すみくにぼちぼち日記

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ヨーロッパ史が学べるおすすめの本を紹介-中野京子さんの絵画を用いた分かりやすい西洋史入門書

ヨーロッパ史を学びたくなった時におすすめの入門書は中野京子さんの「名画で読み解く」シリーズです。初めて欧州史を学ぶ場合にも、昔勉強した歴史を学びなおしたい場合にも、絵画を用いて視覚的に学ぶことができる中野京子さんのわかりやすい本は大きな助けとなります。

この記事ではそんなヨーロッパ史を学びたくなったら読みたい中野京子さんの本をご紹介します。

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ヨーロッパ史が学べるおすすめの本をご紹介

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ヨーロッパ史を学びたいと思ったとき、何処から手をつけていいのか、分かり易い参考書はどれなのかなど、迷ってしまうことが多くあります。

そんな時に欧州史の入門書としておすすめしたいのが、中野京子さんの「名画で読み解く」シリーズです。

このシリーズは、ヨーロッパ各国の王朝とその国の歴史について、名画を見ながら解説してくれる本で、ハプスブルク家、イギリス王室、ブルボン王朝、ロマノフ家の物語を堪能することができます。

学校で習う世界史とは一味も二味も違った切り口の西洋史をご堪能ください。

 

名画で読み解く ハプスブルク家12の物語

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はじめにご紹介するのは、『名画で読み解く ハプスブルク家12の物語』。この本は神聖ローマ帝国とスペインを手中に収めたハプスブルク家の物語が紹介されています。

ハプスブルク家はもともとスイスの小さな貴族でしたが、当時神聖ローマ帝国は多くの国々の連合体であり、力が弱い家ほど皇帝に相応しかった(権力が集中するのを避ける)ため、神聖ローマ皇帝の皇帝に選定されました。

ハプスブルク家は婚姻によりヨーロッパ各国との姻戚を結び領土を着々と拡大していったといいます。

ハプスブルク家といえばヨーロッパの西の端、スペインでも栄華を誇りました。スペインでの歴史の始まりはレコンキスタを完了したカトリック両王の娘狂女フアナがハプスブルク家のフィリップ美公と結婚したことによります。

彼らの息子カルロス1世がスペイン国王となり、神聖ローマ皇帝カール5世も兼任したことで、大帝国が築かれたのです。

 

 

名画で読み解く イギリス王家12の物語

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1485年即位のヘンリー7世から500年以上の長さを誇るイギリス王室。しかし現在の王室に至るまで、テューダー家以降家名が四回も変わっていったのはご存知でしょうか。

テューダー朝といえばイギリス国教会を設立したヘンリー8世。ヘンリー8世が、教義はカトリックとほぼ変わらないプロテスタントの教会であるイギリス国教会を設立したのには「結婚」を巡った教会との対立がありました。

本の表紙は紅茶の名前にもなっている「レディ・グレイ」。処刑される最後まで気高く生きたイギリス王家の血を引く女性。彼女を断頭台に送ったのは私たちも良く知るあの人…

清廉、高貴、裏切り、狂気… この世が孕む美しいものそして醜いもの全てを体現したかのようなイギリス王室のドラマを語る一冊です。

 

名画で読み解く イギリス王家12の物語 (光文社新書)
 

 

名画で読み解く ブルボン王朝 12の物語

 

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断頭台の露と消えたマリーアントワネット。彼女がブルボン家に来なければ、ハプスブルク家でのんびり過ごしていられたら、あんな悲劇は起こらなかったのかもしれない。

太陽王ルイ14世の下最盛期を迎えたフランスブルボン家。革命に翻弄された王家の12の物語を紡ぐ本がこの一冊。

フランスでは潰えたブルボン家も実は現在はスペイン王室として家名をつないでいたりして、ヨーロッパの歴史を見る上では欠かすことのできない家系。

『マリー・ド・メディシスの生涯』や『ナポレオンの戴冠式』など、超有名絵画と共にブルボン王朝を紐解きます。

 

名画で読み解く ブルボン王朝 12の物語 (光文社新書)
 

 

ヴァレンヌ逃亡 マリー・アントワネット 運命の24時間

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フランス史の本でもう一冊お勧めしたいのが、『ヴァレンヌ逃亡 マリー・アントワネット 運命の24時間』。

革命が勃発してからヴァレンヌで捕まるまでの24時間をルイ16世の手記を元に検証する本。小説形式で書かれた本で、まるでその場で逃亡の手助けをしているかのような臨場感にドキドキします。

こんな危機なのにのんびりピクニックにでも行くような気軽さの王家。それを補佐する人々との温度差も克明に記しており、当時の王家にとっての革命がどのようなものだったのかを肌で感じることができる作品です。

 

 

名画で読み解く ロマノフ家 12の物語

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イワン雷帝から続いたロシアのロマノフ家。

跡継ぎ争いが絶えず、同じ王家の中で骨肉の争いが繰り広げられました。農民出身の身ながら見事に女帝にまで上り詰めたエカテリーナ1世やドイツ人ながらロシアの女帝になったエカテリーナ2世など、血筋や出自までもを覆すことができる可能性があった、ロシア王室の物語です。

日本人には馴染みの薄いロシア王室ですが、実は日本人がロシアに流れ着いたり、ロシア皇帝ニコライ2世が日本に来たりと意外と関わりが深いお隣の国でもあります。

目から鱗のロシア史の世界を覗いてみてくさい。

 

 

終わりに

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この記事では、ヨーロッパ史を学びたいと思ったときにおすすめな、中野京子さんの本をご紹介しました。

分かりやすくて面白い、歴史が好きになる本が中野京子さんの「名画で読み解く」シリーズです。

是非このシリーズでハプスブルク家、イギリス王室、ブルボン王家、ロマノフ王朝の歴史を感じてみてください。

 

旧約聖書新約聖書コーランを学ぶ本はこちら

sumikuni.hatenablog.com

 

ギリシャ神話を学ぶための本はこちら

sumikuni.hatenablog.com

 

 

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