発音が上手な人の英語を聞いて、英語上手いなーたら思ったことはありませんか?私も英語の発音が綺麗な人と出会うといつも上手いなーと感心しています。
一方で、実際にコミュニケーションをとる上で英語の発音は実は重要ではないのです。重要なのは伝えたい熱意と情熱。情熱をこめてアピールすれば英語の発音は意外と障害にはなりません。
今回はそんな、「発音苦手でもまったく問題ない」をテーマに英語について考えてみたいと思います。
- 英語の発音は重要ではない!? -日本語英語でも情熱で人生は乗り切れる
- 日本が模範とする習得すべき英語の発音とは
- 模範的な英語の発音をするネイティブは極わずか
- 英語学習者と話す機会が圧倒的に多い
- 標準的な英語の発音とは何か
- 重要なのは伝えたいという熱意と情熱
- 終わりに
英語の発音は重要ではない!? -日本語英語でも情熱で人生は乗り切れる
英語を学ぶ時、多くの英語教授者は発音についてこだわりを持って教えます。私も教育実習のときに指導教官から発音指導について様々なアドバイスを頂きました。そんな中、ある授業で、単語を間違って発音してしまった時、クラスの全員から奇異の目で見られ、日本の発音教育が徹底されていることに驚きました。
学習者も同様で、例えば子どもを英会話教室に通わせる場合などには英語母語話者(所謂ネイティブ)が講師を務めるところを選びがちです。
英会話教室のCMを見ても小さな子どもや俳優がまるで英語母語話者のように“流暢な”英語を話して英会話教室の良さを訴えかけるCMが多く流されています。ですが、日本人にとって、発音から矯正していくのはとても大変な作業。発音を気にしすぎるあまり緊張して外国人とコミュニケーションを取れなくなってしまうことが多くあります。
日本が模範とする習得すべき英語の発音とは
そもそも英語の発音と言うのはそこまで重要なファクターなのでしょうか。日本人が良しとする英語発音は大きく分けて
①アメリカンイングリッシュ
②ブリティッシュイングリッシュ
③カナディアンイングリッシュ
の3つです。
特にテレビで英語が上手いといわれる方々は①のアメリカンイングリッシュを話すことが多いです。学校の授業や英会話の授業でも所謂ネイティブスピーカーが重宝され、彼らの発音に近づけることが求められます。
模範的な英語の発音をするネイティブは極わずか
一方、この模範的発音で話している英語話者はアメリカ3億人(うち非英語話者も多数)、イギリス6,500万人、カナダ3,700万人の計4億人です。
それぞれの国にはそれぞれの国の中で方言があり、本当に「綺麗な」英語を話すのはほんの限られた人数です。さらに不思議なことに、英語母語話者のはずのオーストラリア英語はオージーイングリッシュという訛りとして扱われ、公用語として英語が使われるインド英語に関しては見向きもされません。
ちなみにインドは世界で二番目に英語話者が多い国で1億2千万人にも上る英語話者がいます。つまり、数の論理で言えばカナディアンイングリッシュやブリティッシュイングリッシュではなく、インディアンイングリッシュの方が模範とされるべき言語といえます。
日本人が模範としているネイティブイングリッシュというのは、英語公用語国でも本当に稀少な英語で、例え英語が公用語の国であっても「綺麗な」英語を話している国は少なく、「模範的な」英語を話すアメリカにも南部訛りやスペイン語訛り、イギリスにもアイルランド訛りやスコットランド訛りなど「模範的でない英語」が存在しているのです。
英語学習者と話す機会が圧倒的に多い
英語を使用して話す相手の中で多いのは圧倒的に英語学習者です。世界の人口は約70億人。内、英語母語話者はアメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなど合計で大体4億人くらいです。
現在英語を第一言語、若しくは第二言語として使用している人口は30億人程度といわれていますから、実際に英語を話すシチュエーションでネイティブと話す確率は13%。
つまり、非英語母語話者とコミュニケーションする確率は87%に上ります。そのうち少なくない人々が私たち日本人のように英語母語話者が話す「綺麗で流暢な英語」を理解するのに一定の労力を割いているといえます。
標準的な英語の発音とは何か
ここまで英語の発音について考えてきましたが、では、模範的な英語の発音とはどのようなものなのでしょうか。
調べてみると、一般的に教科書で習う英語と近いとされるのがアメリカ中西部の英語。ですが、日本の「標準語」のような決め方はされていません。したがって、アメリカにさえ、私たち日本人が思う「綺麗な英語」なんて存在しないのです。
各々が自分の好きな発音で話すのが英語。イギリスも、オーストラリアも、ニュージーランドも、インドも、フィリピンも、実は誰も訛ってなんかいません。
当然、英語は世界言語ですから、日本語英語も中国英語もサウジアラビア英語も、モザンビーク英語も、ウルグアイ英語も、ロシア英語もすべて英語は英語なのです。
重要なのは伝えたいという熱意と情熱
コミュニケーションというのは、お互いが分かり合おうとするから成立します。逆に分かり合おうとしなければ「言葉」という情報は意味を成さず、ただの「音」になってしまいます。
つまり、コミュニケーションに必要なのは、流暢な英語ではなく、相手を分かろうとする熱意とこちらのことを分かってもらいたいという情熱なのです。
海外で働いていると色々なところで様々なコミュニケーションを目にします。時にはお互いに通じ合う言語がない場合もあります。そんな時、ジェスチャーや絵を書くなどでもコミュニケーションは成立します。
お互いにある程度言葉ができるのであれば、後はどれだけ自分の言いたいことに熱を込めるかが重要です。その熱量が相手に伝わり、その相手は自分の話を聞こうとしてくれますし、逆に相手も一生懸命こちらがわかるように話してくれます。
コミュニケーションをとるときには、発音や文法は二の次に、まずは熱を込めて言葉を紡ごうとすることが最も大切なことなのです。
※英語を話せるようになるための練習方法はこちら
終わりに
今回は「英語の発音は重要ではない、大切なのはパッションだ」をテーマに英語について考えてみました。
英語の発音が下手だから、うまく話せないからという理由で英語が嫌いになってしまう日本人はとても多いのですが、綺麗な発音というものは、実はこの世には存在しないのです。
ですから、ただ純粋に、「誰かと話したい」という気持ちを大切に、海外の方々とのコミュニケーションを楽しんでみてください。
※英語の語彙についての記事はこちら