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営業職が重視すべき「売上の平準化」の利点と理由-売上を均すことが生産, 購買, 業務の平準化にもつながる

営業職として働き始めたときに口酸っぱく言われるのが「売り上げを平準化させる」ということ。

この記事では、売り上げを平準化させる理由やメリット・デメリットをご紹介します。

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売上の平準化させる利点と理由-売上を均すことが生産, 購買, 業務の平準化にもつながる

会社の業績を左右する売り上げ。売り上げは高ければ高いほど良いと思いがちですが、実は企業で良しとされる売り上げ方というのは、毎月コンスタントに、予算より少し上の金額を売り上げるということ。

特にメーカーや商社の場合、売り上げ金額に基づいて生産量や仕入れ量を計画するため、製品が毎月均一に売り上がっていることにより計画立案が精度の高いものとなるのです。

また、売り上げが過度に高い月が出ることは、客先の在庫過多や販売先からの支払い回収が滞る原因となってしまうこともあります。

この記事では、営業担当者が考えるべき売り上げの平準化についてご紹介します。

 

売上の平準化とは

売上の平準化というのは、毎月の売上額をできる限り同じ水準で推移させることを言います。

平準化のためには、月ごとのにユーザーの使用量と販売する数量をバランスさせ、消費量に見合った数量を予算に基づて出荷・売り上げを行うことが必要です。

つまり、現状を把握しながら売り上げ額をコントロールしていくことが、営業担当者の重要な仕事なのです。

 

売上の平準化

例えば、上の図にように、赤いラインが予算数値だとして、売り上げの波が毎月大きく異なっている状態というのは、あまりよくない状態と言えます。

 

売上の平準化

一方で、こちらのグラフは、売り上げの青い線が予算を示す赤いラインに近い状態を維持し、波が小さくなっています。

この状態を営業担当者は目指す必要があるのです。

 

売上を平準化させる理由

では、なぜ売り上げを平準化させないといけないのでしょうか。

その理由は大きく3つあります。

仕入れや製造を平準化させるため

②販売先の在庫過多を防ぐ

③販売先への売掛金のコントロール

ここからはそれぞれの理由についてみていきたいと思います。

 

仕入れや製造を平準化させる

物を売るときに必要なものは、「売る商品」です。メーカーであれば製造し、商社であれば購入して販売するための商品を準備します。

物を作るためには材料を前もって購入する必要がありますし、商品を購入するのであれば在庫数量を考えながら発注する必要が出てきます。

例えば、パン屋さんだったら、その日販売できる数量を見越して材料からパンを作ります。パンの種類も豊富に準備する必要があり、どの種類のパンをいくつ準備するのかをこれまでの売り上げ動向などから予測するのです。

できるだけ売れ残りが出ないようにパンを作るためには、過去の売り上げ動向が正確であればあるほど準備がしやすくなります。店頭に並べるパンの個数は天気や気温の変化に紐づけてデータ化し、大手スーパーに卸すためのパンは毎月のスーパーの購入個数から予測を立てるのです。

パンの製造個数はその日に決めるのですが、パンを作るための材料の仕入れはもっと前に行わなければなりません。多すぎて購入した材料が悪くなるのも損失ですし、逆に少なすぎて足りなくなってしまうことも避けなけれなばりません。

このように、パンを作る個数、パンの材料を購入する量などを考える際に、毎月の売上金額や売上個数が平準化されていると、計画が立てやすくなるのです。

例えば、10年分の6月の売り上げデータを見て、毎年6月の販売数量が700個、600個、650個となっていると、大体650売り上がるという予測が経ちますが、100個、1200個、650個、といった具合に売り上がっていると、どの数値を参考にすればよいのか分かりません。

このように、売り上げの標準化というのは先を予測するためにとても役立つ技なのです。

 

販売先の在庫過多や不足を防止する

自社の在庫発注量や製造量をコントロールする以外にも、販売先の在庫量の過多や在庫不足を防止するためにも売り上げの平準化が必要です。

販売先が商社の場合、ユーザーの使用量の増減をもとにその会社が持つ在庫量を管理し、発注につなげます。

例えば、ユーザーの機械メンテナンスのため、工場の稼働率が低下し、これまで販売していた製品の使用量が激減したとします。

すると、商社はその使用量を見て発注を抑えます。しかし、翌月ユーザーの機械メンテナンスが終わると、これまでの遅れを取り戻すためにユーザーが操業度を上げます。当然製品の使用量も激増するため、商社が急ぎで大量の発注を実施します。

しかし、メーカーは急激に販売数量が落ちた段階で、材料の準備や生産量も落としているため、このV字回復についていくことができず、結果、品切れとなってしまうのです。

このような状況を未然に防ぐためにも、商社が販売数量を落とした段階で理由を聞き、ユーザーと会議を行い、製品の使用量の減少が一過性のものなのか、長期的に続くものなのかを把握し、一過性のものであれば、たとえ使用量が減少したとしてもこれまで通りの発注量を維持してもらうための交渉を行わなければなりません。

反対に、いつもより多く製品を売り上げたときも注意が必要です。その売り上げ高に応じて製品を販売し続けたのに、実は需要量が一過性の物だった場合、商社が抱える在庫が膨らみ、在庫過多となってしまうからです。

特に商社は品切れや納期遅延を恐れるため、ユーザーの使用量が増えるのに合わせて実需よりも多めに発注する傾向があります。そのままずっと販売が好調であったらよいのですが、そうでない場合は、商社が余剰在庫の山を抱えてしまう可能性があるのです。

このように、売り上げの増減というのは、販売先のユーザーや商社にとっても悪影響を起こす要因となってしまうため、毎月の売り上げを均一化させるために売り上げ管理を行う必要があるのです。

 

販売先への売掛金のコントロール

在庫過多や在庫不足とも関わるのですが、物を売りすぎている場合、商社やユーザーの商品販売金額よりも製品購入金額の方が増え、買掛金の支払いが滞ってしまうことも起こり得ます。

買掛金というのは、物を買ったけど、支払いは購入してから1か月後や2か月後に払う、という方法のことで、言わば利子のつかない借金(ツケ)です。

先ほどの在庫量の例のように、急激にユーザーの使用量が増加し、商社が需要に対応できるよう購入量を増やしていくと、だんだんとこの買掛金がたまっていきます。

一方で、商社の手元にあるお金は需要が増える前の状況時に手に入れたお金であり、使用量増加の状況を受けて購入量を増やした場合、手元のお金よりも支払うお金の方が多くなるということが起こり得ます。つまり、支払い能力以上に支払いを行わなければならない状況です。

さらに、商社がユーザーに対して掛け金商売を行っているとすると、ユーザーの使用量増加に合わせてたくさん購入した製品を販売し、そのお金を回収できるのは販売日の1か月後だったりします。その場合、製品購入代金の支払い期日の方が売り上げた製品の代金回収日よりも早く来てしまい、支払いができず支払い遅延を起こしてしまうのです。

このような金銭的なトラブルを防ぐためにも、売り上げの平準化はとても大切で、過度に売りすぎない、過度に受注量が減らない、という状況をいかに作るのかということが、営業職が考えるべき点なのです。

 

売掛金と買掛金についてはこちら

sumikuni.hatenablog.com

 

売上を平準化させる方法

売上を平準化させる方法は1つ。出荷をコントロールするという方法です。

月の真ん中くらいにまず月末の売り上げ計画を立てます。売り上げ計画値は、これまでに売り上げた金額と数量に月末最終日まで売り上げる予定の金額と販売予定の数量の見込みを足して算出します。

この計画値を月ごとの予算にバランスされることで、月々の売りすぎや急な売り上げ減を防止することが可能です。

計画値を算出する時点でその月の売上金額が多すぎる場合には、金額が膨らんでいる販売先の商社やユーザーに連絡し、状況を確認します。

仮に実需よりも多く発注したという場合には、納品を翌月に遅らせて良いかを確認し、問題なければ翌月に出荷します。

売上が足りない場合には、既存顧客で予算通り出荷できていない客先に連絡し、製品の使用状況などを確認し、発注を促します。

このようにして売り上げを管理していくと、売り上げの平準化を行いやすくなります。

月末の最終週の月曜日にもう一度最終的な売り上げの着地見込みを算出し、部署内全員の着地見込みを合わせて部署の売り上げ予算通りに計画できていれば完璧です。

この時点で予算未達や予算の大幅超過が見込まれる場合には、部署内で予算達成や売りすぎを防ぐための施策を立案していくこととなります。

 

平準化が起こす弊害

売上の平準化は製品の製造や仕入れの面、商社やユーザーの在庫管理の面、買掛金や売掛金管理の面でとても重要なことなのですが、徹底しすぎることによる弊害が生まれることがあります。

それが不正会計です。不正会計の例として、売り上げの前倒し計上が挙げられます。つまり粉飾決算です。

売上の前倒し計上というのは、物を出荷していないのにも関わらず、その製品分の売り上げを計上してしまうことを指します。

例えば、月末の会議で、予算に100万円足りていないのに販売できる製品が無かったとします。その時に、会計上売り上げの処理を行い、製品は納品せず、月末を迎え、翌月製品が準備できた時点で売り上げ無しで製品を納品する、といった方法です。

他にも、翌月の売上金額が大きくなりすぎる可能性を考慮して、翌月売り上げ分を当月に売り上げ、製品は納品しない、などの場合も考えられます。

売上の平準化はあくまで、社内の仕事やお客さんとの仕事をやりやすくするための物です。平準化の管理を厳しくするあまり、社内で不正会計を行い、平準化を装うという行為が横行するという事態は避けなければなりません。

 

終わりに

この記事では、営業職が仕事をする中で考えていきたい「売り上げの平準化」についてご紹介しました。

売上というのは予算に対して多すぎず少なすぎない状態が理想的な状態です。

実際に売り上げの平準化を行うのはとても難しいことなのですが、できる限り平準化を目指して、日々の営業活動を工夫していけたら、様々な仕事がスムーズに行えるようになると思いますので、是非工夫してみてください。

 

※仕事が遅いと言われるときの改善方法はこちら

sumikuni.hatenablog.com

 

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