物の様子を表す形容詞。
古文の世界にも色々な形容詞があり、形容詞にも活用があったり、独自のルールがあったります。
この記事では、古典の形容詞についてご紹介します。
古文文法 形容詞の活用の種類と見分け方-古典の形容詞はク活用とシク活用を覚える
形容詞というのは、そのものの様子を表す言葉のこと。
例えば白い、硬い、重いなどが形容詞です。
古文の世界にもこのような様子を表す形容詞があります。現代文の形容詞は「い」で終わる単語でしたが、古典の形容詞は「し」で終わり、ク活用とシク活用という2つ形があります。
この記事では、特にこの2つの活用の違いについてご紹介します。
形容詞とは
形容詞は、物の様子を表す言葉のこと。
現代日本語では、「い」で終わる単語を形容詞と呼びます。一方で、古文では、形容詞は「し」で終わります。
つまり、性質や状態を表し「し」で終わる単語が古文の形容詞です。
ク活用とシク活用
古文の形容詞には、「ク活用」と「シク活用」という２つの活用方法があります。
古文で出てきた単語がこの「ク活用」と「シク活用」のどちらの活用なのかを見分ける方法は、単語の語尾に「なる」をつけるという方法がおすすめ。
例えば、「白し」なら、「白くなる」なので、「ク活用」です。一方で、「をかし」の場合は、「をかしくなる」なので、「シク活用」となります。
ちなみに、「いみじ」という形容詞の場合は、「いみじくなる」となるのですが、この活用の種類は「シク活用」です。「じく」と活用しても濁点を省いて、「シク活用」とするようにしましょう。
「いみじ」は「甚だしい様子」という意味。とても悪い時やとても良い時などに使います。現代日本語では「やばい」みたいな言葉です。「やばい」も、めっちゃ良い時とめっちゃ悪い時のどちらの場合にも使うので、昔も同じような感覚で「いみじ」を使っていたのかなと思います。
ク活用の活用形
ク活用の活用は下記の通り。
未然・連用・終止・連体・已然・命令
く ・く ・し ・き ・けれ・〇
から・かり・〇 ・かる・〇 ・かれ
覚え方は、「くくしきけれ」と流れで覚えるのと、下の活用はラ変（ら・り・り・る・れ・れ）の上に「か」がついた活用なので、「か＋ラ変」と覚えましょう。
ちなみに私が高校生の時は、
「く・から、く・かり、し、き・かる、けれ、かれ」と覚えましたが、「くくしきけれ」と「か＋ラ変」と覚えた方が覚えやすいかなと思います。
シク活用の活用形
シク活用の活用形は、ク活用の上に「し」をつけるだけです。
なので、「ク活用にしをつける」と覚えましょう。
未然 ・連用 ・終止・連体 ・已然 ・命令
しく ・しく ・し ・しき ・しけれ・〇
しから・しかり・〇 ・しかる・〇 ・しかれ
か＋ラ変は助動詞接続
ク活用とシク活用の活用形を覚えましたが、なぜ「くくしきけれ」と「か＋ラ変」という２つの行があるのかですが、実は「か＋ラ変」の場合は下に助動詞が付きます。
例えば、白い花と言いたいとき、
「白し＋花」
となり、花が体言なので白しをク活用の連体形に変えての活用を当てはめると、
「白き花」もしくは「白かる花」となります。
この場合下に体言がくっついているので「か＋ラ変」は使えず、「白き花」が正解です。
一方でどのような場合に「か＋ラ変」になるかというと、「白くない」と言いたいときなど。
「白くない」は、「白し＋助動詞のず」となり、助動詞の「ず」が未然形接続になるので、「白し」を未然形にします。
「白しの未然形＋ず」は、「白くず」もしくは「白からず」です。
形容詞に助動詞が接続するときは「か＋ラ変」で活用する必要があるので、「白からず」が正解です。
※助動詞と助動詞の接続についてはこちら
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ここまで、古文の形容詞についてご紹介しました。
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終わりに
この記事では、古文文法の形容詞についてご紹介しました。
形容詞には「ク活用」と「シク活用」の２つがあり、活用は「くくしきかれ」と「か＋ラ変」があること、また、「か＋ラ変」は助動詞が接続するときに使用することの２つを抑えれば、古文の形容詞が良く分かるようになります。
一つ一つの単元をしっかりと整理して覚えることで古文が良く分かるようになると思いますので、古文文法を確実に抑えるようになさってみてください。
※古文の敬語の覚え方はこちら
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