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モーター回転数を周波数(Hz-ヘルツ)と極数(P-ポール)から計算する方法-プーリー変換やインバーター変換についても解説

機械に関わる作業をするときに、回転数を計算しなければならないことがあります。機械表示で回転数が分かれば一番いいのですが、機械によっては回転数の表示が無かったり、周波数のみが分かる状態だったりすることがあり、回転数を自分で求めなければならない場合も有ります。

今回はモーターの回転数を周波数とポール数から計算する方法をご紹介します。

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モーター回転数を周波数(HZ-ヘルツ)と極数(P-ポール)から計算する方法

技術系の仕事をする場合や、技術営業として営業に行く際などに知っていると便利なのが回転数の計算方法です。

特に工作機械や工具と関わる場合、回転数を知ることは必須なのですが、回転数が機械に表示されていない場合もあり、他の情報から回転数を計算して求めなければならないこともあります。

この記事で周波数と極数から回転数を求める方法、また、回転数の変換をプーリーやインバーターを用いて行う場合の仕組みについて解説します。

 

モーター回転数の求め方(公式)

モーターの回転数の求め方は以下の通りです。

回転数=周波数x60/(極数/2)

N(RPM)=fx60/(P/2) 

N(RPM):回転数/分、f:周波数(Hz)、P:極数(ポール数)

※式を変換してN(RPM)=120xf/Pとしても良い

例えば、周波数が60Hzで、極数が4ポールであれば、回転数は、

N=60x60/(4/2)=1800RPM となります。

周波数が50HZで極数が6ポールなら、回転数は

N=50x60/(6/2)=1000RPM です。

 

回転数(RPM)とは

回転数の求め方が分かったのですが、回転数はRPMという単位で表されることが多いです。RPMはRevolution per minuteの略で、1分間の回転数を指します

つまり、1800RPMの場合、モーターが1分間に1800回転する、ということです。

回転数の使い方

回転数の使い方として、例えば車のタイヤの回転数から時速を考えたりするときなどに使用します。

N=800RPMで、タイヤの直径が0.6mの場合、

0.6x3.14x800=1500m/min=90km/h進むことなり時速90kmと計算することができます。

他にも、工作機械でどのくらいの速度、切り込み量で材料を加工するか、などを考えるときにも回転数を使用します。

 

※回転数を用いた周速の求め方はこちら

sumikuni.hatenablog.com

 

周波数(Hz)とは1秒間にできる波の数

周波数は、「1秒間に何個波ができるか」を表しています。

例えば、60Hzだと、1秒間に60回電流が+と-を行き来するので、1秒間に60個の波ができます。50Hzだと、50個の波ができます。

回転運動を考えるとき、周波数は回転数と同じになります。つまり、60Hzの場合、1秒間の回転数が60回転するので、1分間の回転数は60x60=3600RPMとなります。

N(RPM)=fx60/(P/2)

つまり、この式のfx60の部分は、60Hz(1秒間に60回転)を分単位に変換している式であるといえます。

※物理学的には周波数と回転数別のものだそうですが、仕事を行う上では周波数=回転数と考えるほうが簡単です。

 

極数(ポール数)とは

周波数は回転数と同じだということが分かったのですが、モーターの回転を求めるときに考慮しなければならないのが極数(ポール数)です。

 N(RPM)=fx60/(P/2)

こちらの式の(P/2)の部分がポール数を表しています。

ポール数とは、電流が流れて1回転する間に、何個の電極(ポール)を経由するか、ということです。

例えば2ポールだと、1回転の間に+極・-極と1回ずつポールを電気が流れます。つまり、円運動の上と下に電極が1個ずつあるイメージです。

4ポールだと、+極・-極・+極・-極という感じで4回経由します。円運動の上下左右に電極があるイメージです。

周波数の説明で、周波数は、「1秒間に何個波ができるか」を表しているか、と説明しました。そして、60Hzだと、1秒間に60回電流が+と-を行き来するので、1秒間に60個の波ができると解説しました。

60Hzでポール数が2ポールの場合、電流は1秒間に、円運動の上側にある+極から下側に有る-極へ移動し、その後、下側にある-極から、上側にある+極へ移動を60回繰り返すので1秒間に+・-・+の移動を60回行います。

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一方で、4ポールになると、電流が経由するポールが4つに増えるので、上にある+極から45度右下にある-極まで流れ、次にその-極から下にある+極まで進みます。そして今度はまた45度左上にある-極まで流れ、最後に円の上にある+極に戻ります。

60Hzは1秒間に60回+と-を行き来するので、4ポールの場合、円運動の上から下に半分進むだけで+・-・+となってしまい、1周するのには倍の時間がかかるのです。

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それを式で表したのが(P/2)です。

N(RPM)=fx60/(P/2)

60Hzで2ポールの場合、回転数=60Hzx60秒÷(2ポール/2)となり、3600回転ですが、

60Hzで4ポールの場合、回転数=60Hzx60秒÷(4ポール/2)となり、1800回転となります。

極数(ポール数)と回転数とトルク

ポール数が少ないと回転数は高くなり、ポール数が多いと回転数は少なくなると説明したのですが、では何故ポール数を増やす必要があるのかと言うと、ポール数を増やすとトルクが上がるから。

トルクと言うのは、物が動くときに発生する仕事量のことで、例えば自転車をこいでいるとき、足に力を入れてペダルをこぐのと、力を込めずにただペダルを回転させるのでは、進み方が全然異なります。この、力を込めてこぐ、というのがトルクの考え方です。

ポール数が少ないと、電流の経由地点が少ないので少ない時間でどんどん回転することができますが、その分その回転が行える仕事量は少なくなってしまいます。

一方で、ポール数を増やすと、回転数は減りますが、電流がたくさんポールを経由できるため、力を溜めることができ、トルクを高めることができるのです。

もう一つトルクの例を考えるとすると、乗用車とトラックの関係が似ています。乗用車は早く走ることができる(タイヤの回転数が高い)のですが、重い荷物を運べません。一方トラックは重い荷物を運ぶことができますが、タイヤの回転数を上げることができないので早く走ることができません。

トルクもこの場合と同じ感じで、トルクが高いと力強いのですが、回転数は低くなるのです。

 

モーター回転数とプーリー変換

モーターの回転数の求め方が分かったら、今度はモーターの回転数を効率よく使用する仕組みであるプーリーを見てみましょう。

プーリーは歯車の原理のこと。例えば、大きな歯車直径100mmと小さな歯車直径50mmがあり、この二つをベルトで繋ぎます。

大きな歯車を半周回せば小さな歯車は1周回ります。大きな歯車1周で小さな歯車は2周回るのがイメージできると思います。

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この仕組みをモーターと回転させたいものに応用すると、モーターの回転数以上の回転を回転させたいものに与えることができます。

例えば1800RPMで回転するモーターを半分の大きさのプーリーで回転数を変換すれば、変換された先の回転数は1800x2=3600RPMとなります。

プーリーを2/3のサイズにすると、1800÷2/3=2700RPMとなります。

これを計算式にすると、

1800 : X=3 : 2

X=1800/2x3=2700RPMとなります。

 

モーター回転数とインバーター変換

モーターの回転数のもう一つの変換方法として、インバーターでの変換があります。

プーリーが歯車の原理を利用して回転数を変えていたのに対し、インバーターはモーター自体の周波数を電気的に変えて回転数を変える仕組みです。

モーターが働くときの周波数が60Hzだっとしたら、インバーターで周波数を変えることで、65Hz、70Hzなど、自由に周波数を変更することができます。

周波数が変わるということは回転数も変わります。

例えば60Hz、2Pの回転数は60x60x(2/2)で3600RPMですが、インバーターを使い70Hzにすると、70x60x(2/2)=4,200RPMとなります。

インバーターの利点

インバーターの利点は回転数を自由に正確に設定でること。例えば日本は東日本の周波数は50Hz、西日本は60Hzと決まっています。

冷房などで冷たい空気を作りたい場合、モーターを早く回転させるほど空気が冷たくなるのですが、インバーターを使用しない場合、50/60Hzの回転数の範囲でしか空気を冷たくすることができません。そんな時にインバーターで周波数を高くしてあげることで、空気の冷たさを調整できるようになるのです。

  

終わりに

今回はモーターの回転数を周波数と極数から計算する方法と、プーリー及びインバーターを利用した回転数の変換についてご紹介しました。

回転数の計算方法は意外と使えることが多いので、是非、周波数と極数からモーターの回転数を計算してみてください。

・回転数=周波数x60/(極数/2)

・N(RPM)=fx60/(P/2)

尚、周波数と回転数はモーター自体に記載してあることが殆どですので、一度モーターを確認してみるといいと思います。

 

※技術営業についての記事はこちら

sumikuni.hatenablog.com

 

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