すみくにぼちぼち日記

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コロナ禍の海外駐在3年目 新規取引先数が1.3倍に-1年目,2年目の取り組みが3年目の結果へと繋がった

海外駐在3年目はコロナ禍で仕事も難しく、昨年達成した過去最高売上の更新はなりませんでした。そんな中で、新規開拓にこつこつと取り組み、新規取引先数を1.3倍に拡大し、2021年を迎えることが出来ました。

この記事では、2020年の取り組みについて振り返りたいと思います。

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海外駐在3年目 コロナ禍でも新規取引先数が1.3倍に-1年目、2年目の取り組みが3年目の結果となって

コロナという一つのウィルスによって世界が一変した2020年。

1月、2月、3月と2019年の最高売上を更新するペースの成績を収めていたところに突然のコロナで経済が停止。メキシコでは、4月、5月は仕事が自粛となり、売上はほぼ0に。最高利売上げ更新どころか年間予算達成も不可能な状態になってしまいました。

また、売上が減ることで、会社で働いてくれているスタッフのお給料の変更なども考えなければならない可能性も出てくる事態となりました。実際、メキシコでは、多くの企業でスタッフの給料の見直しや人員整理を行わざるを得なかったという話も聞き、私の会社は満額払い続けることが出来たのですが、次同じようなことが起こればどうなるかわからない、という状況でした。

そんな中、目指したのが、「新規開拓」でした。

既存顧客の減産やコストカットが続く中、2020年にやるべきこととして6月以降に集中したのが新規開拓。どの企業もコストカットを目指しているということは、逆に言えば参入のチャンスがあるということでもあります。

そのため、未参入企業への新規参入を第一目標とし、また、急速に広がったZoomというインフラを生かした営業活動を、6月から開始。最終的な結果として予算には届かなかったのですが、新規取引先数を1.3倍に伸ばすことができ、過去最高売上を記録した2019年の1.4倍に迫る結果となりました。

 

※2019年までの取り組みはこちら

sumikuni.hatenablog.com

 

ビデオ会議のインフラを生かし地域拡大

コロナによってこれまでとは異なる仕事の有り方を考えなければならなくなり、時代が大きく動いた2020年。その変化の中でも、Zoomを中心としたビデオ会議システムの普及により仕事の効率が大幅に高まったと言う方も多いのではないでしょうか。

私の会社も例に漏れず、メキシコ国内で急速に普及した情報インフラである「Zoom」によって、これまで営業活動が出来なかった遠方の地域や危険地域への営業活動が可能となり、国内市場での新規参入の為の大きな原動力となりました。

特に未開拓で市場の有無も分からない地域へは、コロナ前には訪問しようという決心もつかず、市場調査すらできていなかったのですが、一転、誰もがZoomというインフラを手にしたことで、1時間あれば市場に関する情報を直接確認できる時代へと変わり、これまでの限定された営業活動から、メキシコ全土へと営業活動を行う地域を広げることができるようになりました。

更に、既存のユーザーや地域であっても、これまでのように出張してオフィスに行って会議や商談、情報収集を行うのではなく、全てZoomを用いて行うことで、移動時間の短縮や待ち時間の短縮を実現できて、営業効率を飛躍的に高めることが出来ました。

そして本当に必要な場合にのみ訪問することで、ユーザーとの関係深耕も進めることできた一年となりました。

 

※コロナ禍で取り組んだことのまとめはこちら

sumikuni.hatenablog.com

 

メキシコ国内での知名度の向上

新規参入数を2020年のレベルで維持できた2つ目の理由として、メキシコ国内での知名度が上がったことが挙げられます。

私が赴任する前は、取引先数が現在の約半分しかなく、販売している製品や参入している分野もかなり限定的で、会社の知名度が低い状態でした。

赴任後、こつこつと新規参入への取り組みを続け、3年目の今年、取引先数ベースで2017年(赴任前)の倍、商社を経由したユーザーへの販売数では更に多くの分野・ユーザーへ参入してきました。

この3年間のポリシーとして、小さな仕事も大きな仕事も関係なく、どの仕事も丁寧に取り組むという姿勢を貫き、地道に取引先数を増やしてきたのですが、その活動が功を奏して、市場でのブランド認知度が高まってきました。

「へー、日本の会社ね」くらいの感じだった認知度が、現在では「○○さんに聞いたんだけど、すごく良い製品らしいね」と言っていただけることも増えてきて、1年目、2年目の取り組みが実になってきたなと実感しています。

ブランドが浸透すれば、それだけ興味を持ってくださるお客様も増え、新規参入までにかかるスピードも上がっていきます。

これまでの地道な取り組みが、この3年目の新規参入数に表れているのかなと思うと、メキシコでの駐在生活が意味があるものだったのかなと感じます。

 

メキシコ人スタッフの成長と自立

3年前、メキシコに赴任してきて愕然としたことがあります。それが、社員が指示待ちで、何も出来ないということです。

これまでメキシコに駐在してきた駐在員は皆、営業の第一線で活躍するエースのような人々で、「何でも自分でやる」、というスタイルだったそうです。

メキシコ人スタッフも、言われたことをやっていれば良いという意識があり、創意工夫が見られませんでした。

赴任してから最初に取り組んだのがここの改善でした。3年が過ぎて、これまで実施してきた社員の育成が目に見える形で結果になってきたなと感じています。

普段の仕事中でも、もう私が指示を出すことは殆ど無くなり、経過確認だけを行うスタイルが出来あがってきたのですが、先日ある印象的な出来事が起こりました。

営業担当のメキシコ人スタッフが、大口の新規取引先候補の商社を探してきて、事前準備、当日のプレゼンまでを全て自発的行い、テスト契約の成約まで達成したのです。

商社発掘から契約まで、逐一私に報告をくれていたのですが、私は、幕末長州藩の「そうせい侯 毛利敬親(もうりたかちか)」よろしく、「うん、やってみて」しか言いませんでした。

その中で自分で企画して、考えて、実行して、成約させるというのはとても素晴らしいことだと感じましたし、実行して結果を出すほどに成長してくれたのは、これまでメキシコ人スタッフのポテンシャルの高さを信じて、「明るく、自主的に、自立して」を目標に掲げてきた結果かかなと、嬉しく思いました。

自分ひとり、駐在員だけで頑張って仕事をしていても、企業が飛躍的な成長を遂げるのはとても難しいことです。ですが、赴任先の会社がチームとして、社員一人ひとりが工夫して仕事に取り組むことで、大きな成長を遂げることも可能となります。

2020年は売上という数値に関しては目標に到達しませんでしたが、新しく多くの企業との取引を開始することができ、2021年の飛躍の為の種まきを出来たかなと思います。その原動力となったのが、会社のメンバー一人ひとりの成長だったなと感じる1年となりました。

 

※実践したスタッフの育成はこちら

sumikuni.hatenablog.com

 

終わりに

この記事では、コロナ禍で大変な年となった2020年の取り組みを振り返ってみました。

売上という面では途中の経済活動の停止が大きく響き、中々難しい年となってしまいましたが、反面、新規に取引を開始した客先数を順調に伸ばすことができ、2021年、2022年に向けた弾みをつけることが出来た年となったなと感じています。 

2020年で大きく新規取引先数増やすことが出来た鍵となったのが、

①Zoomの普及による新しい地域への新規参入

②2020年までに取り組んできたことが実り知名度が向上したこと

③スタッフの成長により仕事のスピードと質が向上したこと

の3つでした。

2021年は2020年に蒔いた種を大きく育てることを目標に、仕事に取り組みたいと思います。

 

※海外駐在の仕事内容についてはこちら

sumikuni.hatenablog.com

 

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