ラジアン[rad]とは、角度の単位のこと。私たちがよく使用する○○度という度数法の単位ではない、弧度法という方法で表された角度です。
この記事ではラジアンというのはどのようなものなのか、その意味と定義、そしてラジアンの求め方をご紹介します。
- ラジアン[rad]とは ラジアンの定義と求め方-弧度法の角度単位ラジアンは度数法に変換可能
- ラジアン[rad](弧度)とは-弧度法ラジアンの定義
- 度数法とは-360度は非科学的?
- ラジアン[rad]を求める公式【rad=弧の長さ÷円の半径】
- ラジアンの度数法への変換
- ラジアン[rad]の使い方と応用
- 自宅学習ならスタディサプリがおすすめ
- 終わりに
ラジアン[rad]とは ラジアンの定義と求め方-弧度法の角度単位ラジアンは度数法に変換可能
高校の数学や物理で名前を耳にすることが多いラジアン。記号ではradと書きます。
初めて聞く概念に頭の中が?で埋め尽くされてしまうこの言葉。聞き慣れないこの単語を初めて耳にすると、心に分厚い壁ができてしまい、脳が受け付けない状態となってしまうこともあります。
私も初めてラジアンという言葉を聞いたとき、そしてラジアンの単位[rad]を目にしたとき、自分にとって新しすぎる存在に恐れおののいてしまいました。ただ、ラジアンの概念は実は理解すると、とても役に立ちます。
ではラジアンとは一体全体何なのか。実は、ラジアン[rad]は「科学的な手法で角度を表した単位」のことなのです。
この記事ではそんな不思議な概念ラジアン[rad]についてご紹介します。
ラジアン[rad](弧度)とは-弧度法ラジアンの定義
科学的な手法で角度を表した単位が「rad」だと述べました。では、この「rad」とは何なのでしょうか。
一般的に私たちは角度を表すときに180度や360度といった単位を使用します。これは円を360個に割って求めた角度を1とした単位のこと。
一方でラジアンの定義は、
「角度の国際単位。記号は「rad」。1radは1つの円で半径に等しい長さの弧に対する中心角の大きさ。」です。
つまり、
弧の長さを円の半径で割ったときに算出できる数値=角度(ラジアン)
と言い換えることができます。
度数法とは-360度は非科学的?
ラジアンで角度を表す弧度法と同じく角度を表すことができるのが度数法です。
度数法は私たちに馴染み深い「1周360度」と定められた角度。直角は90度ですし、180度といえば平らを意味します。
冒頭でラジアンは科学的に角度を表すことができるといいましたが、反対に言うと、度数法と呼ばれる、私たちが慣れ親しんだ1周360度は実はあまり科学的ではないとも言えます。
と言うのも、この1周360度は実はメソポタミア文明の時代に1年の日数365日(当時は360日くらいと考えられていた)に倣って定められたのです。
つまり、370度でも、320度でも良かったのですが、何千年も昔、メソポタミア文明に生きた誰かが「よし、円は1年に倣って360度にしよう」と決めた数字なのです。そのくらいあやふやな単位が○○度であるといえます。
つまり、客観的に角度を表すことができる単位は実は度数法の1周360度ではなく、弧度法の弧の長さを円の半径で割ったときに算出できる数値=角度(ラジアン)なのです。
ラジアン[rad]を求める公式【rad=弧の長さ÷円の半径】
rad を求める公式は、
rad=弧の長さ÷円の半径
です。
例えば、円の半径が6で弧の長さが6πの場合、
rad=6π/6=π
となり、この扇形の角度はπ[rad]となります。つまり3.14[rad]です。
と、こんな感じの公式を見ても良く分かりませんので、「なるほど、そうなのか」くらいで置いておいて、早速次の項目を見ていきましょう。
ラジアンの度数法への変換
rad=弧の長さ÷円の半径を使って先ほど求めたπ[rad]ですが、この角度はどんな角度なのかを度数法に直しながら見ていきます。
その為に、半径が6で弧の長さが6πの扇形がどんな形かを確認してみます。
まず半径6の円の円周の長さは直径12xπ=12πなので、円周は12π(直径x3.14)です。
弧の長さは6πなので、円周全体の12πを6πで割ると円周のどれくらいの部分が弧の長さかが分かります。
12π÷6π=2なので、円周を半分に割った扇形は、円周の半分の形です。つまり、半径6で弧が6πの扇形だと分かります。
上の図のように半径6で、弧の長さ6πの扇形は、円を半分に割った扇形でした。この扇形の中心の角度は度数法では180度なので、
1π[rad]=180度(π[rad]=180度)
となります。
つまり、弧度法の1π[rad]は度数法の180度に相当する角度ということになります。
では、360度をラジアンで表すと、180度x2=1π[rad]x2となり、
2π[rad]=360度
となります。これがラジアンを度数法へ変換する変換方法です。
ラジアン[rad]の使い方と応用
ラジアンは科学的だといいましたが、何故度数法ではなく弧度法を使うのか。実は弧度法を使うと角度から色々な数値を簡単に求めることができます。
radに半径をかけて弧の長さを求める【弧の長さ=円の半径xrad】
まず、radを使うと弧の長さを簡単に求めることができるのです。
ラジアンの求め方は、
rad=弧の長さ÷円の半径
なので、式を入れ替えると
弧の長さ=円の半径xradになります。
つまり、radの値に半径をかけると弧の長さを算出することができちゃいます。
角度が1/2π[rad]で、半径(r)=6の場合
1/2πx6=3π
弧の長さは3πになりました。つまり、3x3.14で大体9.42くらい。
半径(r)=12の場合は下記の通りです。
1/2πx12=6π
こちらは6x3.14=18.84くらいの弧の長さです。
ラジアン[rad]から角速度を求める
弧の長さを求めることができると、回転するものの回転の速度を計算できるようになります。
回転運動をする物体がどのくらいの速度で動いているのかを求めるときに役立つのが「角速度」という概念です。
角速度はその名の通り、物が回転したときの速さを角度を使ってあらわした数値のこと指します。つまり、1秒で○○rad分(○○度分)回転するということ。
この角速度を求める時にラジアン[rad]が役に立ちます。角速度の求め方は下記の通り。
ω = θ / t [rad/s](角速度=角度/時間)
ω:角速度(rad/秒)、θ:角度(rad)、t:時間(秒)
※角速度についての詳しい解説はこちらをご覧ください。
角速度[rad/s]から周速を求める
ラジアン[rad]に半径をかけると簡単に弧の長さを求めることができるとご紹介しました。この技を転用すると、角速度からその1秒の間に進んだ距離「周速度」を求めることができます。
角速度は1秒間に○rad分だけ回転するということ。つまり、radに半径をかけて算出する弧の長さがそのまま1秒間に回転する弧の長さ=速度(弧が動く速度)となります。
V = rω
V=m/秒、r=半径(m)、ω=角速度(rad/秒)
※角速度から周速を計算する求め方はこちらをご覧ください。
角速度[rad/s]と回転数と周速度の関係
最後に角速度と回転数と周速度の関係はをご紹介。
①回転数から周速度を求める:V(m/min)=πDN=2πrN
②回転数から角速度を求める:ω(rad/s)=2πN/60
③角速度から周速度を求める:v(m/s)=rω
※V:周速度、ω:角速度、D:直径、r:半径、N:回転数(PRM)
詳しい解説は下記をご覧ください。
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終わりに
今回は弧度法の角度の単位であるラジアン[rad]の意味と求め方をご紹介しました。
ラジアン[rad]は「科学的な手法で角度を表した単位」のことで、弧の長さを円の半径で割ったときに算出できる数値=角度(ラジアン)となります。
rad を求める公式は、
rad=弧の長さ÷円の半径 で求めたradを度数法に変換するには下記の公式を使います。
1π[rad]=180度(π[rad]=180度)
2π[rad]=360度
radを使うと、円の弧の長さを計算することができたり、radから角速度を求める、角速度から周速度を求めるなど、様々なことに応用できますので、是非ラジアンを使ってみてください。
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※回転数から周速度を求める方法はこちら