すみくにぼちぼち日記

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海外駐在の仕事内容とは-BtoB営業の場合

海外駐在というと日本からの出張者の接待三昧、夜遅くまで降りかかる仕事をこなす激務、はたまた日本への報告ばかりしているなど、まことしやかに囁かれることも多い職種。

今回はそんな謎の多い海外駐在の仕事について、実際はどのような仕事を行っているのか、メーカーにおけるBtoB営業の例をご紹介したいと思います。 

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海外駐在の仕事内容とは-BtoB営業の場合

営業担当として海外に駐在することとなった時に気になるのが、どのような仕事をするのかと言うこと。

海外駐在員と言っても、営業、技術、管理などの部門によって仕事内容も大きく異なります。

営業担当の場合、新規開拓とルート営業、マーケティング、人材育成、製品購入・輸入、製品メンテナンスの管理、などが主な仕事となります。

この記事ではそれぞれの仕事について詳しくご紹介します。

 

メインはこれ-新規開拓とルート営業

営業員として海外駐在する場合、その仕事の半分はお客さんへの訪問です。中でも重要なのが新規開拓。海外に拠点を出す企業の目的はその地域での更なる事業拡大にあります。したがって駐在員の使命は駐在先の売り上げを拡大することです。

新規開拓では、すでにその国で販売している製品を新規の取引先へ販売する、既存製品の拡販と、これまでその国で販売したことのない製品を市場に導入する新製品の投入があります。

 

商社との連携が鍵-既存製品の拡販

既存製品の拡販には商社とのユーザー訪問が鍵となります。

商社は様々な製品を多種多様な企業へ販売しているため、大きな販売網を持っています。既存製品の拡販には懇意にしている商社へ積極的にコミュニケーションをとり、その販売先へ製品を紹介してもらい、自分はメーカーの営業として製品の説明や技術対応、アフターケアを行います。また、メーカーが独自に新規ユーザーを開拓し、商社へ紹介、販売を開始するともあります。 

 

まずは市場調査から-新製品の投入

新製品を市場に投入するためにはまずは市場調査から開始します。展示会に出展してその来訪者へコンタクトを取ります。

商社、大規模ユーザー、小規模ユーザーと分け、まずは新規商社への訪問を行い、市場における自社製品の位置付けの説明や市場規模の情報収集、自社製品の販売可能性の相談などを行います。

その後コンタクト頂いた小規模ユーザーを発掘した商社と回ったり、取引規模の大きそうな大規模ユーザーへは直接コンタクトを行ったりして新製品投入までユーザーへの訪問を続けます。

 

深堀につぐ深堀-ルート営業

既存顧客を回るルート営業ではお客様が新規ラインを立ち上げる、新しい製品の製造を企画しているなどの情報をいち早く入手することが重要です。

また、既存製品が問題なく使用できているかなどを管理者及び現場の作業者に確認します。技術的な課題や人的な技術問題などが起こっている場合には都度アドバイスを行い、自社製品が問題なく使用できるようにサポートしていきます。 

 

市場を分析する-マーケティング

日本では専門的な部門がおかれていることも多いマーケティングを行うのも海外駐在員の仕事です。

営業担当として派遣されているわけですから、派遣先の国でのマーケティングブランディングはとても重要。これらのマーケティング活動は製品を販売するための下地作りとして積極的に取り組みたい仕事です。 

 

新規案件獲得のチャンス-展示会

例えば展示会の出展。準備ではブースのデザイン、展示する商品の選定、ブースの場所の確保、展示会用オフィス家具の製作などをスタッフや現地の企業などと打ち合わせをしながら進めます。

展示会自体へも参加し、情報を集め、将来協業できそうな商社へのコンタクトを進めます。展示会は情報の宝庫ですので、出展している競合の観察や市場状況の把握、商社からの情報収集も重要な仕事です。

 

視覚で訴えよ-広告作成

新製品の市場への投入が必要な場合には、その製品に関する広告の準備も行います。

日本にも広告はあるのですが、言語が日英だけだったりするので、現地の言葉で自社製品をアピールできるような広告を準備します。 

 

人材基盤を作る-従業員の雇用教育

駐在員というのは一時的にその国で働いているわけですから、当然いつかは別の国に移動となります。

その為、自分がいなくなった後も自分と同じような仕事ができる、若しくは自分を超えて仕事ができる人材を育てることも重要な役割です。その為には良い人材を雇用し、教育し、仕事を任せるという一連の流れが非常に大切です。

 

長期人材の確保-採用活動

駐在先の国によりきりですが、私が赴任しているメキシコは転職市場が活発な国です。

その中で一番重視しているのが長く働いてくれそうで、今いる従業員が一緒に働きたいと思う人材の確保です。

日本企業ですので、採用をかければ優秀な人材が集まってくるのですが、その中でも一番重視しているのはモチベーション。せっかく働いてくれるのであれば、長く、最終的には現地法人の社長を目指して働いてほしいなと思いながら採用活動を行っています。

 

勇気を持って-権限の委譲

私が赴任してきた時には駐在員が仕事を抱え込んでおり、現地職員の育成・権限の委譲ができていない状況でした。その為、1年間定期的に社員への研修を行い、徐々に権限を委譲していくことを実践しました。

初め、従業員は①駐在員に訊く②実行するという仕事をしていましたが、口すっぱく指導し、現在では①自分で原因を考える②自分で対策を考える③駐在員に提案する④駐在員が決定するというプロセスで仕事ができるようになりました。

このような仕事の取り組み方は現地スタッフからすると慣れない方法かもしれませんが、自分がいなくなった後のことを考えて初めはうまくいかなかったとしても、できる限り現地スタッフが考えて行動できる基盤を作るということが必要です。

 

日本を見習い-スタッフへの研修

海外赴任して思ったことは「日本にいた時の自分は恵まれていた」ということ。特に研修制度に関しては、新入社員研修、現場研修、2年目研修、3年目研修など節目節目に研修が用意されており、そのほかにも部署内での勉強会などもあり、自分のレベルアップには最適な環境でした。

駐在先の会社ではそのような研修制度が無かったため、毎月の勉強会を企画し1年間実施しました。2年目からはこの1年間の研修で学んだことを元に、現地スタッフに指導員役を任せ、各々が自分の得意分野(技術なら製品、営業なら市場、実務なら貿易など)について研修を企画・実行するという方式を実施しています。

企業というのは人材が命ですから、人材育成はとても重要です。自分がいなくても回る組織作りはその会社を強くしますし、何より従業員が生き生きと自信をもって働くようになってくれるので、駐在員の仕事の中でも欠かすことのできない仕事だと思います。

 

※海外駐在中のスタッフ育成についてはこちら

sumikuni.hatenablog.com

 

物がなければ始まらない-製品購買輸入

私は勤務先はメーカーですが、赴任地には工場が無いため、製品は日本から輸入しています。その製品の購入計画の立案と輸入も駐在員が管理しています。

この業務に関してはかなりの部分を従業員へ任せているため、自分の行うことは製品の販売計画にあわせて購入計画を立てること。

日本にいた時には製品の準備(材料購入から製造まで)は別部門の仕事だったため、仕事として自分が購買まで管理する必要があるというのには赴任当時は驚きましたが、購入計画の作成は販売活動の礎となる業務ですので、こちらも駐在意の大切な仕事となります。

 

体ではなく頭を動かす-管理業務

日本にいた頃は自分の担当先の業務は資料作成から販売まですべて自分で行うのが普通でしたが、駐在員の役割は異なります。

駐在員はプレーヤーとしての役割よりもマネージャーとしての役割を期待されて派遣されます。したがって自分がすべて動いていては管理が行き届きません。日本にいた頃のような一担当として客先と深く関わるのではなく、全体の統括者として会社の全顧客の状況を把握し、その上で従業員に指示を行うというのが駐在員の仕事となります。したがって駐在員の仕事は体を動かすのではなく、頭を動かすことだと言えます。

一方で、初めに記した営業活動においては、まだまだ自分で動いているところもあります。私の計画ではこの2年くらいをかけて従業員が各々の担当先を回り、自分は必要な時に必要な客先をフォローするという体制を整えられたらいいなという気持ちで日々の仕事を行っています。その為に現在は従業員の採用や教育に力を注ぐ毎日です。

 

販売後のケアも重要-製品メンテ

営業員といえども人数が限られる駐在先では技術的な仕事も欠かすことができません。

製品メンテナンスは現地の技術スタッフの仕事ですが、その管理監督、必要であれば日本への問い合わせ・スタッフへの説明なども実施します。

 

資料作成の山-日本への報告業務

最期にご紹介するのが日本への報告業務です。

駐在先の社長となるとこの業務が大きなウェイトを占めることになりますが、一駐在員であればそれほどではありません。基本的には週ごとの業績報告業務、月ごとの業績報告業務、四半期ごとの業績報告業務があります。また、客先の状況についても毎月報告を行っており、客先訪問時には客先訪問資料の提出を毎回行います。

個人的な感想としては、携帯・PC世代の私は資料作成は得意中の得意ですので負担は感じませんが、場合によっては重荷になることもあるかもしれません。

 

終わりに

今回は海外駐在員になったらどんな仕事を行うのかを紹介しました。如何だったでしょうか。

日本と同じような仕事もあれば、日本では別の部署が行うような仕事まで様々な仕事を行うのが駐在員ですので、その負担は大きいですが、一方でやりがいも大きな仕事だなと感じています。

もし駐在の機会があり悩んでしまったときには、人生の中のほんの少しの期間だと割り切って思い切って駐在してみるのも一つの選択肢なのかもしれません。

 

※駐在員のやりがいはこちら

sumikuni.hatenablog.com

 

※駐在員の大変なところはこちら

sumikuni.hatenablog.com

 

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