技術営業は営業でありながら技術的な知識を背景に営業活動を行う職種です。
特にIT業界など、深い知識が必要な業界では、営業員が技術出身だということも少なくありません。実はBtoB営業と呼ばれる営業スタイルにおいても、この技術力を持った営業員が営業するということは欠かせないことなのです。
今回はそんな技術営業について、BtoB営業を例にご紹介します。
- 技術営業の仕事内容とは-文系でも営業は技術的知識を武器しよう
- 営業スタイルは大きく分けて2つ
- BtoB営業なら技術的知識を用いた営業スタイルが必要
- 文系営業でも技術的知識は必須
- 営業先では技術的アドバイスも求められる
- セールストークは技術的知識があって役に立つ
- 終わりに
技術営業の仕事内容とは-文系でも営業は技術的知識を武器しよう
営業、特にメーカー営業は製品と共に技術を紹介する仕事でもあります。
実際に営業として外に出たときに、お客さんが期待する営業員の仕事の一つが、技術的なサポートです。この技術的なサポートが上手くできるかどうかで、お客さんからの営業に対する信頼が大きく変わってきます。
この記事では、営業職でも身に着けたい、技術営業の仕事についてご紹介します。
営業スタイルは大きく分けて2つ
営業の仕事は物を売ることなのですが、その仕事を遂行するためのスタイルは大きく2つあります。
①人間力で営業する
一つ目は人間力で売る営業。軽快なトークや人当たりの良さなど、なぜかその人から買いたくなってしまう、そんな人間的魅力を前面に押し出して営業するスタイルです。この営業スタイルで活躍するためには、かなりの天賦の才が必要。人好きされる性格が持ち味の営業員が用います。
特にコモディティの販売や製品品質に大きな違いがない場合などに物を言う営業スタイルです。例えば、物流の営業などは、物の移動を販売する仕事ですので、他社との差別化が難しい商品の営業です。このような営業の場合、営業担当者の人柄や信頼が置ける営業員かどうかが契約までの大きなポイントとなります。
②技術的知識を背景とした営業
もう一つは技術や知識で論理的に営業トークを行うスタイル。先方の技術者などと商談を行う際は数字を用いて論理的に説明することで説得力を高め、商談を纏めやすくなります。特に工場で使用される消費財や材料の営業など、特別な知識が必要とされる製品を販売する際に身に付けたい営業スタイルです。
BtoB営業なら技術的知識を用いた営業スタイルが必要
相手が技術者であることが多いBtoBの営業の場合、②の技術的知識を用いた営業が不可欠となります。特に自分が販売する製品の知識だけでなく、その製品を取り扱うための知識が重要です。その為にはユーザーの持っている設備やユーザーが製造している製品についても知識を持っている必要があるのです。
例えば塗料の販売であれば、色付けする材料の特質を把握し、塗料がその材料に悪影響を及ぼすことが無いかなどを検討しなければなりません。
材料の販売であれば加工された後に出来上がる製品にはどのような特性が無ければならないを知っておく必要があります。また、その材料を加工する機械や工具についての知識も必要です。
加工で使用される工具の販売では、工具が取り付く機械や使用するときのパラメーター、加工される材料の特性を熟知しておく必要があります。
加工後の輸送を担う輸送機(コンベアなど)を売るのであれば、コンベアで運ばれる製品の特性を理解し、コンベアの強度や送るときの速度などを提案できなければなりません。
機械の販売では、機械のことだけではなく、機械で加工できる最高速度や加工される材料に適した加工速度、粗加工、仕上げ加工で用いる工具についての知識なども必要です。
文系営業でも技術的知識は必須
営業職を希望している場合、このようなBtoBの企業での営業では、文系卒であっても技術的な知識が必須です。
ただし、大学卒業時点では技術的な知識を身につけるのは難しいため、会社に入社した後は常に新しい技術的な知識を手に入れることを意識しながら会社生活を送ることが重要です。
※技術的な基礎知識の例はこちら
営業先では技術的アドバイスも求められる
営業はお客様からしたら会社の窓口ですから、当然のようにアドバイスを求められることになります。
例えば、水道管が壊れたとして、家に来た担当者が何も分からず、本社に確認の電話を何度もしていたとしたら、「信頼できない」と思いますよね。そうではなくて、「この部分のこの部品がこう悪いので、このような処置をしますね、ですがこの部分は確認が必要ですので直ぐに確認いたします」と言われたら、とても安心すると思います。
営業は同じように、先方の困りごとについてその場でアドバイスできる技術的知識を持っていることがとても重要で、それを持っているか否かでお客様から信頼されるか信頼されないかが異なりますし、最終的には売上も大きく変わっていくのです。
セールストークは技術的知識があって役に立つ
営業担当者は話術が重要だと聞いたことがあると思います。確かにセールストークは重要で、その良し悪しで結果が変わることもあります。ですが、そのセールストークは常に確かな知識に裏打ちされていなければなりません。
BtoB営業の場合、話術は自分の技術的知識を正しく伝えるために発揮するものであり、物を売り込むために使うものではないのです。
自分の販売する製品がどれくらいの性能で、他社に比べてどのくらい優位性が合って、どういうところに気をつけなければいけなくて、上手く使うためにはどうすれば良いか。そのような総合的な知識があって初めて「話す技術」役に立つのです。
終わりに
今回は特にBtoB営業というスタイルで働く時に目指したい、技術営業という働き方について、どのような仕事を行うのか、そしてその為にどのような知識が必要なのかをご紹介しました。
営業という仕事はいろいろな分野にありますが、まずは自分の製品のこと、そしてその製品が使用されるユーザーや環境のことを深く知り、その知識に基づいた営業活動を行うことがとても重要なのです。
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