すみくにぼちぼち日記

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留学前の語学レベルと留学後の成長の関係から留学の意味を考える-4つのレベルでの体験を例にして

海外留学を考える際に、自分のレベルで海外留学に意味があるのかと悩んでしまうことがあります。

この記事では留学前の語学力と留学後の成長との関係について考えてみたいと思います。

 

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留学前の語学レベルと留学後の成長の関係から留学の意味を考える

留学するときに気になることは、留学したらどのくらい自分が生長できるのかと言うこと。

この記事では、留学前にどのくらいのレベルにいれば留学後どれくらい成長できるのかについて留学前のレベルごとに実際どのくらい効果があったのかをご紹介します。

 

語学レベルとは

語学レベルは多くの国で同じような基準が採用されています。レベル区分は、レベルが低い順に、A1、A2(初級)、B1、B2(中級)、C1、C2(上級)の6つです。

英語の場合、文法力や語彙力に関しては、日本の高校まで勉強すると、B1、B2くらいまで達することができますが、会話力となると、英会話教室などに通っていない場合はA2レベルくらい、英語を使う機会がある場合はB1以上のレベルとなります。

 

各語学レベルにおける留学の結果

①A1レベル2ヶ月間の留学(フランス)

まずはじめに、語学超初心者であるA1レベルでの留学について見ていきましょう。

私は2ヶ月間フランスに留学しましたが、渡仏時はボンジュールとメルシーしか知らない状態で行き、A1レベルのクラスに配属されました。

結果

留学前:

ボンジュールとメルシーしかわからない。

留学中:

フランス語をスポンジのように吸収し、友達と会話できるようになり、1人で町を歩いても問題ないくらいになった 。

留学半年後:

全て忘れた。

考察:

フランスでは全く何も知らない状態から、それなりに文章を組み立てることができるようになりました。つまり、真っ白な状態からの吸収は早いです。

一方で、初級での留学では、会話中心の授業なので、書いて覚えることを殆どしません。すると、頭の中に言語が宙ぶらりんになり、定着してない状態になります。そして、残念なことに留学後半年で全て忘れました。

この体験でわかったことは、小さい頃に海外に住んでいた友人が、「前は話せたけど今は話せない」と言っていたその状態がどういうことなのかです。留学し、言語を使う状況になれば、覚えるのも早くなりますが、その後使わなければ忘れます。頭の中の状態としては、「高校の時に解くことができた数学の問題を今は全く解くことができない」状態と同じです。

対策:

初級レベルで留学した場合、文法が完全に頭に定着しないので、留学後の復習が重要です。また、覚えるのは音だけでなく、文法や単語を書いて覚えることが重要です。書くことによって、視覚情報としても言語が頭に定着します。留学後は忘れないための復習に加え、さらに高いレベルに到達するための継続的な学習が必要です。

 

②B1レベル2ヶ月間の留学(ブラジル)

続いて、文法は頭に入っているが、会話がままならない、B1レベルでの留学についてです。

ブラジルにポルトガル語を勉強しに行った時、ポルトガル語の文法レベルは高校で学んだ英語レベルでした。一方で会話は全くできない状態で行きました。

結果

留学前:

ポルトガル語文法はほぼ頭に入っているが、会話ができないレベル。

留学中:

文法が頭に入っており、あとはリスニングとスピーキングの練習だけ。留学中の上達速度も早く、すぐにB2レベルまでポルトガル語力を引き上げることができた。

留学半年後:

すでに頭に定着しているため、なかなか忘れない。忘れていくのは語彙だけであり、再度ポルトガル語を話す環境に行けば思い出す。

考察:

B1レベルでの留学は、文法が頭に入っているため、成長・定着両面で絶好の留学タイミングです。これまで話せなかった言語を話すことができるようになるのを実感でき、言葉を学ぶ楽しさが増すとともに、それが頭にしっかりインプットされます。

初級と異なり、もともと頭の中には言語の仕組みが入っているので、頭の中の雰囲気としては、白地図にだんだん色がついていくイメージです。聞き取れなかったことが聞き取れるようになった。ふとした瞬間に今まで使ったっことのなかった単語が口から出てきたなど、言語を学ぶ醍醐味みたいなものを体感できるのがこのレベルです。

対策:

中級レベルで留学した場合、頭の中にもともと蓄積されていた言語の枝に、リスニングと会話という果実が実っていくというイメージで、習得も早く、着実に定着させることができます。一方で、語彙などの新しく習得した能力は帰国後に忘れていくことが多いため、帰国後のケアが重要です。また、会話能力も長年で培ったものではないため、言語を使う環境から離れると、言葉が出なくなることがあります。ただ、すでに体に定着しているものは、再度言語を使用する環境にいくことで思い出すことができますので、帰国後に語学学校に通ったり、友達と電話したりすることが重要です。

 

③B2レベルで5ヶ月留学後、C1レベルで1ヶ月留学(スペイン)

ここからは中級から上級で留学した場合のについてです。

スペイン留学をした時のレベルは、文法は頭に入っており、リスニング、会話も滞りなくできるレベルでした。英検で言うと2級レベル、トイックでいうと750点くらいのイメージです。

結果

留学前:

スペイン語で滞りなく会話できるレベル。

留学中:

すでにスペイン語の基礎はできているため、授業としては難しい語彙やリーディング、ライティングの授業が多く、初中級で感じられた成長は感じられなかった。一方で、リスニング能力に関しては比較的大きな成長を感じることができた。

留学半年後:

ほかの言語で感じたような著しい退化も感じることがなく、覚えたことは着実に定着することができた。一方で、劇的な成長を感じることが難しいため、言語能力向上にむけた勉強へのモチベーション維持が難しくなった。

考察:

すでにある程度のレベルで言語を使用出来る状態であるため、留学による自身の成長自体を感じるのは難しいですが、留学を通して、生きた言語と文化に触れ、自分の表現力UPとリスニング力UPを目指すことが出来るレベルでの留学となります。言語力の向上が目に見えてわかる訳ではないため、モチベーションの維持が課題となりますが、一方で、不自由なく生活できる利点をフル活用し、現地での生活や文化といった人々の営みを肌で体感することなどを目標とすると、充実した留学生活を送ることができます。また、現地の映画やテレビ、文学などに触れることで、語学学習の域を超えた異文化理解を学ぶことができます。

対策:

考察でも述べた、モチベーションの管理が重要な課題です。より深い領域の話を出来るようになるのか、通常のコミュニケーションに終始するのかはこのレベルでどのくらい現地の生きた言語に触れるかが大きく影響します。留学中はもちろんのこと、留学を終えてからも、インターネットニュースやテレビ番組などを継続的に見ることで、自分自身をより高いレベルに押し上げていくことができます。

 

④C1−C2レベルで1ヶ月留学(イギリス)

最後に、上級レベルでの語学留学についてです。

イギリスに留学した時のレベルは、文法や語彙も問題ないレベルで覚えており、リスニング・会話・リーディングにも苦を感じないレベルでした。英検でいうと準1級以上、トイックでは800点以上のレベルでの留学です。

結果

留学前:

言葉に関しては特に不自由を感じないレベル。会話中に訛りのある言葉を聞くと少しわからなくなるが、慣れてくれば聞き取れる。

留学中:

クラスメートも英語が問題なく使用出来るレベルであるため、授業は基本的にプレゼンやディベートの練習で、自分の語学力アップというよりは、異なる国出身のクラスメートや教師との意見交換を通した国際理解を深めていく留学。

留学半年後:

留学を通して学んだ、多様な価値観は留学後においても、自分の中に残り続け、語学レベルの衰えもほとんど感じられない。構文や単語は使わないものは忘れるため、普段からの継続した学習が必要。

考察:

このレベルの留学は、語学のみを勉強する語学留学というよりは、大学進学や大学院進学を控えた学生のための授業という位置付けと考えられます。そのため、語学力向上よりも、異文化理解や現地での生活の中で新しい価値観を発見することに努めることが、成長につながります。また、自主学習として、現地のニュースやラジオ、ドラマ、映画を見に行ったり、読書したりすることで、言語をより高いレベルで使用することができるようになります。

対策:

自分の語学力が向上しているのかいないのかが分からないレベルです。定期的にトイックなどの試験を受けたり、読書したりすることで、自分のレベルが落ちないようケアすることが必要です。また、このレベルになれば、言語面でのレベル向上とともに、その言語が話される国々についての理解を深めることがとても重要となります。特に、海外や日本で言葉を使って働いたり、学んだりする時には、相手や相手の出身国への理解が円滑なコミュニケーションの一助となるため、異文化に対する興味と関心を持って学んでいくことが大切です。

 

留学に必要なレベルとは

ここまで、実体験に基づいた留学前のレベルと留学結果を綴ってみました。

留学前のレベルが、語学レベルの向上と、留学後のレベル維持に大きく関わってくることがわかったとともに、どのレベルで留学したとしても、留学後の継続的な学習が欠かせないということかわかりました

そして、留学する際に自分の語学レベルを気にする必要はなく、思い切って一歩踏み出してみることがとても重要なのです。

 

留学前に少し練習したほうがいい

留学前の語学レベルと留学の効果について、色々見てきましたが、個人的な感想としては、留学前に語学をある程度身につけておいた方が留学を最大限楽しむことができるかなと思います。

友達とも深い話ができるようになりますし、現地での買い物、現地の人々との交流などは、言葉ができるからこそより面白く感じられるのかなと、実際にいろいろな国で勉強してみて感じました。

最近はオンライン英会話教室が多く存在しており、質の高いレッスンを自宅に居ながら受講することができるので、留学前にオンライン英会話で会話練習すると良いのかなと思います。

 

※おすすめの英会話教室比較はこちら

sumikuni.hatenablog.com

 

終わりに

今回は留学前の語学レベルについて考えてみました。

語学力向上のために最も大切なことは、国籍や言語を超えてコミュニケーションをとりたいという気持ちであり、相手を理解しようという姿勢です。

留学中でも、日本で学習中でも、積極的な姿勢で、是非、コミュニケーションを楽しんでみてください。

 

※海外留学する方法はこちら

sumikuni.hatenablog.com

 

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