春といえば出会いと別れ。入学式や卒業式に涙したことがある方も多いのではないでしょうか。そして、春といえば桜。日本では満開の桜の木下で、お花見をするのが春の風物詩。満開の桜が彩る町々を歩き抜けると、春を全身に感じることができます。
ここ、メキシコにも春が来ました。
しかし、メキシコには桜がありません。メキシコの春といえば「ハカランダ」です。ハカランダは別名「ブラジリアン・ローズウッド」。春の訪れをいち早く告げる梅のように、2月中旬頃から咲き始め、メキシコの街を鮮やかな青紫に染め上げます。
このハカランダ、メキシコの桜なのですが、実は南米原産の花。
20世紀初頭、松本辰五郎という庭師が、メキシコと日本の紐帯をより確かなものとするために、メキシコの街路樹として植樹した木といわれています。もともとの案は、桜を植樹するというものだったのですが、日本とメキシコの気候の違いから、ハカランダを提案したそうです。
ハカランダの花の特徴は、このラッパ型のお花です。とても可愛らしい姿をしています。この姿が勝利のラッパを連想させることから?花言葉は「栄光・名誉」。
ぱっと咲いてさっと散るという、儚さも、桜の花を連想させてくれるハカランダ。この花を見ながら、遠い日本に思いを馳せるのは、今も昔も、変わらないのかもしれません。