物が回転運動するときの速さを角速度と呼びますが、その角速度がどのくらい速くなったり遅くなったりしているのかを割らすことができるのが角加速度という概念です。
この記事ではそんな角加速度の公式や単位と公式の意味をご紹介します。
- 角加速度とは?求め方や単位と公式の意味を解説
- 角加速度の求め方(公式)
- 弧度法ラジアンとは
- 角速度の意味と求め方
- 加速度の求め方と公式の意味
- 角加速度の意味は回転運動の加速度を求めること
- 角加速度の公式の記号と単位[rad/s^2]の意味
- 自宅学習ならスタディサプリがおすすめ
- 終わりに
角加速度とは?求め方や単位と公式の意味を解説
物が回転するとき、その速さを表すために角速度を使います。角速度は回転するものが1秒間に何度進んだかを表す概念です。例えば1秒に45度回転するのであれば、角速度は45度/秒=π/4[rad/s]であるといえます。
この角速度がずっと一定であれば問題ないのですが、回転し始めとトップスピードのときでは当然角速度も変化します。この速度が上がったり下がったりするときの速度変化を表すことができるのが「角加速度」です。
角加速度の求め方(公式)
角加速度の公式は下記の通りです。
α=Δω/Δt[rad/s^2]
角加速度=角速度の変化量÷変化する時間[rad/s^2]
例えば、物が回転し始めて、段々速度が上がっていき、角速度がπ/4[rad/s](45度/秒)となり、10秒後更に加速してπ/2[rad/s]=(90度/秒)まで速度が上がった場合の角加速度は、
α=(π/2 - π/4)/10秒
α=(2π/4 - π/4)/10秒
α=π/4 x1/10
α=π/40[rad/s^2]
と計算することができます。
弧度法ラジアンとは
角加速度の求め方は α=Δω/Δt[rad/s^2] という公式を使うということが分かりましたが、ここからは公式の意味を考えたいと思います。
まず、角加速度を考える上で最も重要な概念である、「ラジアン」について見ていきます。
ラジアンは角度の単位です。radと書きます。
私たちが普段使用する○○度という単位、1周が360度と決まっている表記法は、度数法と呼ぶのですが、このラジアンは弧度法と呼ばれる表記法です。
ラジアンがどのようなものなのかと言うと、
弧の長さを円の半径で割ったときに算出できる数値=角度(ラジアン)
と言うことができます。
rad=弧の長さ÷円の半径
度数法と弧度法の変換
ラジアンは角度なので、度数法に変換することも可能です。度数法と弧度法の変換は次の通りとなります。
1π[rad]=180度(π[rad]=180度)
2π[rad]=360度
尚、ここではラジアンについての詳しい説明は割愛して有りますが、ラジアンの解説は別記事で説明しているので、そちらをご覧ください。
※ラジアンの詳しい解説はこちらをご覧ください
角速度の意味と求め方
角加速度の公式はα=Δω/Δt[rad/s^2] でした。角加速度を求めるときに欠かせない概念が角速度です。
角速度は、物が回転するときの速さを角度で表した速度のことを指します。つまり、1秒間に何度回転したかを表します。
角速度の記号はω(おめが)を使用します。角速度の求め方は次の通りです。
ω = θ / t [rad/s](角速度=角度/時間)
例えば、上の図のように、例えば1秒間に大体90度くらい回転したとすると、その角速度ωは動いた角度分(大体90度、下の図ではθ)分が角速度です。つまり、角速度は回転した「角度÷時間」で表すことができます。なので、この場合、ω=90度/秒です。
このω=90度/秒をラジアンで表したのが角速度となります。
ラジアンと度数法の換算は180度=π[rad]なので、90度の場合はこの半分、秒速π/2[rad]となり、ω=π/2【rad/s】が角速度です。
※角速度の計算方法の解説はこちら
加速度の求め方と公式の意味
ラジアン、角速度の違いを見てきましたが、続いて加速度について見てみたいと思います。
角加速度というは、回転するものの加速度のことを指します。 加速度というのは、加速度は物の動きがどれだけ速くなったのか、もしくは遅くなったのかを計算できる物差しのことです。つまり、「どのくらい速度が変化したのか」を表します。
加速度の公式は下記の通りです。
α=Δv/Δt(加速度=速度の変化量÷時間)
では加速度の単位が何かと言うと、「m/s2」もしくは「m/^2」です。このs2(s^2)は秒の2乗を表し、「毎秒毎秒(まいびょうまいびょう)」と読みます。1m/s^2なら、「1メートル・パー・毎秒毎秒」です。
尚、毎秒毎秒の意味については別記事で詳しく解説していますので、そちらをご覧ください。
ラジアン[rad]とは何か ラジアンの定義と求め方-弧度法の角度単位ラジアンは度数法に変換可能 - すみくにぼちぼち日記
加速度の公式の記号の意味
加速度を表すのはα(アルファ)です。特に意味を持っているわけではなく、みんながギリシャ文字のαを使うからαになりました。
続いてΔvですが、左側の三角形Δはデルタと読みます。Δもギリシャ文字。differenceの頭文字「d」をギリシャ文字にしました。Δは「変化する」ことを表します。
vはVelocityの頭文字「v」。スピード(速度)の英語です。
tはTimeの頭文字「t」。時間の英語です。
つまりα=Δv/Δtは、加速度は変化する速度を時間で割って計算していると言えます。
加速度の公式を使った計算例
加速度の公式α=Δv/Δtを使った計算例を確認してみましょう。
自転車の速度が20m/s(秒)から40m/s(秒)に10秒間の間に上がるとします。
10秒間の間にどのくらい自転車の速度が変化したのかと言うと、
40m/s - 20m/s=20m/sで20m/s変化しています。
つまり10秒間の間に20m/s早くなっているので、加速度はの計算は以下の通り。
α=20m/s÷10s(秒)
α=2m/s^2
自転車は10秒間の間に2m/s2ずつ加速しているということができます。
※加速度についての詳しい解説はこちら
角加速度の意味は回転運動の加速度を求めること
角加速度は、回転運動の加速度のことです。
つまり、回転運動するときに、1秒間に○度回転していたのが、10秒後増えたり減ったりしたときに、どのくらい加速したのかを表す概念です。
単位は[rad/s^2]。※^は○乗の意味
ここまで見てきた、ラジアン、角速度、加速度の組み合わせだといえます。
α=Δω/Δt[rad/s^2]
角加速度の公式は、加速度の公式であるα=Δv/Δt のΔv(速度の変化量)をΔω(角速度の変化量)へ変更した式です。
例えば1秒間に90度回転するボールがあるとすると、この角速度はπ/2[rad/s]です。
このボールの回転スピードが加速していき、10秒後には1秒間に180度回転する速度となったとします。つまり10秒後の角速度はπ[rad]です。
この時の角加速度は、まず角速度がどのくらい変化したかを計算して、
Δω= π - π/2
Δω= π/2[rad/s]
となります。
これを10秒(10s)で割ると1秒あたりの角速度の変化=角加速度となります。
π/2[rad/s]÷10s=π/20[rad/s^2]
つまり、このボールの角加速度はπ/20[rad/s^2]となり、角加速度を計算することができました。ちなみにこの角加速度が大体何度くらいかと言うと、
180度=π[rad]なので、
180÷20=9となり、1秒間に9度の速さでボールの回転速度が加速しているのだと分かります。
始め90度/秒でボールが回転していたのに、10秒後は180度/秒の速さで回転していたのだから、1秒間に9度加速すると9度x10秒=90度となり、上の絵の速度の変化量と同じになることが確認できました。
角加速度の公式の記号と単位[rad/s^2]の意味
に角加速度の公式の記号の意味をご紹介します。
α=Δω/Δt[rad/s^2]
α:角加速度を表す記号アルファ。加速度と同じ記号を用いる。
Δ:変化量を表す。Diferenceの頭文字d のギリシャ文字Δデルタ。
ω:角速度を表す。由来は不明。
t:時間を表す。Timeの頭文字t。
rad:角度ラジアン。角度を弧度法で表すときの単位。
/s^2:毎秒毎秒。角速度はrad/sを秒sで割ったものなので、単位がrad/s^2となる。
㎡がmxmでm^2となるのと同じ原理。
^は○乗の意味。
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終わりに
この記事では、回転運動における速度の変化を数値化した角加速度について、その求め方や単位と公式の意味をご紹介しました。
①α=Δω/Δt(角加速度=角速度の変化量÷変化する時間)
②αとΔωとΔtの意味
③角加速度の単位[rad/s^2]
今回ご紹介した3つの項目を活用しながら、角加速度を求めてみてください。
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※角速度と回転数の変換方法はこちら