営業職の大切な仕事の一つに、営業で訪問したお客さんとの商談内容を記録する訪問報告書の作成があります。
入社して間もない頃は、客先訪問後、上司からは何度も「報告書書いた?」と確認されるのですが、その理由は訪問報告書がとっても重要な書類だから。
今回はそんな訪問報告書の書き方と効率よく書く方法をご紹介します。
- 営業訪問報告書を書く理由と重要性
- 営業訪問報告書の書き方
- 商談中に報告書を頭の中で完成させる
- 終わりの報告会でお客さんに方針を提案
- 当日提案できるよう事前準備を念入りに
- 報告書提出はその日のうちに
- 終わりに
営業訪問報告書を書く理由と重要性
会社に入って営業活動を行うと、日報や週報など様々な報告書を書く機会があります。日報や週報などは日々の仕事の進捗を報告したり、確認するために作成します。いわば活動日誌のようなものです。
営業訪問報告書も日報や週報のように活動を報告するのですが、一番の違いは「一つのお客さんについて詳しく書く」ということ。
お客さんの現状から要望、課題、お客さんのニーズを踏まえた腕での自分の意見や参入計画などを的確に表現します。つまり、上司に客先への自分の提案を確認してもらうために営業訪問報告書を書くといえます。
営業訪問報告書の書き方
そんな営業訪問報告書ですが、会社で決まった書式が無ければ、書き方は自由です。
私は次のような報告書を作成しますし、部下にも作成してもらっています。
①訪問の目的-(1行)
②訪問の結果とアクション-(各項目1行)
③詳細-(自由に)
基本的に、上層部は③の詳細は見ません。③を必要としているのは、直属の上司と自分が将来見返すため、です。
ですから一番重要なことは何故訪問して(①)、結果どうなって、今後どうするのか(②)です。
そのため、報告書は①、②をできるだけ完結に、且つ内容が詰まった文章で始めることが重要です。
その後、③の詳細を書くのですが、詳細に自分が将来見返したときに必要だと思う内容を整理して記入すると良いでしょう。
①訪問の目的
○○社が△△の購入を検討しているという情報を入手したため製品紹介の為訪問
②訪問の結果とアクション
現状××社製の製品を使用しており、寿命は3ヶ月。
イニシャル重視と言うこともあり、寿命面でも対抗可能な製品Aを提案する。
③詳細
今回訪問した○○社は自動車部品を製造するメーカーで、ブレーキを製造する際に使用する△△の購入を検討しているとのこと。現状は下記の通り
・ラインで使用される機械:
・使用される条件:
・現状サプライヤー:
・製品寿命:
・客先要望:
・当社の提案:
商談中に報告書を頭の中で完成させる
営業でお客さんを訪問したときには、話を進めながら頭の中で報告書を完成させるイメージで会話を進めていきます。
このイメージで会話を進めることで、必要な情報を全て聞き取ることができるようになり、且つ、訪問まとめの時間にお客さんに提案までができるようになるからです。
さらに、頭の中で訪問報告書を完成させていくことで、オフィスや移動中に訪問報告書を短時間で書くことができるようになります。
特に②の結果とアクションに何を書こうかなと考えながら商談すると、自分のアクションを取るために必要な情報を漏らすことなく聞き取ることができるのでお勧めです。
※仕事を早く終わらせるコツはこちら
終わりの報告会でお客さんに方針を提案
先ほど少し触れましたが、訪問終わりにはお客さんに今後の方針を必ず提案するようにします。そして、できれば次回に繋がる約束をとりつけます。
例えば、テストを提案する、初回納品に立ち会うなど、お客さんに「次」を意識してもらえるような終わり方にしましょう。
会話は基本的に「訪問の目的、詳細、まとめ」と進めます。話す内容は既に頭の中で作ってある報告書をもとに話していくと迷わず話すことができます。
本日はお忙しい中お時間を作ってくださり誠にありがとうございました。
ブレーキを製造する際に使用する△△の購入を検討されているとのことでしたが、現場を確認いたしましたところ、
・ラインで使用される機械:
・使用される条件:
・現状サプライヤー:
・製品寿命:
と言う現状であることが分かりました。
御社のご要望として、
・客先要望:
だということですので、弊社からは製品Aをお見積りさせて頂きたいと思います。
こちらは耐久性に優れたモデルの中で特にイニシャルコスト重視のお客様に向けて開発した製品です。
特徴は…
納期は…
ですので、帰社後すぐに見積りさせて頂きます。
もし宜しければテスト品も用意させて頂きますので、来月の5日の週で立会いテストなどをさせて頂くことは可能でしょうか?
当日提案できるよう事前準備を念入りに
ちなみに、入社して間もない頃は当日提案することはまずできません。ですが、何かしらの提案が必要です。ですから、訪問前に事前に準備を行います。
訪問前の準備については下の記事を参照していただきたいのですが、重要なことは、
①訪問前に課題を確認すること
②課題に沿った提案を上司と相談しておくこと
③提案する製品の価格や納期情報を事前に確認しておくこと
の3つ。
この3つさえ事前に準備しておけば、客先訪問時に何の心配も無く提案が可能です。
また、もし事前準備した提案が適用できない場合にも、
「事前に伺っていた状況からAという製品を検討していましたが、この製品の■■の部分が御社の状況に適合しないと思われますので、一度社内に持ち帰って確認します。○○日までにご提案できるように準備いたします」
とお話しすることで、案件を具体的に一歩進めることができます。
ちなみに、慣れてくると出発前に代替案を3つくらい準備しておき、状況ごとに提案を変えたり、それでも適用できない場合は、その場で代替案の代替案を考えたりできるようになります。
ただ、慣れてきたとしても、代替案を何個も提案できるくらい事前準備することが大切。「準備の段階で契約を結べるか結べないかが90%決まっている」という気持ちで準備することが重要です。
※営業職で重要な事前準備についてはこちら
報告書提出はその日のうちに
営業訪問報告書の提出はその日のうちに書き終えて提出するのがベスト。帰りが遅くなる場合は翌日の午前中を目指します。
とは言え、訪問中に頭の中で報告書を作成し終わっているので、座って行うことは頭の中の報告書を、ノートのメモを見ながら報告書として転写していくだけ。
時間として30分もあれば報告書を完成させることができると思います。
出張などは書くことも多くなるため、もう少し時間がかかると思いますが、移動時間に少しずつ報告書作成を終わらせ、会社に出社する前に上司に報告書を提出できるとベストです。
終わりに
今回は、営業訪問報告書についてその重要性と「営業中に頭の中で完成させる」という方法をご紹介しました。
営業訪問報告書などの提出物は早ければ早いほど評価されます。逆に提出が遅くなるとどんなに良い内容の報告書を書いたとしても低評価となってしまうので、できるだけ早く提出するように心がけてみてください。
また、目的と訪問結果・アクションが一目で分かる報告書を書くことがとても大切ですので、その点も意識しながら報告書の作成を行ってみてください。
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