大学選びで外国語を生かした学問をメインにしたい場合の選択肢の一つとして、国際系学部や国際系学科があります。
国際系の学部学科は、実は多くの種類があり、同じ国際○○学科であっても、国際関係なのか、国際文化なのか、国際経営なのかで学べる学問の内容が大きく異なります。
この記事では、国際系の学部学科の中で、それぞれがどのような勉強を行うところなのかについて、ご紹介していきます。
- 国際系学部学科の違いについて-同じ国際系大学でも学ぶ内容は大きく異なる
- 国際関係-国家間の関係を幅広く学ぶ
- 国際文化-国境を越えた文化,文学,芸術を学ぶ
- 国際経営-経営学の一つ
- 国際経済-経済学の一分野
- 国際政治-政治学の一つ
- 国際コミュニケーション-コミュニケーションの専門家育成
- 国際開発-グローバルな開発学を学ぶ
- 国際教養-リベラルアーツを学ぶ
- 外国語学部-地域研究を行う
- 英語は高校生の間に話せるようになるのが理想
- 受験勉強にはスタディサプリがおすすめ
- 終わりに
国際系学部学科の違いについて-同じ国際系大学でも学ぶ内容は大きく異なる
国際系の学問は、同じ「国際」という名前がついていても、学問の分野・領域によって学ぶことが大きく異なります。
例えば国際関係学科と国際経済学科では、政治学科と経済学科くらい研究対象が異なっており、いうなれば全く別の分野の勉強を行います。
そのため、「国際」という名前に惹かれて大学選びを行うとき、その学部学科の研究対象を十分に調べていない場合に、入学してから自分の勉強したかったことと違う、という事態が発生することがあるのです。
この記事ではそんな無数にある国際系の学問について、それぞれの学問の概要をご紹介し、国際系学問の違いを考えていきたいと思います。
※英語が得意な場合の学部の選び方はこちら
国際関係-国家間の関係を幅広く学ぶ
国際系学問でも幅広く国家間関係を学ぶことができるのが国際関係学です。
国際関係は2国間もしくは多国間での相互理解を目的とした学問で、経済、政治、軍事、宗教、言語など、国家間関係を研究します。
国際関係学部・学科の授業では「国際関係概論」や「国際関係史」などから「国際政治」、「国際経済」など、より具体的な学問を学べる分野です。
国際文化-国境を越えた文化,文学,芸術を学ぶ
国際文化学は、国境を越えた文化や芸術を学ぶ学問です。
文化や言語というのは、1つの国に1つが存在しているわけではなく、1つの国に何個も存在していたり、国境を跨いで1つの文化が存在していたりしています。したがって、文化という視点から国際を考えると、それは国家間のことのみならず、国境を超越した視野で物事を考える必要があるのです。
国際文化は、「日本文化」、「カナダ文化」、「コートジボワール文化」のような国ごとの枠組みではなく、それを超えた視点で人々の生活を捉える学問だといえます。
※ギリシャ神話についてはこちら
国際経営-経営学の一つ
国際経営は国際という名前がついていますが、経営学の中の1分野と捉えるほうが分かり易い学問です。
国際経営学部学科では、マーケティングや企業論、戦略論、企業経営など、「ビジネス」を学びます。
ビジネスといってもあまり良く分からないかもしれませんが、言ってみれば企業が企業活動を国際的に展開する場合のモデルや理論を研究する学問だといえます。
例えば世界に進出している日本メーカーが、インドネシアで製造し、アメリカのドイツ系企業に物を販売したりしています。その様な企業活動で、どのような理論に基づいて企業活動を実践しているのか、また、新しい形態であればそこからどのような理論を導き出せるのか、を学ぶのが国際経営であるといえます。
国際経済-経済学の一分野
国際経済も国際と冠していますが、経済学の一分野と言える学問です。
地域経済、国際金融、貿易、国際開発など、政府や企業などの国際的な経済活動に必要な知識を学ぶ学問で、特にお金の動きについて研究する学問であるといえます。
国際経営が企業の動き主眼を置いていたのに対し、国際経営はお金の動きに着目する分野です。特に貿易論やマクロ経済など、聞いたことがあるような無いような分野を学びます。
イメージが中々湧きにくい分野ですが、例えば比較優位という考え方が貿易論にはあるのですが、こちらの記事でその比較優位の理論について一度確認してみてください。
国際政治-政治学の一つ
国際政治学は政治学の一分野です。
政治とは何か、と言うことから、民族間の紛争や、外交、人権、資源、食料、環境問題、経済などの国際問題を掘り下げて考え、政治学の観点で分析する学問です。
国際政治学、国際法、外交史、安全保障論といった国と国の関係を分析する学問や、国家の枠組みを超えた制度や環境や平和などについても学ぶことができます。
※政治学についての例はこちら
国際コミュニケーション-コミュニケーションの専門家育成
国際コミュニケーションはそのままコミュニケーションを学ぶのですが、コミュニケーションと言っても言葉のやり取りだけでは有りません。
相手の国の文化や思想を知り始めて円滑なコミュニケーションを実施することができますから、当然異文化理解なども学んでいくことになります。また、メディアや心理学など、言葉を媒体としたもの、言葉では表せないものも研究対象となります。
異文化コミュニケーション、対人コミュニケーション、多文化共生など、円滑なコミュニケーションに必要なもの全てを学ぶ分野です。
※スピーチや演説についてはこちら
国際開発-グローバルな開発学を学ぶ
国際開発学は国際開発や人道的活動について研究する学問で、移民、紛争、政治的生態、援助などのグローバル課題を幅広く扱う分野です。
開発や援助ということで、文系的な見地のみに限定されず、農業や工業の視点からも国際開発に向けたアプローチを行います。
国際教養-リベラルアーツを学ぶ
所謂「専門」を持たない学問が教養学です。例えば、「政治学」なら、政治を専門的に研究するので、政治のスペシャリストになることが可能ですが、政治的な視点での解決が難しい課題などに対するアプローチ方法を考えるのは専門外となってしまう可能性があります。
そんな「専門性」の限界から脱却することを目的とした学問が「リベラルアーツ」、つまり教養学であるといえます。
多様な視点から問題を多角的に論じる力を養い、また、グローバル規模で複雑に絡み合う問題に対して、広い視野をもって本質を見極めることを目的に学問を行うのが国際教養学であるといえます。
※ヨーロッパ史についてはこちら
外国語学部-地域研究を行う
国際、という名前はつかないのですが、海外を扱う学部が外国語学部です。
国際系学部が全体を見るのに対し、外国語学部は先行地域のスペシャリストを目指す学部です。例えばスペイン語圏を研究する学科であれば、スペイン語を使用してスペインやラテンアメリカの政治、経済、文学、文化、言語などを学びます。
※外国語学部の研究内容はこちら
英語は高校生の間に話せるようになるのが理想
英語が得意な高校生におすすめしたいのが、英語を話せるようになるのは高校生のうちが良いということです。
多くの場合、高校では読み書きとリスニングを頑張って、話す練習をしないことが多く、大学に入ってから話す練習をする学生が多いのですが、言語習得は「若ければ若いほど言語習得が早い」といわれています。ですから、高校生の間に英語を話す練習を沢山するのが英語習得の為の近道です。
最近ではDMM英会話 などのオンライン英会話教室でも質のいいレッスンを受けることができますので、是非活用してみてください。
※高校生におすすめのオンライン英会話の比較記事はこちら
高校生の間に英語を話せるようになっておくことで、大学の勉強で「英語を使った勉強ができるようになること」や「英語以外の言語を習得できること」、「英語を使いながら海外で活動できること」など、英語を習得する時間を他の活動に充てることができ、大学の活動や研究を一段階高めることができるようになります。
ですから、英語が得意であれば是非英語を話す練習に力をいれて高校生活を送ってみてください。
※英語を話せるようになるための練習方法はこちら
受験勉強にはスタディサプリがおすすめ
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※スタディサプリの感想はこちら
終わりに
今回は大学選びのときに違いが良く分からない国際系の学問について、それぞれの学問の概要をご紹介しました。
今回見てきたように、同じ「国際」という名前がついた学問であっても、研究対象は大きく異なっています。
大学選びの際は「国際」という名前の後に続く学問領域の中で、自分が一番興味がある分野を選択することが、充実した大学生活を送る鍵であるといえます。
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※外国語学部と国際学部の違いはこちら