海外駐在員は激務で深夜まで働いているイメージがありますが、実際のところどのようなスケジュールで働いているのでしょうか。今回はそんな謎の多い「駐在員の1日のスケジュール」を紹介したいと思います。
海外駐在中の勤務は主に3タイプあります。まずはずっと事務所にいる事務作業日、次に近郊ユーザーへ車で訪問する訪問日、そして遠方ユーザーへの出張日です。勤務体系によって大きくスケジュールが異なるため、今回はその3つの体系でそれぞれのスケジュールを紹介したいと思います。
※海外駐在員の業務内容はこちら
事務所で事務作業をする日
私が働いている事務所の勤務時間は8時から5時までで、遅くとも7時前には帰宅します。特にメキシコというお国柄、暗くなると危険ですので、暗くなる前に退社するようにしています。
8:00-8:30:メールチェック
日本との時差がありますので、朝出社すると日本からのメールがたまっています。出社後の30分を使ってメールを確認し返答を行います。また、その日のスケジュールを立てます。
8:30-9:00:全体ミーティング
毎朝必ず行うのが全体ミーティング。各曜日ごとに報告内容は異なりますが、毎日行うのは入出荷の確認や従業員のスケジュール確認。他に客先訪問に関しての報告や売り上げ報告などを行います。
9:00-12:00:事務作業
客先からの問い合わせへの返答や資料作成を行います。資料作成は商社向けの見積もりやプレゼン資料、本社向けの各種報告書、ユーザー向けプレゼン資料などがあります。
12:00-12:30:お昼
お昼ごはんはメキシコ人は14:00くらいに食べますが、私は12:00からタコスを食べます。
12:30-15:00:事務作業
オフィスにいるときは基本的にずっと事務作業です。事務作業も自分で作成する資料をできるだけ減らすために現在は現地スタッフに作成手順を共有し、チェックするのが主な仕事です。
15:00-17:00:その他
毎日ではない業務を行います。例えば毎月の研修、会議や必要に応じたミーティングなどなど。17:00を過ぎて仕事が終われば帰宅です。
17:00-18:00:日本との会議
緊急の案件や直接本社や他の海外拠点と話し合いを行いたいときには日本とのテレビ会議を行います。日本時間及び海外時間(主に欧・北中南米)を考慮した時間帯に会議が開かれます。
(19:00-22:00:翌日出張に備えて移動)
翌日出張予定があれば業務後に移動することもあります。出張日の朝に移動することもありますが、飛行機の便の関係から前日夜の移動となることが多いです。
近郊ユーザーへの訪問(月3-5回程度)
近郊ユーザーへは車で移動。月に3-5回程度客先を訪問します。特に近郊ユーザーは距離的にも関係を深堀しやすい環境ですので、密なコミュニケーションのためにも頻度を上げて訪問を行います。
7:00-10:00:移動
メキシコは日本の5倍の面積があるため、隣の市までが遠いです。通常同じ市内の客先でなければ片道最低2時間かかります。一番遠いところだと5時間ほどかかるため、ユーザー訪問は移動がかなりの時間を占めます。
10:00-12:00:ユーザー訪問(1社)
到着としたらユーザーを訪問。1社当たり1時間半ほどを見込みます。
12:00-13:00:お昼
お昼時間はその地域で美味しいと評判の和食や現地の特産品を頂きます。
13:30-16:00:ユーザー訪問(1-2社)
お昼明けから客先回りを再開。お客さん同士も遠くにある場合が多く1日に回れるお客さんは多くて3社くらいです。
15:30-19:00:オフィスへ
何時間かかけて車でオフィスへ。渋滞もあるので遅くなることも。県境を越える場合には山賊(車で併走され銃器で脅される)が出ることもあるので町を出るのは暗くなる前。外出先を出るときにすでに暗くなっている場合は無理に帰宅せず一泊してかえるということも検討します。
19:00-:帰宅
オフィスで戻った後、何事もなければ帰宅。遅くても19:30には家に到着します。
遠方ユーザーへの出張訪問(月2回、計8日程度)
遠方ユーザーへは毎月2回程度出張ベースで訪問を行います。メキシコ国内のいたるところにお客さんがいますので、近くの都市にある客先ごとにまとめて訪問を行います。一回の訪問は大体3-4日で1日2-3社へ訪問します。
5:00-8:00:移動(前日移動も多い)
車で5時間以上かかる場合もしくは移動時に危険地域を通る場合は飛行機を利用して出張を行います。1度の出張は3-4日間が多く、出張先の近郊や飛行機の乗り継ぎを利用する訪問などで1度の出張で1-3都市を訪問します。
9:00-11:00:客先訪問
商社の担当者にホテルまで迎えに来てもらい営業開始。遠方ユーザーのため、特に重要案件(新製品を試用してもらっている場合や打ち合わせ事項がある企業)に注力します。
12:00-13:00:昼食
遠方の商社とコミュニケーションをとる機会は限られていますので、食事を取りながら情報交換を行います。特に定期販売しているお客さんへのフォローのお願いや、新規のお客さんの製品試用時の結果などの情報を交換します。
13:00-16:00:客先訪問(1-2社)
引き続き客先を訪問したり、別の商社と行動したり、直接ユーザーの訪問を行ったりと客先訪問に時間を当てます。
16:00-18:00:商社オフィスでのミーティング
商社とのミーティングを行い、担当者だけでなく管理職との情報共有や商社購買担当との打ち合わせを行います。普段の仕事時にメールや電話だけでは中々打ち合わせが難しいことなどもあるため、込み入った案件に関しては出張時に詳細を確認します。
19:00-21:00:移動・帰宅
出張最終日には夜便で帰宅。移動時間を利用して報告書を作成します。報告書は鮮度が命ですので、出張から帰宅後翌日には提出できるよう準備します。飛行機で住んでいる町に帰ったら、後は帰宅するだけ。帰宅は21:00-22:00になることが多いです。
終わりに
今回はメキシコ駐在中のメーカー営業員の1日スケジュールをご紹介しました。メキシコというお国柄、夜遅くまで働きづめると言うことはありません(夜の移動が危ないため)。一方で国や職種によっては夜遅くまでオフィスや工場で仕事を行わなければならないこともあるそうですが(特にアメリカは大変だとか)、働きすぎて体を壊してしまっては元も子もありませんので、健康第一に働けたら良いなと思います。