よく議論される日本の中高英語教育。最近ではコミュニケーションの授業が増え、「英語を話すこと」を重視した教育に変える必要があるという意見が強くなっています。
確かに、話す練習をしなくては話すことはできないのですが、本当に話せるようになるためには、実は文法の学習が一番重要なことなのです。
今回は英語を話せるようになるために最も重要な「文法学習」について、考えてみたいと思います。
- 英語習得の鍵は文法学習-骨格を覚え使うことが話すための近道となる
- 文法が全ての基礎であり英語学習の要
- 英語は例外の集合体のため文法を沢山学ぶ
- 文法・単語・会話・リーディングの順で身につける
- 音で覚えた外国語は忘れる
- 覚えた文法を使うことが英語を話すことに繋がる
- 終わりに
英語習得の鍵は文法学習-骨格を覚え使うことが話すための近道となる
英語の勉強というと、発音だったり、難しい語彙を覚えたり、リスニング練習をすることを思い浮かべますが、実は言語の習得で一番大切なことは文法を覚えること。
文法は言語の骨格であり、文法をしっかりと自分の頭の中にインプットしておくことが、英語の上達に直結する方法です。
この記事では、英文法の学習がどのようにして英語力向上に繋がるのかをご紹介します。
文法が全ての基礎であり英語学習の要
外国語を話せるようになりたいと思ったときに、一番重要な勉強は文法です。何故文法が大切かと言うと、文法は言葉の骨組みであり、要だから。
確かに幼児教育の場合、音で入る会話練習も役に立ちます。
例えば、Hello, how are you? と聞かれたら、I'm fine, and you? と返答する。パターンを増やしていくことで、会話ができるようになります。また、発音も良くなります。
ただし、この会話練習を日本で行ったとしても、文法が頭に入っていなければ、英語を使えるレベルには到達することができません。
大学で新しい語学を学習するときには、会話、文法、リーディングを同時に勉強します。例えば、水、金は会話、月木は文法、火金はリーディングなどです。これは、上述の会話のパターンを覚えながらも同時に文法で文の構造を学び、自分で文を作るためです。そして、文を構築できるようになったら直ぐに会話の授業でそれをアウトプットします。
つまり、会話の練習は覚えた文法を使って組み立てた文章をアウトプットする練習の場でだといえます。
英語は例外の集合体のため文法を沢山学ぶ
英語という言語は例外の集合体。その例外が構文という形で現れます。したがって、高校の授業で文法を沢山勉強することはこの例外を覚える作業であるといいます。
実は、SV、SVO、 SVC、 SVOO、 SVOC の5つの並べ方(五文型)さえ覚えれば、文章の組み立てはできるようになるのです。しかし、この五文型以外の例外があまりにも多いため、表現力を高めるため高校では文法の勉強を行うのといえます。
一方で、例えばスペイン語だと、基本的な文の並べ方を覚えれば、例外は殆どありません。したがって、文法の基礎さえ勉強すれば、文の組み立ては練習することで上達します。
※英語の例外表現についてはこちら
文法・単語・会話・リーディングの順で身につける
英語を中心とした語学を身につけるのであれば、文法、単語、会話、リーディングの順で身につけると効果的です。
例えば、I go to schoolという文法構造を覚え、次にParkという単語を覚えます。そして、会話の練習でI go to parkと言う文章を作って発話し、最後に簡単な文章を読む練習をするという形です。
この勉強方法は英語の勉強だけでなく、他の言語の学習時にも応用可能です。筆者はこの文法を覚え、語彙を増やし、会話で練習し、文章を読むという一連の流れを繰り返し行うことで、英語の他にスペイン語とポルトガル語を身につけました。
※多言語学習についてはこちら
音で覚えた外国語は忘れる
とは言え、例えば、「文法が分からない状態でも海外に行けば自然に身につく」という理論を基に、海外留学する場合もあると思います。確かに、この方法でも海外で身につくのですが、残念ながら日本に帰ってきたら直ぐに忘れてしまいます。
何故なら、文法が頭に入っていないので、理論として理解できていないから。音だけで頭に入っている場合、言葉を使わない環境に身をおいた途端に嘘のように頭から言葉が消えていくのです。
※言葉を忘れるとはどういうことかについてはこちら sumikuni.hatenablog.com
覚えた文法を使うことが英語を話すことに繋がる
ここまで、文法の大切さについて考えてみましたが、だからといって文法だけ勉強していれば話せるようになるのかというと、話せるようにはなりません。
言葉を話せるようになるために一番重要なことは練習することです。上述のように、言葉の構造を覚え、単語を覚えたら、自分で文章を組み立て、そして発話することで頭に定着していきます。したがって、文法をよく勉強した上で、その文法を使用した会話を行うのが効果的です。
例えば、「I used to」という表現を覚えたら、この表現を使って何通りも自分のことや周りの友人・家族のことなどを話してみる。これを何回も行うことで、この「I used to」という表現が自分のものになります。
この様な、表現や文法を頭に定着させるための会話の練習はとても意味があること。
ですから、中高のコミュニケーションの時間に関しても、ただただHow are you?などの対話表現を練習するのではなく、覚えた文法を使って文を構築し、それを発話しするところまでをセットに、文法やリーディング、ライティングの授業と連動した会話練習を行えるといいのかなと思います。
終わりに
この記事では、英語(外国語)を話せるようになるためには文法学習が特に重要だということについてご紹介しました。
外国語としての英語学習(多言語学習)では、文法構造の理解とそれを使う練習が必須です。そして何よりもせっかく覚えた外国語を頭に定着させるためにも、積極的に文法を学び、頭の中に英語の骨格をしっかりと作った上で、それを使う練習をしてみてください。
※筆者お勧めの英語学習教材はこちら
速読英熟語の使い方はこちら
本1冊で出来る英語速読の練習方法-受験にも資格試験にも役立つお勧め参考書とは - すみくにぼちぼち日記