高校数学でとても重要な順列と組合せですが、その違いが分かりにくいと感じてしまうことがあります。
この記事では、そんな順列と組合せの違いをご紹介します。
順列と組合せの違いと意味と見分け方
順列と組合せの違いとして、順列は「物を並べるときのパターンを数える」のに対し、組わせは「物を選んだ時のパターンを数える」というものです。
つまり、順列の場合、物を並べるので、ABCとACBとBCAは別の並び順として数えられ、3パターンと数えられるのですが、組合せは物を選ぶだけで並び順は関係ないので、ABCもACBもBCAも全てAとBとCの同じ組合せとして数えられ、組合せは1パターンとして数えられるということです。
例えば、30人のクラスで3人を選ぶ場合は組合せなのに対して、30人のクラスで3人を選んでその並び順のパターンまでを数えるのが順列だと言えます。
順列とは
順列は、「異なるn個のものを一列に並べる』場合の数のことをいいます。
つまり、物を並べるときに、何通りの並べ方があるかを考えることの考え方を順列と呼びます。
順列には、
・n個からr個選んで並べる場合=nPr
・n個全てを並べる場合=n!
・円順列=(n-1)!
・n種類のものを重複を許してr個並べる重複順列=n^r
という4つの種類があります。それぞれの計算方法や公式の意味の詳しい解説は下記のページを見ていただきたいのですが、分かりやすいようにここでは
・n個からr個選んで並べる場合=nPr
だけ確認していきます。
nPr-n個からr個並べる順列の公式
n個あるものからr個選んで並べる場合の順列の公式は大文字のP(Permutation)を使って表します。
異なるn個から、r個を選んで並べるときに使える公式で、
nPr
となります。
例えば、Aさん、Bさん、Cさん、Dさんの4人から3人選んで並ぶときのパターンを計算したいときは、
4P3
となります。
計算方法
計算方法は、
nPrの場合、n×(n-1)×(n-2)×…×(n-r+1) のように、
nから1ずつ少ない数をかけていくのをr回繰り返します。
例えば、5P3なら、「5x4x3」
100P4なら、「100×99×98×97」
と、100から1ずつ少なくなっていく掛け算を4回繰り返すことになります。
公式の意味
順列の公式がnPrだということが分かりました。
それでは、このnPrの意味はどのようなものなのでしょうか。
先ほどの解説のように、例えば、異なるn個が、A、B、C、Dの4つでそこから3つを選んで並べるときは、
1つ目:AかBかCかDの4通りからAを選ぶ
2つ目:BかCかDの3通りからBを選ぶ
3つ目:CかDの2通りからCを選ぶ
と言ったように、1つ目の選択肢がn個(4個)、次は一つ目より1個少なくなった3つの選択肢、そして3つ目は2つ目の選択肢から1つ少なくなった2つの選択肢となることが分かると思います。
これを選ぶ個数分(r個分)繰り返すのが、n個からr個とって並べたときの順列なのです。
この場合は、4x3x2通りの並べ方があるといえます。
これを式に表したのが
nPr
です。
ちなみに、n個のものを全て並べるという時は、n! (nの階乗)となります。
※順列の詳しい解説はこちら
組合せとは
組み合わせは、「いくつかのものから取り出す順序を無視して取り出して組にしたもの』場合の数のことをいいます。
つまり、何通りの選び方かを考えることの考え方を組み合わせと呼びます。
組合せには、
・n個からr個選ぶ場合=nCr
・組分け(組に名前がある場合)
・組分け(組に名前がない場合)
・同じものを含む順列
という4つの種類がありますが、今回は
・n個からr個選ぶ場合=nCr
をご紹介します。
nCr-n個からr個選ぶ組合せの公式
n個あるものからr個選ぶ場合の順列の公式は大文字のC(Combination)を使って表します。
異なるn個から、r個を選ぶときに使える公式で、
nCr
となります。
例えば、Aさん、Bさん、Cさん、Dさんの4人から3人選ぶパターンを計算したいときは、
4C3
です。
計算方法
計算方法は、
nCr=nPr/r!です。
公式と計算方法ですが、このままではよく分からないので、公式の意味を確認していきたいと思います。
公式の意味
順列の公式がnCrだということが分かりました。
それでは、このnCrの意味はどのようなものなのでしょうか。
先ほどの解説のように、例えば、異なるn個が、A、B、C、Dの4つで、そこから3つを選ぶときは、
{A,B,C}、{A,B,D}、{A,C,D}、{B,C,D}
と言ったように、4通りの組合せ方があることが分かります。
これを式に表したのが
nCr
です。
つまり、4C3=4となります。
では、どのように計算すると4C3=4となるのかを考える時、まずは4個から3個を選び並べる順列を考えます。この場合、4P3=24通りとなります。
つづいて、この選んで並べるというの「選ぶ」と「並べる」に分けて考えます。
「選ぶ」は4C3でした。「並べる」は、3つのもの全てを並べるので3!となります。
「選んで並べる」というのは「選んだもののパターン」の中に「並べるパターン」がいくつあるかなので、例えば4つ選んでそれぞれ3パターンずつ有る場合は4x3=12通りとなります。
つまり、
「選んで並べる」=「選ぶ」×「並べる」
となるので、
4P3=4C3×3!
4P3は=24となり、
4C3=4, 3!=6, 4x6=24となるので、
4P3=4C3×3!が成り立つことが分かりました。
では、4C3の計算方法がどうなるのかというと、
4P3=4C3×3!
4C3=4P3/3!となり、nCr=nPr/r!となります。
言葉にすると、選ぶことは選んで並べることから並べることを取り去ったパターンとなるのです。
※組合せの詳しい解説はこちら
順列と組合せの違い
順列の計算方法と組合せの計算方法が分かったところで違いを整理したいと思います。
順列は「選んで並べること」
組合せは「選ぶこと」
という違いがあります。並べるのか、並べないのか、という違いです。
選んで並べる順列の場合は選ぶだけよりも並び順の分だけパターンが多くなり、逆に選ぶだけで並べない組合せは、選んで並べたパターンから並べることによって重複するパターンを取り除いてあげることで計算ができます。
つまり、組合せというのは、順列の「選んで並べ」たものから並べるという行程を無くしてしまったものなのです。
これを式にすると、
選ぶこと=選んで並べること÷並べること
nCr=nPr/r!
となるのです。
順列と組合せの見分け方
順列は順番が大切な時、組合せは順番は関係ないときに使いします。
つまり、
「並べ方」や「列」など順番を考慮するような言葉が出てきたら順列P
「組み合わせ」や「選び方」というような言葉が出てきたら組み合わせC
という形で見分けるのがポイントです。
とはいえ、実際に問題を解いているとどちらを使うのか紛らわしい場合も多いので、沢山練習をして、問題を見ただけでどちらのパターンとなるのかを見極めらるようになるのがおすすめです。
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ここまで、数学の「順列と「組合せ」の違いについてご紹介してきました。
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終わりに
この記事では、順列と組合せの違いをご紹介しました。
順列は並べるパターンがいくつあるのか、組合せは選ぶパターンがいくつあるのか、という違いがあるというところを頭に置きながら練習問題を行うと、順列と組合せの問題も解きやすくなると思いますので、是非練習なさってみてください。
※自由落下の公式の解説はこちら