すみくにぼちぼち日記

海外生活での発見や日常を書いていきます。

名古屋出身者による「最も魅力がない町名古屋」の肯定

先日ネットをサーフィンしていたら名古屋が2年連続で「最も訪れたくない町」に選ばれてしまったというニュースに出くわした。名古屋出身の私としては大変遺憾であると言いたいところだが、逆に大いに納得している。

「最も訪れたくない」街、また名古屋 “魅力ない”をどう抜け出す? - ITmedia ビジネスオンライン

実際、友人が県外から名古屋に来ると言い出したら真っ先に止めるだろう。「いやいや名古屋なんか来るところじゃないって。名古屋くるなら岐阜の飛騨高山(君の名はでお馴染み)、白川郷とか、三重の伊勢、長島とか、静岡の掛川とか、滋賀の琵琶湖とか彦根とか一緒に行こうよ」と100%助言する。100歩譲って愛知県内で探すとしたら国宝犬山城のある犬山市、抹茶の生産量日本一の西尾市、あとは佐久島篠島日間賀島知多半島などを候補とするだろう。

以前こんなことがあった。昔京都で知り合ったスペイン人が日本に旅行に来るというのだ。「1週間観光したいからどのコースで回るのが良いのか」と訊かれたため、日程を組んであげた。

①成田着、まずは東京観光2日間。

②3日目、新幹線で京都へ移動。京都を2日間で堪能。

③5日目大阪観光。

④5日目午後東京に戻りながら途中白川郷

⑤7日目横浜観光してその後成田空港からスペインへ帰る

という計画だ。我ながら本州の見所をぼちぼち詰め込めたプランを立てれたと感心した。もう少し時間があれば広島だとか、神戸だとか、横浜だとか、四国の香川だとか、九州の福岡だとか鹿児島だとか、北海道だとか、日光だとかを推薦したかった。だがしかし、当然のことながら名古屋を入れるはずがない。なぜなら、「名古屋来て何するの?」と名古屋市民である私が思っているからだ。にも関わらず、その友人は私が住んでいる場所を知りたいと京都から東京へ帰る途中名古屋によってくれた。その言葉を聞き、涙が出てくるくらいうれしかった。「ありがとう!名古屋に来てくれて本当にありがとう!」と切に思ったし、来てくれるなら少しでも楽しく過ごしてもらいたい!と思いつく限り最大限の名古屋体験を計画した。

我々名古屋市民にとって、他府県の方や外国の方が名古屋に遊びに来てくれるというのは一大事なのである。名古屋市民は思っている「名古屋は何もないし、来てもらっても案内できるところがない」そうあきらめている。というより自分に言い聞かせ、心の底では名古屋に来てほしいと思ってても、それをひた隠しにし、他の都府県を推薦する。だからこそ、名古屋に来てくれる心優しき方々には最大限のおもてなしで迎えたいと思っている。

だが現実は厳しい。私の外国人の友達はそのほかに5名各国から来てくれたが、そのたびに私は東京や京都へ馳せ参じ、外国人の友人たちと現地集合し、一緒に観光を楽しんでいるのである。

ただ、ちょっと待ってほしい!お客さんが来るたびに東京でも京都でも馳せ参じれる立地のよさ、それは名古屋の利点ではないだろうか。名古屋からは様々な県に観光でいきやすい。交通の便が本当に最高なのだ。それだけではない。衣食住、つまり、住むには最高の環境が整っている。名古屋駅、栄に行けば何でも買い物することができる。2箇所集中だ。食べ物は名古屋飯が美味しい(と私は思っている)。人は少ないしのんびりしている。電車は混まない。地下鉄の乗換えが簡単。道路は広い。車もすいてる。Uberも参入する。本当に住みやすい。

子育てに関してもありがたい環境である。何せ名古屋は国公立至上主義なのである。つまり、小中高と公立に通わせればオールオッケーでお金はかからないし、大学も総合大学の名古屋大学岐阜大学三重大学、理系の名古屋工業大学、教育関係の愛知教育大学、外国語・史学・国文学と看護・福祉・教育関係の愛知県立大学、経済・国際と医看薬、芸術工学名古屋市立大学、音楽・美術で最高峰の愛知県立芸術大学と、ほぼすべての学部が名古屋市から通学できる国公立大学に揃っている。

就職に関してもとりあえず名古屋近辺には就職口が大卒でも高卒でもたくさんある。有名企業ではトヨタ自動車とそのサプライヤーであるデンソー・アイシン系列。産業機械メーカー世界トップであるDMG森精機オークマヤマザキマザック。食品メーカー敷島パン、他にもブラザー、ノリタケ、三菱、サンゲツ、バッファロー等々数え切れない。

茶店もたくさんある。特にモーニングは一度行くとやめられない。朝のひと時をリッチに過ごすことができる。

有名店でもオープン当初でなければ基本並ばずにに入れる。観光客の少なさ故である。

美術展も来る。こない美術展は日帰りで東京や京都や神戸に見に行けば良い。このどこかには来ているはずだ。

兎に角、名古屋は住みやすいのだ。そして、私は思う。そもそも工業と居住に適している町が観光で成功するのだろうかと。世界を見てほしい。フランスに行くならパリだろう。真っ先にダンケルクやリヨン、トゥールーズに行きたいと思うだろうか。スペインならバルセロナに行きたいと思う。ビルバオに行きたい人はいるだろうか。ドイツならフランクフルトやライプツィヒに行きたいのか、いや、きっとケルンやベルリンに行きたいはずだ。イギリスは?みんなロンドンやオクスフォードに行きたいんじゃないのか。バーミンガムミドルスブラに行きたいのか。アメリカでも同じだ。ニューヨークやラスベガスが花形で、デトロイトやビッツバーグ、ヒューストンに行きたい人は少ないかもしれない。メキシコのモンテレイに行きたい人はいるのか。みんなピラミッドやカンクン、グアナファトに行きたいだろう。南米観光するのにチリのコンセプシオンを選ぶ人がいるのか。イースター島やウユニ塩湖やマチュピチュイグアスの滝に行くだろう。

名古屋、それは工業都市であり、居住に適した町だ。世界のそれらと同じく、名古屋は観光資源に乏しい。だが、名古屋に住んでいる限り、名古屋市内が観光地でない分、他の観光都市へ行けばよい。そっちのほうが非現実感を味わえるし、電車で沢山の、日本中の観光地へアクセスできる。普段は観光の「か」の字もないこの地方都市で慎ましく暮らそう。そして週末には近くにある京都や大阪、神戸、横浜、東京、岐阜、三重、滋賀、奈良、長野、福井、石川などに日帰りや一泊で行けば良い。3日以上の休みが取れれば九州にも、東北にも新幹線でいけるし、中部国際空港から沖縄や北海道まで足を伸ばしても良い。ディズニーにも、USJにも、スペイン村にも、富士急にも、長島にも気軽に行くことができる。

名古屋に住み、名古屋から他の魅力あふれる都市に訪れ、楽しめばよい。名古屋は名古屋らしく、高望みせず、魅力がない町のまま、魅力がある町に囲まれて、過ごせば良いのだ。そして、万が一、億が一、兆が一、名古屋に来たいといってくださる方がいるのであれば、最高の心づくしで皆様をお迎えしよう。