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ベルギー王立美術館作品紹介!絵に見る神話が見どころ-ベルギー王立美術館 ベルギー ブリュッセル

ベルギーの首都ブリュッセルにあるベルギー王立美術館。フランドル地方の画家たちの作品が多く展示されています。

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ベルギー王立美術館

 

ベルギー王立美術館とは

ベルギー王立美術館は1803年に正式にオープンして以来、200年以上の歴史を誇る美術館です。ベルギーの首都ブリュッセルにあり、中心街から徒歩で行くことができます。

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ベルギー王立美術館

ベルギー王立美術館へは日本人も訪れるからか、日本語表記もありました。

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ベルギー王立美術館の雰囲気

ベルギー王立技術間は広々とした美術館で、ゆったりと美術品を楽しむことができます。また、美術品は空間を広々と使って展示されており、個人的にとても印象に残った美術館でした。

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ベルギー王立美術館内観

ちなみに、入り口を入って初めに目に付くのがこの地球儀のようなもの。

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地球

何かと思って近づくとすべて虫でした。。。。あまりにおぞましい?ので、アップの写真は一番下に張っておこうと思います。(閲覧注意です)

 

ベルギー王立美術館作品紹介

ベルギー王立美術館には数多くの素晴らしい作品があり、見ごたえたっぷりの美術館です。今回はその中でも特に印象に残った作品をご紹介します。

イカロスの墜落のある風景

展示品でまず紹介したいのがこちらのイカロスの墜落のある風景」。

この作品は長年ピーテル・ブリューゲルの作品だといわれていましたが、今ではその弟子が書いた説が有力だそうです。

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イカロスの墜落のある風景

この絵、一見のどかな日常を切り取った風景画に見えるのですが、右端の船の下に誰かの脚があります。そう、イカロスです。イカロスは、ドラえもんの映画「翼の勇者たち」にも登場したお兄さんです。

イカロスのお父さんダイダロスは大変著名な発明家でした。しかし、あるときクレタ島のミノス王の不興を買い、親子ともども塔に幽閉されます。そこで発明家ダイダロスが蝋などを使って大きな羽を開発。それを肩につけ息子イカロスと逃げ出しました。ただそこでイカロスは自由に空をとべることに満足し、高く高く舞い上がります。そしてその瞬間、太陽に近づきすぎた彼の羽の蝋が溶け、海に墜落してしまったのです。

ちなみに、印象派が台頭する19世紀まで風景画の地位はかなり低く、評価され辛いジャンルでした。一番高い地位にあったのが神話や宗教が題材の歴史画、次が肖像画で、風景画はその下だったため、風景画に神話の一部分を入れ込んだ「〇〇のある風景」などが多く書かれたそうです。そんな中、オランダは早くに共和制へ移行したため、画家の商売相手が貴族から一般市民に変わり、求められる絵が歴史画から風景画や風俗画となっていきました。オランダを代表するフェルメールブリューゲルが市民の絵を多く残しています。

 

アポロンとダフネ

続いて紹介するのがアポロンとダフネ」。

この絵もギリシャ神話が主題となっている絵です。まず、この絵の左にいる、服を翻している人がアポロン。彼の標準装備(アトリビュート)は月桂冠(オリンピックで頭にかぶる冠)、竪琴、矢と矢筒。それらを持っていればアポロンだと分かります。この絵も小さいですが矢筒を背負っています。ただ、待ってください。月桂冠を持っていません。何故でしょう。。。

実はこの絵、何故アポロンが標準装備として月桂冠を持っているか、その歴史を紐解く鍵になっているのです。アポロンが差し伸べた手の先には嫌がる女性が両手を挙げています。この女性がこの絵のヒロイン、ダフネ。

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アポロンとダフネ

 

物語はこう。昔、アポロンが道端を歩いていたら、ビーナスの子キューピットとすれ違いました。キューピットは人を恋に落とすことができる矢を持っているのですが、アポロンは言いました。「お前の矢、かっこ悪いな」怒るキューピット。キューピットは金の矢を放つ。するとたちまちアポロンはその辺りで一番美しく純粋な女性ダフネに恋をしました。

一方キューピットにぬかりはありません。ダフネには鉛の矢を放ちます。射抜かれたダフネは反対にアポロンが大嫌いになってしまいました。追うアポロン、逃げるダフネ。ダフネは願います。「どんな姿になってもいい、アポロンから逃げさせて。。。」するとどうでしょう。ダフネはたちまち月桂樹に姿を変えてしまったのです。

この絵はまさにこのダフネが月桂樹に姿を変える瞬間を描いた絵なのです。目を凝らしてみるとダフネの手が木に変わっているのがわかります。つまり、この絵のアポロン月桂冠を持っていない理由がそこにあります。

アポロン月桂冠は、アポロンがダフネを想い、ダフネが変身した月桂樹の枝を折って作った冠です。一方、この絵のシーンはダフネが月桂樹に姿を変える正にその時の情景。つまり、この絵のアポロンは時間軸を考えると、月桂冠を持ち始める前のアポロンだったというわけです。

 

ホロフェルネスの首を持つユーディット

最後に紹介するのはこちらの「ホロフェルネスの首を持つユーディット」。

この絵はギリシャ神話ではなく、旧約聖書のシーンを描いた作品。ユーディットの標準装備(アトリビュート)は男の首と剣(たまに侍女)。

似たような作品に「サロメ」がありますが、こちらは新約聖書を題材とした作品で、女性、男の首、おぼんの3点があればほぼ確実にサロメ、女性が男の人の首を剣で切っていたり、剣と首と持っていたりするとユーディットです。

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ホロフェルネスの首を持つユーディット

ユーディットは旧約聖書で大人気の主題。

時は紀元前。アッシリアネブカドネザル王が自分に非協力な民族制圧のためにホロフェルネス将軍を派遣。ホロフェルネスに水攻めをされた町の指導者が降伏を決意します。しかしユーディットはあきらめず作戦を立てます。

そしてある晩、その作戦を実行に。まずユーディットがエルサレムへの道案内をホロフェルネスに申し出ます。ホロフェルネスは絶世の美女の道案内を快く受け入れ、4日目、陣中で耐え忍んでいたユーディットのもとへホロフェルネスから宴への誘いがあり、ユーディットは宴に参加。やがてホロフェルネスは泥酔し、ユーディットは彼と二人に。彼女は短剣をとりだし、ホロフェルネスの首を切り落とすのです。

これで勢いづいたユダヤ人は巻き返し、ついにアッシリアに勝利することができました。この一連の物語がこの作品の主題です。

今回掲載したこの絵は、ユーディットがホロフェルネスの首を切ったあとを描いている作品です。聖書の主題はキリストや聖母マリアが多いのですが、この主題はどの画家の絵を見ても画家の気迫が伝わってくるような力強さを感じる主題だなと思います。

 

おわりに

今回はブリュッセルのベルギー王立美術館の紹介を行いました。主に好きな主題の作品の紹介となりましたが、ベルギー王立美術館にはまだまだ有名な画家や主題の作品が沢山ありますので、是非、足を運んでみてください。

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ブリュッセル旅行記はこちら

sumikuni.hatenablog.com

 

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※下の写真は一番上の緑の地球儀のアップ画像です。閲覧注意です。

虫が大嫌いな私ですが、こんな芸術もあるんだなという気持ちでこの作品を鑑賞しました。虫がすごく沢山写っていますので、嫌いな方は目を瞑ってください。

 

 

 

 

 

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地球のアップ