切断加工には様々な種類がありますが、その中には丸鋸を使用する切断があります。
この記事では、丸鋸切断で使う工具のひとつ「チップソー」の基礎知識をご紹介します。
チップソーの基礎知識-木材切断とアルミ・非鉄金属切断
切削は、ものづくりの最初の工程で切り削る加工方法です。
「切る」工程と「削る」工程では加工方法や工具が大きく異なっています。切削加工の中の切る工程ではレーザーや水圧などの方式があり、丸鋸での切断もその一つです。
丸鋸にはチップソー、コールドソー、ホットソー、メタルソーなどの工具がありますが、この記事ではこの中のチップソーの基礎知識をご紹介します。
チップソーの概要
チップソーは、刃が切り込んである金属の円盤状の台金に超硬チップがロー付けされている工具です。
丸鋸には様々な種類がありますが、チップソーは常温で軽切削を行う際に使用されます。
チップがポジの場合が多く、鈍角の切削となる、アルミ厚材の切削でもスクイ-5度程度です。
被削材はムクの木材、木質ボード、アルミなどとなります。
チップソーの選定
チップソーには、ムク木材縦挽き用、ムク木材横挽き用、ボード用、アルミ用など、用途ごとに異なる仕様が存在します。
再研磨運用が一般的です。
それぞれの工具の特徴は下記の通り。
・ムク木材縦挽き
全てフラットのB刃型で直進性重視。
刃数を減らして材焼けを防止する。
材の締め付けが強い場合には台金にワイパーチップを付けることも。
薄鋸を使用し縦方向と横方向の歩留まり向上を図れる。
・ムク木材横挽き
スクイ、研ぎ、リードそれぞれに角度をつけたC刃型か振動抑制のために平刃を入れたA刃型が多い
繊維切断となるため刃数を増やして切れ味を重視する
・ボード用
山刃と平刃を交互に配置したD刃型が多い
刃数はムク縦挽きと横挽きの中間くらい
糊に強い材質を各メーカーが準備している
・アルミ用
ボード用と同じくD刃型が多く、スクイは5度か-5度。
切削時の切断音が高いため、振動防止スリットの役割が重要
アルミプロファイリングの薄い材用にリード角をつけたタイプを販売するメーカーも
※電鋸用工具としておすすめなのはこちら
チップソーの機械
チップソーを使用する機械には一般利用できる電鋸と、工場で使用する据え付け機があります。
・縦挽き
製材用ギャングソー
テーブルソー
・横挽き
クロスカットソー
チョップソー
ダブルサイザー(合板用)
・ボード用
テーブルソー
ランニングソー(パネルソー)
・アルミ用
アルミ用切断機
チョップソー
木材と切削を詳しく知るなら
木材の特性や木材ごとの切削方法をより深く学びたいと思ったときにおすすめな本として、『トコトンやさしい木工の本』という本がおすすめ。
木材の特徴を解説しながら、その特性に適した加工方法を解説している本で、私もこの本を使って木材加工の基礎を勉強しました。
木材切削について興味があるという場合には是非こちらの本を読んでみてください。
終わりに
この記事では、切断加工の主なツールである「チップソー」について基礎知識をご紹介しました。
モノづくりでは切削工程は特に重要な工程ですので、工具は良いものを選定するのが重要。また、問題が発生した時には工具メーカーに相談するのがおすすめです。
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