日本ではGWが近づいてきて、計画している旅行などに向け期待が膨らんでいる人も多いのではないでしょうか。
今回はメキシコのGW、「Semana Santa」をご紹介します。
Semana Santaとは
メキシコでもこの時期は連休の季節。メキシコの中でも特に重要なSemana Santaという連休です。Semana Santaは直訳すると「聖なる週間」という意味で、アメリカで言うイースター、イエスキリストの復活を記念してお祝いを行う復活祭です。
キリストは元々ユダヤ教徒。
そのキリストがユダヤ教の教えに反する教義を説いたため、ユダヤ教の指導者によって十字架に磔にされ、処刑されてしまいます。
それを絵画として残したのがキリストの磔刑図です。
キリストの処刑に強く関わったのが裏切り者と称される「ユダ」。
お金と引き換えにキリストの身柄をユダヤ教の司祭たちに引き渡したといわれています。有名な主題「最後の晩餐」では一人だけ天使の輪が無かったり、お金が入った袋を持っていたりします。
キリストは磔刑に処される前、自身の死とそしてその後の蘇りを予言しており、実際にその磔刑の3日後に復活しました。このときの復活を祝うのが「復活祭」です。
ちなみに、ユダヤ人は元々紀元前10世紀頃にユダ王国とイスラエル王国(今のエルサレム周辺)住んでいましたが、他民族の侵略により滅亡しており(バビロン捕囚)、その後ローマ帝国の支配下で離散生活(ディアスポラ)を送り、迫害の対象となっていきました。そんな中現れたキリストという救世主はユダヤ教指導者にとってはユダヤ教徒を纏めるに当たっての障害となったと考えられます。
一方でキリスト教は特に「選民思想」を持っているユダヤ教とは違い、万民への愛を語る宗教ですから、初期にはローマの中で迫害の対象となりましたが、だんだんと大衆の支持を得て、392年にはローマの皇帝テオドシウス帝によってローマの国教となりました。
※ローマの記事はこちら
Semana Santaは年によって時期が変わりますが、3月、4月のどちらかに3-4連休となります。
2019年は4月18日から21日までの4連休でした。ちなみにこの連休が終わると、5月1日のメーデーを除き11月まで祝日がありません。そのため、この連休はメキシコ人にとってとても重要な連休なのです。
カトリック版の断食「Cuaresma(くあれすま)」
ちなみに、Semana Santaの40日前から各金曜日は豚肉・牛肉などの赤い肉を食べることができません。したがって、肉屋なども休業となります(現在は関係なく営業していることが多い)。
この風習は、イエスキリストの受難と死に思いを馳せるという意味合いがあり、Cuaresma(くあれすま)と呼びます。一種の断食です。
このCuaresma期間中の金曜日には、「あそこのタコス屋、タコス売ってた?」などの会話がメキシコ人の間で交わされ、伝統に則ったお店では肉料理の代わりに魚料理が準備されます。
終わりに
今回はメキシコのGWであるSemana Santaを紹介しました。
キリスト教の休日であるため、中々内容が分かりにくいお休みですが、キリスト教徒にとってとても大切なお休みだということ、そしてその大切さは成り立ちに関係しているということが分かりました。
国や宗教によって休日の意味や意義も変わってくるということが分かり、今後もメキシコの休日に注目したいと思いました。