ギリシャ神話は今日まで語り継がれる壮大な神々の物語。映画や漫画、ゲーム、美術などのモチーフとなり、「ゼウス」、「ガイア」、「アポロン」、「ギガンテス」などの名前を誰もが一度は耳にしたことがある一方、内容まではよく分からないという方も多いのではないでしょうか。
この記事では、そんなギリシャ神話のあらすじを知りたくなった時におすすめな本を5冊ご紹介します。
- ギリシャ神話のあらすじを知るためにおすすめな本5選-ギリシャ神話が面白くなる分かりやすい解説ならこれ!
- 『名画の謎 ギリシャ神話篇』-中野京子
- 『ギリシア神話を知っていますか』-阿刀田高
- 『ホメロスを楽しむために』-阿刀田高
- 『私のギリシャ神話』-阿刀田高
- 『新トロイア物語』-阿刀田高
- 終わりに
ギリシャ神話のあらすじを知るためにおすすめな本5選-ギリシャ神話が面白くなる分かりやすい解説ならこれ!
ギリシャ神話を知りたいと思ったときにお勧めなのは、分かりやすく説明してくれている本を読むこと。また、個々のエピソードを視覚的に学び、その後、大まかな流れをざっくりと解説している本を読むという順番で学ぶのがお勧めです。
個々のエピソードを視覚的に面白く学べる本でお勧めなのが、中野京子さんの『名画の謎 ギリシャ神話篇』。そして、ギリシャ神話の流れを大まかに学ぶのにお勧めなのが、阿刀田高さんの『ギリシア神話を知っていますか』と『ホメロスを楽しむために』です。
この3冊を読めばギリシャ神話の大まかな内容を知ることができます。どの本も初心者にも分かりやすく書いてあるので、初めてギリシャ神話に触れる際にはとてもおすすめな本です。
そしてさらに深堀りしたくなった場合に読みたいのが阿刀田高さんの『私のギリシャ神話』と『新トロイア物語』。この2冊を読むことでギリシャ神話の世界にたっぷりと浸ることができます。
※ギリシャ神話のあらすじと流れはこちら
『名画の謎 ギリシャ神話篇』-中野京子
ギリシャ神話はどういう物語かを分かりやすく解説しているのが中野京子さんの『名画の謎 ギリシャ神話篇』です。
この本はギリシャ神話を主題とした絵画を見ながら、その絵画で描かれているエピソードを紹介している本。フルカラーで見やすく、中野京子さんのユーモア溢れる解説がとても面白い本です。
有名なエピソードが盛り沢山で、この本を読めばギリシャ神話のあれこれが良く分かります。
ゼウスやヴィーナス、アポロンといった有名な神様のお話から、ダナエ、ピグマリオンなどの知る人ぞ知るエピソードまで。
ギリシャ神話への第一歩を名画と共に踏み出すことができる本です。
『ギリシア神話を知っていますか』-阿刀田高
中野京子さんの作品で視覚的に物語を体感した後は、阿刀田高さんの作品を重点的に読むのがおすすめ。ギリシャ神話の物語の全体像をつかむことができます。
阿刀田高作品でまずご紹介するのは『ギリシア神話を知っていますか』という作品。
ギリシャ神話では特にオリュンポス12神といわれる、ゼウスをはじめとした男女6柱ずつの神々が有名ですが、この本ではどの神様がどのようなことを行ったのかを現代風のタッチで楽しく解説してくれています。
※ギリシャ神話の神様一覧はこちら
『ホメロスを楽しむために』-阿刀田高
ギリシャ神話は主に①世界創生、②神々の戦争、③神々と人間の戦争、という順番で物語が進みます。
この3つの流れの最後の部分③神々と人間の戦争 について詳しく説明しているのが、ホメロスを題材とした『ホメロスを楽しむために』です。
こちらは『イリアス』、『オデュッセイア』という歴史家ホメロスの作品を分かりやすく説明してくれている本。
神々と人間の戦争であるトロイア戦争。「パリスの審判」を発端として巻き起こったギリシャvsトロイアの戦争物語です。
このトロイア戦争を、阿刀田高さんのギリシャ旅行をもとに紐解いていく形式の作品が『ホメロスを楽しむために』。
どの神様が誰に味方したか、なども描かれており、ホメロスを軽やかに楽しむことができます。
『私のギリシャ神話』-阿刀田高
中野京子さんの作品と阿刀田高さんの作品の計3作品でギリシャ神話に慣れてきて、「もう少し深く知りたいな」と思ったときには、これからご紹介する2冊を読むのがお勧め。
1冊目は、阿刀田高さんの同じくギリシャ神話をテーマにした『私のギリシャ神話』という本。
『ギリシア神話を知っていますか』との違いとして、紹介されているお話が違い、また、こちらの作品は挿絵などでヴィジュアル的にもギリシャ神話を楽しむことができます。
これまで紹介した3冊でなんとなく分かったギリシャ神話の世界をもう一度復習するのに最適な本だといえます。
『新トロイア物語』-阿刀田高
ご紹介した4冊を読んで「ギリシャ神話って楽しい」と思い始めたら、最後は阿刀田高さんの『新トロイア物語』を是非読んでみて下さい。
トロイア戦争の10年目、その最後の50日間を記した叙述史がホメロス作の『イリアス』。
トロイア戦争は長らく空想の話だといわれていたのですが、1871-1873年に行われた本格的な発掘によって、トロイアの遺跡がシュリーマンにより発見され、史実だったのではと、言われるようになった伝説的な戦争です。
このトロイア戦争について、小説の形式で描かれた作品が『新トロイア物語』。
この小説の特徴は、神話的なお話を解説しながらも、より現実的に通説を分析しており、現実味のある小説に仕上げているところ。そして、トロイア戦争後にアイネイアスがローマにたどり着き、ローマを建国するところまでを描いている、正に阿刀田高さんによる『新トロイア物語』です。
※阿刀田高さんの本でさらに古典を学びたい時はこちら
終わりに
この記事では、ギリシャ神話のあらすじを知るためにおすすめな本を5冊ご紹介しました。
ざっくりとギリシャ神話がどのような物語なのかを知るのであれば、中野京子さんの『名画の謎 ギリシャ神話篇』と阿刀田高さんの『ギリシア神話を知っていますか』、『ホメロスを楽しむために』の3冊、もしくは、この中の1冊を読むのがおすすめ。
さらに詳しくギリシャ神話を極めたくなった時には、阿刀田高さんの『私のギリシャ神話』と『新トロイア物語』を読んで深めるのがおすすめです。
ギリシャ神話を知りたいと感じたときには本当におすすめな5冊ですので、是非、一度これらの本を手にとってみてください。