すみくにぼちぼち日記

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海外駐在は現地スタッフを育成し仕事を任せること-権限委譲とブラックボックス開示が鍵

海外駐在員として仕事を行い結果を残すために欠かせないのが現地スタッフを育成し仕事を任せること。とても重要なこの現地スタッフの育成ですが、中々上手くいかないという企業も多いです。今回はそんな現地スタッフの育成と仕事を任せることについて社員教育、権限委譲とブラックボックスの開示の3点を中心にご紹介します。

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海外駐在は現地スタッフを育成し仕事を任せること

海外駐在を行っていると、必ず結果を求められるのですが、結果を出すために欠かすことができないのが現地スタッフの育成です。

これは自分でもすごく実感したことなのですが、海外の現地スタッフが育っていない現地法人は総じて成績に伸び悩んでいる印象があり、現地スタッフが育っているところは着実に成長しているなと感じます

私は現在メキシコに駐在しているのですが、駐在1年目に感じたことは「スタッフが自分では何もできない」と言うこと。

採用しているスタッフはみんな優秀な大学(日本で言う旧帝大・地方国立大・有名私立大)卒で、私よりも圧倒的に賢いのですが、それでも指示待ち、会社のことを何も知らない、改善を行わない、という、言われたことだけをやるスタッフでした。

理由は、これまでの駐在員が超絶優秀な人たちで、全てを駐在員が考えて実行していたからなのですが、その時の会社の成績は残念ながら毎年予算未達という結果でした。

駐在初期にこの状況に危機感を持った私は、基本的に自分で動かなくても回るシステムを作ろうと、スタッフの育成に力を要れ、「明るく、自主的に、自立して」を目指して取り組みを行いました。その後、2年目(2019年)に初年度行った取り組みが功を奏し、過去最大売上を記録しました。

先日、2019年の業績フィードバックがあったのですが、世界で唯一「A+」の評価を頂き、2019年は日本・海外の全社内で一番良い業績を収める事が出来ました。

同じ市場、同じ人材、同じ製品を販売している中で、このような成長を遂げることができたのは、現地スタッフの成長がものすごく大きかったと感じています。

sumikuni.hatenablog.com

現地スタッフ育成-実際に実行したこと

海外赴任してきた当初、私の会社の社員は全くと言っていいほど育っていませんでした。入社して何年にもなる営業担当が製品のことを全く知らず、お客さんのことも整理できていない、事務作業だけやっているような状態。

事務のスタッフは言われたことだけを忠実に実行するような状態で、創意工夫もなく無駄な作業も沢山するのに改善はしない。

サービスは暇そうに喋ってる…

兎に角状況を見て愕然としました。その割りに駐在員は夜8時9時まで残って仕事をしているという、悪循環でした。

毎月の研修とOJT教育

会社のレベルアップの為には社員のレベルアップが必須だと考えて、毎月製品や市場に関する研修を行うようにしました。

最初の1年は私が全て準備して研修していたのですが、2年目からは従業員をグループ分けしてテーマに沿った研修を行うようにしてもらいました。2年目後半からはテーマも従業員に決めてもらい、自発性を大切にした研修に変えていきました。

平行してOJT教育を行いました。その当時は私しか教えることができる社員がいなかったので、現地スタッフの中でも指導階層のスタッフを中心にOJTを実施。仕事のいろはから難しい製品関係・技術関係・市場関係のことまで細かく教えていきました。

上記のようなスタッフのレベル上げを行ったところ、2年目の最初にはスタッフがある程度の基礎知識をつけて、自分で考えられるようになっていきました。

現地スタッフへの権限委譲

スタッフへの教育活動と平行して権限の委譲を行いました。

元々私の会社では駐在員が「○○社に△△の件、100USDで見積もってください」のような指示を出して、現地スタッフがその通り実行する、と言うスタイルだったのですが、それをスタッフから「○○社に△△の件、100USDで見積もりたいのですが」と言えるように権限を委譲していきました。

例えば、価格に関しては価格表を整備して、スタッフが価格を決められるように変更したり、ユーザーリストを開示してユーザー状況が分かるように情報展開すると同時に、ユーザー情報収集・情報共有までをスタッフ自らが行えるようにOJT活動を行いました。

最近では在庫品購入を駐在員が決定していたのを、先ずは営業担当者が考え、続いて輸入担当者が情報を整理し購買を計画、その後私の確認を経て発注するスタイルへと変更しました。

ユーザー訪問も、これまでは駐在員の指示に基づいて決定されていたのを見直し、月初めにスタッフが自ら訪問計画を作成・提出してもらうように変更しました。

月初に実施している前月分の差異分析では、駐在員が差異分析していたのをスタッフと一緒に実施する方法に変更し、担当者として何故予算と結果に際が出たのかを分析してもらうようにしました。

はじめは「分かりません、調べます」という言葉が何十回も出ていたのですが、根気よく事前準備の大切を教えて、最近では「ここのユーザーは今稼動が落ちているのでマイナスですが、2ヶ月後からは新しいライン増設に伴う需要増加が見込めます」と、事前情報をもとに回答してくれるようになりました。

 ユーザーへの営業活動も、自分から指示することはせず、先ずはスタッフに考えてもらい、その考えについてアドバイスするように変えていきました。最初は「このお客さん、どう対応したらいいですか?」と訊かれていたのが、段々と「この客さん、こういう問題を抱えているのですが、○○を使用することでこの問題を解決できますし、現状の製品よりも最終的なトータルコストを下げることができると思いますので、その様に提案したいのですがいいですか?」と自分で考えることができるようになっていきました。

ブラックボックスの開示

教育、権限委譲と進めた改革ですが、更に実行したのがブラックボックスの開示です。ブラックボックスとは一部の人しかアクセスすることができない情報のことをいいます。

このブラックボックスを従業員に開示することが、とても大切です。社員を育てて、権限を委譲しても、会社の情報にアクセスできなければ学んだことを使いこなすことができません。

ユーザー情報や財務情報など、必要な情報を開示することで、社員に当時者意識を持ってもらうことができますし、情報を使用して更なる工夫を促すことも可能となります。

本当に重要な機密情報を開示する必要はありませんが、仕事上で必要になる情報はなるべく開示するというのが重要です。

現地スタッフの成長で自分が出来る仕事が無限に広がる

自分ひとりでできる仕事と言うのは、量が決まっており、どんなに自分がすごい社員であっても、結果には限界があります。

社員の育成は始めは自分でやったほうが早いし、間違えるしで大変なのですが、それぞれのレベルが上がってくると、自分ひとりでは到底やりきることができない仕事範囲までできるようになります

スタッフを信じて仕事を任せることが会社全体の成長に繋がりますので、勇気を持って「仕事を任せる」を実行してみてください。 

そしてまた、現地法人は現地スタッフの物だということも忘れてはいけないかなと思います。駐在員はいずれ別の任地に赴任することになったり、帰任することになります。ですから現地法人にずっといるのは現地社員なのです。現地社員が会社を長く運営していけるような仕組みを作っていくことが駐在員の最も重要な仕事ではないかなと思います。

終わりに

 今回は海外駐在におけるスタッフの育成と仕事を任せること、権限委譲、ブラックボックスの開示についてご紹介しました。

海外駐在で会社を育てるためには、先ずは従業員のレベルアップが不可欠ですので、できる限り駐在員は承認業務に専念して、現地スタッフが会社を運営していける体制を構築すると良いのかなと思います。

 

※海外駐在についてはこちら 

sumikuni.hatenablog.com

 

 

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