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社会人大学院 学校の選び方と入試対策-経営系大学院の場合

「なんとなくもう一回勉強してみたいな」と、社会人生活を送る中で思ったことがある方も多いのではないでしょうか。

仕事をしていくと、学生時代とは違った観点でものを見る機会が増え、知的好奇心も日に日に増してしまうのですが、一方で、仕事や家庭が忙しく中々纏まった時間をとるのも難しいというのもまた現実です。

この記事ではそんな社会人大学院に挑戦したいと思ったときの後押しとなるような私の経験をご紹介します。

 

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社会人大学院 学校の選び方と入試対策-経営系大学院の場合

私は社会人2年目に「もっと社会の色々なことを分かる人間になりたい」という気持ちを抱き、大学院への進学を考えるようになりました。

そして、悩んだ末、最終的に夜間・土日に授業のある大学院に社会人3年目で進学し、4年目で経営学の修士号を取るに至りました。

色々な葛藤、時間的制約がある中で何とかやりきった社会人大学院ですが、今思うと入学して本当に良かったなと思っています。

今回はそんな「もう一度学び直しをしたい」という気持ちに応えるひとつの方法として「社会人大学院」をご紹介したいと思います。

 

社会人大学院一歩目,大学院に興味を持つ

外国語学部を卒業し、メーカーに就職。1年目後半から新規事業のメンバーとしてとあるプロジェクトに参加することとなりました。様々な会議に出席し、管理職の方々の話し合いの議事録を取ったり実務をしたりする中で、「仕事ってなんて奥深いんだ!もっともっと多面的に、そしてより深く自分の仕事を理解したい」と思うようになり、経営学を学んでみたいという好奇心が芽生えました。

2年目、心の奥深くに存在した好奇心がだんだん膨らんでいくのです。「ああ勉強したい、もっと知りたい…」そんなことを思う毎日。ただ、仕事にも慣れていない状況で効率も悪く、勉強する時間がないと悩んでいました。そんな中、ふと、「自分でできないなら大学院に入ろう」と思うようになっていきました。

 

二歩目は社会人大学院のリサーチと決断

直ぐに愛知県内の大学院リサーチを開始。愛知県内の経営系大学院で、社会人が学べそうだったのは名古屋大学(国立)、名古屋市立大学(公立)、南山大学(私立)、名城大学(私立)、中京大学(私立)、名古屋商科大学(私立)等でした。

私立大学はMBAコースが多く(実学が多い)社会人も学びやすい環境が整っていますが、授業料が高い(国公立の倍)です一方国公立は実学よりも研究の色合いが強く大学に拠っては社会人が通いにくいカリキュラムになっていたりします。

私は、経営学を実学ではなく学問として勉強したかったため、研究色の強い名古屋大学と名古屋市立大学に興味を持ちました(授業料が安かったのもポイント)。

名古屋大学は愛知県民憧れの大学ですので、大いに惹かれたのですが、夜間・土日授業が充実していなかったのと、社会人は3年以上の経験がなければ受験不可だったため断念しました。

一方、名古屋市立大学は社会人大学院の歴史が長く、夜間授業があり、土曜日も開講しているということで、頑張って定時に仕事を終わらせれば通えるかもという淡い期待を持ち始め、大学院の説明会に参加しました。

説明会は中々面白かったのですが、中でも、説明会に行ったときになんとなく購入した「名古屋市立大学の研究者(教員)たちの研究概要が書かれた本(題名は忘れました)」の中の、ある研究者に一目惚れしてしまいました。衝撃的な出会い。そしてすぐに「絶対にこの先生の下で研究をする!」と名古屋市立大学の大学院入試を受けることを決意したのです。

ちなみに、社会人大学院の情報を探すなら『スタディサプリ社会人大学院』というハンドブックがおすすめ。

社会人大学院がある大学や様々な情報が載っており、大学院選びではこちらを使えば間違いないかなと思います。

 

※大学院選びにおすすめなハンドブックはこちら

  

入試本番に向けて三歩目、大学院受験勉強

社会人が通える大学院の入試と言うのは、一般の学生が受ける一般入試と社会人特別枠があるのですが、名古屋市立大学の社会人特別枠の入試要綱では「社会人3年の経験」が必要だったため、2年目の私は一般入試で受けることにしました。名古屋市立大学の入試は8月と2月にあります。しかし、この時すでに8月に入っていたため、残すチャンスは2月の入試です。「よし、2月の入試に自分の人生をかける」と2月入試に照準を合わせました。

 

受験勉強時間作り

入試に向けてまず行ったのが自分の仕事の無駄削減の徹底です。大学院に入学したら業務後に授業があるので残業ができなくなるとわかっていました。ですから、大学院入試の間に徹底的に無駄を削減し、定時退社を習慣化するように心がけました

業務の無駄と言うのは、①移動の無駄、②繰り返しの無駄、③思考の無駄の3つがあります。

①はコピーをとったり別部署に行ったりするときの無駄な時間、

②は同じ手順を何回か踏んでいるという無駄。例えば、ある仕事をABCDBCZという順序で通常進めるのをABCDZという形に直すことで無駄を削減します。

③はある仕事を行うときに頭で考える時間の削減です。簡易作業のマニュアル化と考える作業の自動化を行うことで解消できます。所謂、無駄に考えている時間をなくすという効率化です。

見積もりなどを自分で考えて作っている場合には、エクセルを使用して、コストを入力すれば考えられる変動パターンを加味して自動で見積もりが作られるような仕組みを作り、自分はその見積もりに客先ごとの情報を加味した変動を上乗せするだけとすると、早く見積もりができるようになります。

一方で、仕事の要である会社の同僚や上司とのコミュニケーションは大切にしていました。このコミュニケーションができていれば、自分が行った効率化を部内に波及できますし、仕事自体も円滑に進むからです。

定時退社ができるようになり、自分の時間が作れるようになってからは、退社後は必ず家に帰る前にカフェに行って1日3時間を目処に経営学の基礎を勉強するようにしました。土日は5時間図書館で勉強し、家に帰って2時間勉強するのを続け時間を確保。この方法で勉強する時間はライバルの現役受験生と並ぶことができました。

 

入試対策

勉強時間が確保できたので、続いて試験対策です。

試験対策として行ったのが、①名市大教授陣の研究内容の把握、②名市大入試過去問の研究、③自分が分かりそうな分野に絞った勉強の3つです。

大学院入試のテストは教授陣が作成しますので①はとても重要です。「敵を知り己を知れば百戦危うからず」です。上述の名市大の説明会で購入した本を熟読し、教授陣の研究論文や関連資料を手当たり次第読み進めました。

基礎ができてきたら②の入試対策に入ります。

名市大入試は主に経済学の分野(5-6科目)・経営学の分野(5-6科目)から3科目選んで答える様式だったので、①で研究した教授の研究分野から興味がある科目及び分かりそうな科目4つを厳選し、集中的に勉強しました(それしか勉強しませんでした)。

選んだ科目は経営学、マーケティング、国際経済、国際経営だったと思います。

経営学、マーケティングは初心者と言うことで、ひたすら参考書(分厚い「経営学基礎」というような参考書)を理解し、暗記。国際経済・国際経営は外国語学部でも勉強したので、大学の勉強の復習を行いました。どの分野も自分で例を用いて他人に説明できるようにするのがポイントです。私は実家暮らしだったので、晩御飯のときに父母や兄にずっと説明していました(一方的に)。

②でも書きましたが、大学院入試で重要なのは、苦手には手を出さないことです(③)。大学入試は数学が苦手でも頑張ることに意味がありますが、大学院は得意を伸ばしに行くところですので、苦手は忘れて、得意に集中するのがお勧めです。

試験当日は経営分野・マーケティングは基礎知識を問う問題、国際経済は「大規模企業(コカコーラ等)が途上国に進出した場合のメリットデメリットについて論じよ」みたいな問題だった覚えがあります。

また、他の受験科目として、英語と面接がありましたが、英語はTOEICで一定点数以上取っていれば満点扱いだったので、利用しました。こういう時、外国語学部出身というのはラッキーです。私の受験のときは、「TOEICの結果を提出した方は退出ください」といわれたときに退出したのが30人くらいいた受験者の中で3人くらいでした。

資格試験の入試への利用の利点というのは、入試は一発勝負なのに対して、資格試験は点が取れるまで何回も受けることができる点です。もし、大学院入試に英語のテストがあり、TOEICで代用化であれば、是非利用してみてください。

面接は事前に提出した研究計画書に対する質疑応答と大学での勉強についてでした。私は研究計画書で中南米のことを書いたので、「何でうちの大学なの?」としつこく聞かれましたが、とにかく「入りたい」気持ちを熱をこめてアピールしました。

また、大学の成績と卒業論文の提出もありました。大学の成績は微妙でしたが、卒論はかなり一生懸命取り組んだ(資料集めに南米ウルグアイまで行った)ので、この論文は評価されたかなとおもいます(そうあっほしい…)。

 

※入試対策について詳しい内容はこちら

sumikuni.hatenablog.com

 

 

オンラインビジネス英会話

社会人大学院を考える際にビジネス英語レベルの英語力があるととても便利ので、ビジネス英語の勉強をしておくのもおすすめ。

授業でも英語を多く使用します。

ビジネス英語を学べるオンライン英会話があるので、そちらで練習するのが良いかなと思います。実際にビジネスの最前線で活躍した経験がある講師と仕事のことや世界のことについてディスカッションしながら語学力を向上させることができます。

大学院入試の準備や授業で使う英語対策という面でオンライン英会話は役に立つかなと思うので、ぜひ無料体験などに挑戦なさってみてください。

 

※おすすめオンラインビジネス英語はこちら

classroom.hatenablog.com

 

終わりに

今回は社会人大学院について、体験談を記してみました。いかがだったでしょうか。「勉強したい」というモチベーションから、大学院に興味を持ち、リサーチ、志望校の決定、大学院入試対策、そして入試まで紹介しました。

今振り返ってみると、大学院入学までの道のりはそれ相応に険しかったと思うのですが、何よりも自分の「知りたい」が詰まっていた大学院入試でしたので、受験勉強も楽しくできたかなと思います

尚、社会人特別入試などを受験するときには、面接や研究計画書だけの入試だったりもしますので、こちらの作成が肝となるかと思います。

自分の問題意識、その問題解決のためのアプローチ、どういう理論を使ってどう解決するのか」など、より核心に迫った研究計画書が必要ではないかなと思います。私の場合、入社2年目の何も知らない世間知らずでしたので、一般入試で学力を測ってもらえたのはありがたかったです(社会人入試なら落ちていたはず)。

それでは、次回は社会人大学院生活について、学業と仕事の両立について学業の観点から書いていきたいと思います。

 

社会人大学院 学業と仕事の両立はこちら

社会人大学院 学業と仕事の両立(学業編)-空き時間活用と効率的な勉強が鍵 - すみくにぼちぼち日記

 

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