ギリシャ神話には魅力的な個性を持つ神々が登場します。
ギリシャ神話の神々は、現在でも小説や漫画、ゲーム、絵画などに登場するほど人気があるのですが、どのような武器を装備しているのか、また、エピソードがあるのか、などはあまり深く知らないという方も多いのではないでしょうか。
この記事ではそんなギリシャ神話の神々の中でも特に「オリュンポス十二神」と呼ばれる神様たちが装備している武器について詳しくご紹介します。
- ギリシャ神話 オリュンポス12神の武器一覧-オリュンポス十二神が持つ武器の特徴とは
- ゼウス（ジュピター）の武器
- ヘラ（ジュノー）の武器
- アテナ（ミネルヴァ）の武器
- アポロン（アポロ）の武器
- アプロディテ（ヴィーナス）の武器
- アレス（マルス）の武器
- アルテミス（ディアナ）の武器
- デメテル（セレス）の武器
- へパイストス（ウルカヌス）の武器
- ヘルメス（マーキュリー）の武器
- ポセイドン（ネプチューン）の武器
- ヘスティア（ウェスタ）の武器
- ディオニュソス（バッカス）の武器
- ハデス（プルート）の武器
- ペルセポネ（プロセルピナ）の武器
- 終わりに
ギリシャ神話 オリュンポス12神の武器一覧-オリュンポス十二神が持つ武器の特徴とは
ギリシャ神話は遠い昔から現在に至るまで語り継がれている物語で、ユニークな神様たちが繰り広げるエピソードがとても面白く、多くの人々に愛されてきました。
小説や映画、漫画などのモチーフとなったり、ゲームのキャラクターになったりと、令和になった今でも日常生活に深く根付いている神話でもあります。
そのギリシャ神話の神々の中でも特に有名なのがオリュンポス十二神。オリュンポス十二神というのは、ギリシャのオリュンポス山の山頂に住むと云わる神々のこと。男女６柱ずつで１２の神様で構成されます。
他にも沢山の神様がいるのがギリシャ神話ですが、この記事ではこの「オリュンポス十二神」の神様が持つ武器や防具などの装備についてご紹介します。
※ギリシャ神話のあらすじはこちら
※下記紹介文（）内の名前はローマ神話の名前
ゼウス（ジュピター）の武器
親：クロノス、レア
称号：全知全能の神
武器：雷霆「ケラウノス」
特徴：全宇宙や天候を支配する天空神。人類と神々の秩序を守り支配する神々の王。
雷霆 ケラウノス：
ゼウスの武器はケラウノスと呼ばれる雷の武器です。
元々はサイクロプス三兄弟がゼウスによってタルタロスから開放してもらった際にゼウスへの感謝も兼ねた献上品として作った武器で形は雷の形で描かれることが多いです。
一度放てば世界を軽く焼き尽くし、本気で放った場合には宇宙そのものをも破壊すると言われるギリシャ神話最高の武器でもあります。
ヘラ（ジュノー）の武器
親：クロノス、レア
称号：最高位の女神
武器：無し（手には王笏）
特徴：結婚と母性、貞節を司る。
アトリビュート：王笏、孔雀、郭公（カッコウ）、牝牛、百合、ザクロ、魔法の帯
ヘラの王笏：
権力の象徴として王笏を手にしていますが、戦いに使用することはありません。
腕っ節が強く、トロイア軍を支援したアルテミスを素手で打ちのめしたという逸話も。彼女の母乳は人間を不死に変える力があり、英雄ヘラクレスも生まれて直ぐ彼女の母乳を飲んだために最強の人間となりました。
アテナ（ミネルヴァ）の武器
親：ゼウス
称号：都市の守護女神
武器：「アイギスの盾」
特徴：技術・学芸や戦いなどをつかさどる女神。
アトリビュート：盾、鎧
アイギスの盾：
戦いの女神アテナの装備はアイギスの盾という、ありとあらゆる邪悪・災厄を払う魔除けの能力を持つ盾。
英雄ペルセウスが、魔物メドゥーサを討伐した際に、その首を持ち帰ってアテナに捧げ、その首をアテナがアイギスの盾にはめ込んだため、アイギスの盾はより優れた防具と昇華されました。
アポロン（アポロ）の武器
親：ゼウス、レト
称号：羊飼いの守護神にして光明の神。
武器：銀弓、竪琴
特徴：詩歌や音楽などの芸能・芸術の神でもあり、疫病の矢を放ち男を頓死せるとともに病を払う治療神でもあり、神託を授ける予言の神でもある。
アトリビュート：竪琴、月桂樹の冠、矢筒と弓
銀弓：
鍛冶の神ヘパイストスが作製した弓。
男性を苦痛なく殺すことができ、大量に放つことでその土地に死と疫病をもたらします。
アプロディテ（ヴィーナス）の武器
称号：愛欲の女神
武器：無し（子どものエロスが「恋愛の矢」と「鉛の矢」を所有）
特徴： 生殖と豊穣、春の女神。元来は、古代オリエントや小アジアの豊穣の植物神・植物を司る精霊・地母神であったと考えられている。
アトリビュート：バラ、りんご、ミルテ、鳩、エロス（アプロディテの子）
恋愛の矢と憎悪の矢：
アプロディテの子どもとされるエロスが持つ矢。恋愛の矢で射抜かれると見た対象に恋をし、鉛の矢で射抜かれると見た相手を憎悪してしまう矢です。
この２つの矢がきっかけで様々なギリシャ神話のエピソードが生まれました。
アレス（マルス）の武器
親：ゼウス、ヘラ
称号：戦の神（軍神）
武器：槍と盾
特徴： 戦場での狂乱と破壊を表している神。
アトリビュート：槍、武具、火星、キツツキ、ハゲワシなど
槍と盾：
軍神アレスはギリシャ神話の芸術作品にも殆ど登場しない、人気の無い神様。
細かい設定が無く、武器として槍と盾を装備していますが、武器の名前はありません。
アルテミス（ディアナ）の武器
親：ゼウス、レト
称号：狩猟・貞潔の女神
武器：金弓
特徴： アポロンの双子の月の女神。狩猟を司る。
アトリビュート：弓、鹿、犬、兎、矢
金弓：
巨人族キュクロープスらに後に作らせたの弓矢。
女性を苦痛なく殺すことができ、地上に大量に放つことでその土地に死と疫病をもたらします。
デメテル（セレス）の武器
親：クロノス、レア（ゼウスの姉）
称号：豊穣の神
武器：無し
特徴： 穀物の栽培を人間に教えた神。
アトリビュート：麦の穂、豊穣の角、芥子、たいまつ
デメテルの武器：
豊穣の角などを持っていますが、武器ではなく、武器を所有していない神様です。
へパイストス（ウルカヌス）の武器
親：ゼウス、ヘラ
称号：炎と鍛冶の神
武器：無し（鉄床で武器を作る）
特徴： 工房で武器や宝を作る神。
アトリビュート：かなづち
ヘパイトスの武器：
ヘパイトスは武器を持っていないのですが、武器を作ることができる鍛冶の神。
アテナの盾アイギス、ゼウスの雷、自分で歩くことのできる真鍮の三脚器、アポロンの銀弓などを作りました。
ヘルメス（マーキュリー）の武器
親：ゼウス、マイア
称号：旅人と商人の守護神
武器：三日月形の刀剣「ハルパー」、黄金のサンダル「タラリア」
特徴： 神々の伝令係を担う
アトリビュート：羽根つきの帽子、サンダル、蛇の絡みついた杖
三日月形の刀剣「ハルパー」：
鍛冶の神ヘパイストスがアダマント(ダイヤモンド)から作成した剣（鎌）。メドゥーサ退治の折にペルセウスに貸し与えたとされています。
黄金のサンダル「タラリア」：
空を飛ぶことができる翼の生えた黄金のサンダル。
ポセイドン（ネプチューン）の武器
親：クロノス、レア（ゼウスの兄弟）
称号：海と地震を司る神
武器：三叉の鉾「トライデント」
特徴： ゼウスに次いで力を持っている神。海洋を支配しています。
アトリビュート：トライデント（三叉の鉾）、海草冠
三叉の鉾「トライデント」：
トライデントは三叉の鉾で、水源を作り出すことができます。
ポセイドンは海の神であると同時に地震を起こす神でもあり、彼が怒り、地を突くときには地震が起こり、トライデントを使用して大波、津波、嵐を巻き起こすことができます。
ヘスティア（ウェスタ）の武器
親：クロノス、レア（ゼウスの姉）
称号：家庭生活の守護神
武器：無し
特徴： 炉を司る神で、家族、祭壇祭祀、国家の守護神でもあります。
アトリビュート：？
ヘスティアの武器：
家庭を守る神ということで、ずっと炉のそばから離れず、争いにも加わらない穏やかな神様。オリンポス十二神は実は候補が１５柱いて、うち一人であるディオニュソスに十二神の一角を譲ったという逸話も残っているほど優しい神様です。
武器を持っておらず、美術品にはほぼ登場しません。
ディオニュソス（バッカス）の武器
親：ゼウス、セメレー
称号：豊穣とブドウ酒と酩酊の神
武器：無し
特徴： お酒の神様。
アトリビュート：葡萄の蔓、蔦が巻かれたテュルソスの杖、酒杯、豊穣の角
ディオニュソスの武器：
ディオニュソスは通常ブドウなどの果実と一緒に描かれていたり、お酒を持ったりしているのですが、武器を持たないお酒の神様です。
ハデス（プルート）の武器
親：クロノス、レア（ゼウスの兄）
称号：冥界の神
武器：二又の槍「バイデント」、「隠れ兜」
特徴： ゼウス、ポセイドンに次ぐ神様。
アトリビュート：バイデント（二又の槍）、豊穣の角、水仙、糸杉
二又の槍「バイデント」：
ハデスの武器。二又の槍。
「隠れ兜」：
被った者の姿を隠す兜。 ペルセウスがゴルゴン退治に出かける際に与えられた道具の一つでもあります。
ペルセポネ（プロセルピナ）の武器
親：ゼウス、デメテル
称号：農耕の神
武器：無し
特徴： ハデスの妻。ペルセポネが地上に戻ると母デメテルが喜び地上に春が訪れる。
ペルセポネの武器：
農耕の神で武器は持っていない神様です。
※オリュンポス十二神を詳しく知るならこちら
終わりに
この記事ではギリシャ神話の神々の中でも特に重要視されているオリュンポス十二神がもつ武器や防具についてご紹介しました。
マンガやゲームでギリシャ神話の神様や武器が登場していたり、美術品に描かれていたりするので、「この神様が持っているのはあの武器かな」と想像しながら見てみると、これまでよりも一層ギリシャ神話が楽しくなると思います。
ギリシャ神話が主題の作品を見つけた時には是非ギリシャ神話の物語を思い出してみてください。
※神話画の見方はこちら
※ギリシャ神話のあらすじを学べるおすすめな本はこちら
