スウェーデン語はゲルマン系の言語であり、同じゲルマン系の英語とどのくらい似ているのかが気になるところ。
本記事では、英語、スペイン語、ポルトガル語、フランス語を学んできた中で感じる、スウェーデン語と英語の類似点と差異をご紹介します。
スウェーデン語と英語は似てる?-文法と語彙の面での差異を比較
スウェーデン語はゲルマン系言語で、英語の遠い親戚です。
スウェーデン語と英語は骨格の部分では似ているところも多く、語彙も似たようなものが存在します。
スウェーデン語は、動詞の活用についてはそこまで難しくない言語ですが、名詞と形容詞は性があったり、性や数に応じた変化量も多く、パターンも豊富なため、覚えるのが大変。
一方で英語は動詞の活用は人称変化が少しあったりと、少し複雑ですが、単語についてはそこまで難しくない印象です。
また、発音は両言語とも日本語にない母音があるため、聞き取り、発話ともに難しさを感じますが、スウェーデン語は独自のアルファベットがスウェーデン語の発音に応じて存在するので、英語ほどのややこしさはないと言えます。
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スウェーデン語と英語の文法の差異
スウェーデン語と英語の一番の違いとして、名詞と形容詞の複雑さがあります。
また、名詞と形容詞の複雑さと相まって、文法面で覚えることが多いというのもスウェーデン語の特徴と言えます。
スウェーデン語は、名詞の変化が多かったり、特殊な変化をする単語も存在したりと、スウェーデン語を学ぶ際には文法などで躓いてしまわないように、スウェーデン語の構造を理解し、しっかりと暗記していくことが大切だと思います。
動詞は英語と同様に現在形、過去形など、時制によって動詞が変化しますが、英語の I am、You are、He/She is や「三単現のs」のような、人称による変化はありません。その点で、英語よりも少しわかりやすいです。
また、英語は動詞の活用でも特殊な変化をする動詞が多い(Run Ran Runのような)ですが、スウェーデン語は変化の4つのパターンで分類されているので、その点は整理されているかなと思います。
発音面では、日本語にないどちらの言語も母音が多くあり、その発音ができるようになるのにも時間がかかると言う点は同じです。英語と違いスウェーデン語はスウェーデン語独自の発音には専用のアルファベットが準備されているので、その点でわかりやすいのも特徴的です。
名詞と形容詞が複雑
名詞は、共性と中性という二つの性があり、それぞれ冠詞がenとettとなります。英語では不定冠詞はaとanがありましたが、それよりも複雑です。
複数形は第一変化、第二変化、第三変化、第四変化、第五変化と単語によって5つ変化のパターンがあります。
定形は、母音で終わる共性、母音で終わる中性、子音で終わる共性、子音で終わる中性、複数定形、第五グループの複数定形の共性、第五グループの複数定形の中性と多くの変化のパターンがあります。
定形というのは、英語で言う「the book」のような、特定のものを表す時に使う形です。
例えば、「生徒」は共性の第三変化で「en student(単数形)、sutudenter(複数形 )、studenten(定形)、sutudenterna(複数定形)」と言うように変化します。
この名詞の変化に伴い、形容詞も変化します。形容詞は共性単数、中性単数、複数、定形という4つの形があります。名詞の定形につく形容詞は語尾がaになり、さらにden(単数共性)、det(単数中性)、de(複数)という特別な冠詞がつきます。
このように、スウェーデン語は名詞と形容詞がかなり複雑で、語彙を増やす時にこの辺りも考えて覚えることが必要になるかなと思います。
※スウェーデン語の形容詞の変化についてはこちら
動詞の活用の量は少ない
スウェーデン語で一番楽な部分ともいえるのが動詞の活用。
動詞の活用というのは、主語や時制で動詞の形が変化することを指します。英語の場合は三単現のsや過去形でedがつく変化が動詞の活用です。
スウェーデン語は現在形、過去形、現在完了形、再帰動詞など動詞がさまざまに変化しますが、時制による活用だけで人称による活用がありません。
そのため、動詞の活用を覚えるのに苦労する英語と比べると比較的動詞が簡単な言語と言えます。
※スウェーデン語の動詞はこちら
発音と語彙の比較
発音と語彙は英語と似ている部分が多いです。
と言うのも、スウェーデン語は、ノルウェー語、デンマーク語、アイスランド語とともに北ゲルマン語のグループの一員で、西ゲルマン語に分類される英語、ドイツ語、オランダ語とともにゲルマン語派に所属してします。
したがって,スウェーデン語には英語との共通点が数多くあります。
発音と独自のアルファベット
スウェーデン語の発音は、母音が日本語よりも多く、日本人にとっては難しい発音が多いです。発音面では英語と似ている難しさがあります。
スウェーデン語の母音の発音で独特なものにはそれぞれアルファベットが振り分けられているので、その点で覚えやすいかなとは思いますが、リスニングやスピーキングは英語と同じように難しい言語です。
スウェーデン語の母音は、a、e、i、o、u、y、å、ä、öの9文字です。後半3つが独特な文字となります。
母音の内a、o、u、åの4字は硬母音(hårda vokaler)、e、i、y、ä、öの5字は軟母音(mjuka vokaler)と呼ばれて区別されています。
英語は独特な母音の発音でも、a、e、i、o、uの組み合わせで表されるので、その点は少し違いがあるかなと思います。
語彙
語彙レベルでは、たとえば,スウェーデン語の äpple, katt, bok, fot, gå が英語の apple, cat, book, foot, go に相当すると言う形で、似ている単語が多く存在します。
助動詞のkunnaのように、一見英語とは無関係に見える単語でも、活用してkanにすると、英語のcanと似ていると言うこともあります。
このように、語彙レベルでは英語とスウェーデン語は似ている単語も多くあることがわかります。
一方で、英語はフランス系のノルマン朝時代に多くのラテン系の単語が流入しているため、その点でスウェーデン語と異なる語彙も多く存在すると言うのも面白い点です。
終わりに
この記事では、スウェーデン語と英語の違いや類似点をご紹介しました。
スウェーデン語と英語は同じゲルマン系の言語ですので、文法、語彙、発音と似ているところも多くあります。
一方で長い歴史の中で周りの言語からの影響も大きく受けているため、違いもあることがわかりました。
スウェーデン語の勉強の際は、英語を参照しながら、英語との共通点と相違点に注目して学んでいくのが近道かなと思います。
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