
この記事では、大学で外国語学部に入った場合にどのようなことを勉強するのか、外国語、言語学、地域研究などについてご紹介します。
※英語が得意な場合の学部の選び方はこちら
外国語学部は外国語で学ぶ学部
外国語学部は外国語を勉強する学部というイメージがありますが、実は外国語は専門分野を研究していくための基礎となる部分で、本当の学びは地域研究と言語研究という2つの分野です。
外国語学部に入学すると、1年、2年で専攻言語を学び、その言語を用いて「地域研究」もしくは「言語学」の基礎を、そして3年、4年では原書購読などを通して専門分野について深く研究します。
つまり、外国語学部のゴールは語学を身に着けることではなく、身に着けた語学を使ってその言葉が使用される地域に関する研究とその言葉自体を研究することだということができます。
具体的には、外国語を使って原書購読(スペイン語ならスペインやラテンアメリカで発行されて書物)を行い、内容をディスカッションしたり、プレゼンしたり、レポートを書いたりします。他にも翻訳技術を磨いたり、実際に現地に行って調査するということも外国語学部の研究には含まれています。
外国語学部における外国語学習(文法・会話)は主に1年生、2年生で基礎を学び、3年、4年では応用を学びます。そしてその語学の力が上述の様な外国語を読み、考え、まとめ、ディベートし、プレゼンし、レポートし、調査するという活動を行うための道具として使用されるのです。
地域研究とは
地域研究とは、自分が所属している専攻学科の地域を研究する学問です。
例えば、政治、経済、歴史、文化(芸術・音楽等)、地理、文学などを指します。
簡単に言えば、日本の政治学科、歴史学科、地理学科、国文科などで学ぶことと同じようなことを専攻地域ごとに学ぶイメージです。私の場合、最終的に「ラテンアメリカの政治」を研究しました。
一般的に1年生、2年生、3年生では、歴史学、政治学、経済学等の基礎を学びます。マクロ経済がどうこう、新自由主義がどうこう、など、理論を中心に学びます。そして、3年生、4年生では1・2・3年生で学んだ理論を基に専攻地域の地域研究(実際その地域ではどうなのか)を研究します。
この3・4年生で研究する地域研究ですが、当然のように原書購読(外国語文献を読み解く)を行います。また、現地に行って調査を行うフィールドワークも重要な調査方法です。フィールドワークで現地でインタビューしたり、実際に自分も参加したりして研究資料を集めます。
つまり、この原書購読やフィールドワークが滞りなくできるように準備するのが、1年生、2年生、3年生の語学の授業だと言えます。
地域研究の内容を少しだけ紹介
地域研究がどのようなものかが少し分かったところで、具体的な地域研究の内容を、「ラテンアメリカ政治」の分野から少しだけご紹介します。
新自由主義という概念があります。この理論を使用した例で有名なのは小泉政権が行った郵政の民営化です。この概念は、「小さな政府を目指すこと」に重きを置いたもの。海外でもサッチャーやレーガンなどが新自由主義を念頭に置いた政治政策を実施したということで有名。
この新自由主義、実はラテンアメリカで初めて実用化されたのです。ですから、ラテンアメリカは「新自由主義の実験場」と呼ばれていました。中でも、チリのピノチェトは、1974年から1990年まで独裁的にチリを支配していたのですが、彼が世界で始めて新自由主義を国政に導入したといわれています。
日本が好んで用いるようになった概念「新自由主義」ですが、実はラテンアメリカでは既に実装が進んでおり、このラテンアメリカの事例、新自由主義の功罪を研究することで、今後日本でどのような変化が起こりうるかということを考えたりするのが、地域研究なのです。
※地域研究の雰囲気を知るならこちら
言語研究とは
地域研究と並んで外国語学部のメインテーマとなる学問が言語研究です。
言語研究では主に言語学を研究します。
言語学は語学学習とはまったく異なるもので、大別すると、
①言語の構造や音声など、言葉自体を研究するもの
②言葉と社会とのつながり(歴史的・現在)を研究するもの
の2つの分野があります。
①の文法や言葉の構造を勉強する言語学の例として、文法構造や前置詞(atとかon)、名詞、動詞などの特定の品詞などの研究を行います。この言語学の理論を用いて、日本語の構造なども考えることができます。
※言葉の構造についての学びはこんな感じです
日本語の「は」と「が」の違いって? - すみくにぼちぼち日記
②の社会とのつながりを学ぶ社会言語学の例としては、例えば「何故英語はフランス語の影響を受けているのか」などがテーマとなります。
※社会言語学の一例はこちら
英語の語彙は何故多いのか-英語とフランス語の関係から考える - すみくにぼちぼち日記
このように、言葉の構造や言葉の変遷、周辺言語との関わりなどを学ぶのが、言語研究の分野です。
※一度言語学を学んでみたいという場合にはこちらの本がお勧めです。
外国語学部で学べる色々なこと
以上のような、外国語、地域研究、言語学が外国語学部で学ぶ3大重要なことですが、他にも色々学べるのが外国語学部の良いところ。
例えば、日本語教育や通訳技術を学んだりや英語教員免許取得なども大学によっては可能です。私も高校英語、高校地歴の免許を取得しました。
これらの授業を選択すると、上述の研究に+αで、教育学、日本語学、日本語教授法、英語学、英語教授法、スペイン語教授法などなども大学で学ぶことができます。
外国語学部の就職について
外国語学部の就職先は通訳、翻訳家、CA、アナウンサーの4つというイメージがありますが、実際はそんなことはありません。一説によると、外国語学部出身でも専門知識を仕事で使用しているのは数パーセントだそうです。
私の学科は全員で50名くらいだったのですが、通訳、翻訳家、CA、アナウンサーは確かにいますが、1人ずつ位でした。
外国語学部の出身でも商社やメーカー、銀行に勤める人もいますし、職種も営業、総務から工場管理まで様々です。ですので、就職先はあまり気にせず、興味がある学部を選ぶと良いかなと思います。
※英語を生かせる仕事はこちら
英語は高校生の間に話せるようになるのが理想
英語が得意な高校生におすすめしたいのが、英語を話せるようになるのは高校生のうちが良いということです。
多くの場合、高校では読み書きとリスニングを頑張って、話す練習をしないことが多く、大学に入ってから話す練習をする学生が多いのですが、言語習得は「若ければ若いほど言語習得が早い」といわれています。ですから、高校生の間に英語を話す練習を沢山するのが英語習得の為の近道です。
最近ではDMM英会話 などのオンライン英会話教室でも質のいいレッスンを受けることができますので、是非活用してみてください。
※高校生におすすめのオンライン英会話の比較記事はこちら
高校生の間に英語を話せるようになっておくことで、大学の勉強で「英語を使った勉強ができるようになること」や「英語以外の言語を習得できること」、「英語を使いながら海外で活動できること」など、英語を習得する時間を他の活動に充てることができ、大学の活動や研究を一段階高めることができるようになります。
ですから、英語が得意であれば是非英語を話す練習に力をいれて高校生活を送ってみてください。
※英語を話せるようになるための練習方法はこちら
受験勉強にはスタディサプリがおすすめ
自宅で勉強しているけどはかどらない、学校の勉強で分からないことがある、もっと先の単元まで先取りしたいという場合には、スタディサプリ というサービスがおすすめ。
スタディサプリは『ドラゴン桜』にも登場した学習ツールで、好きな時に、自分が勉強したい単元をじっくり学ぶことができるおすすめなサービスです。
私自身、実際に使ってみて、分かりやすい授業を何度も繰り返し聞くことができ、予習復習に最適なサービスだと感じています。
スタディサプリは苦手克服にも得意を伸ばすのにもとてもおすすめですので、是非一度無料体験にチャレンジなさってみてください。
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終わりに
この記事では、外国語学部で研究する地域研究と言語研究の2つの分野についてご紹介しました。
外国語学部では専攻言語を用いて専攻地域の文化や歴史、政治、経済などを学ぶ地域研究と、言語の構造や言語と社会のつながりを学ぶ言語研究の2つの分野のスペシャリストを目指す学部です。
やりがいもあり面白い勉強ができますので、外国語学部に興味があるという方は是非外国語学部がある大学のオープンキャンパスなどに参加なさってみてください。
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※留学と語学レベルの関係についてはこちら
sumikuni.hatenablog.com