スペイン語はスペイン本国及びラテンアメリカ各国で母語として使用されている言語で、世界全体でのスペイン母語話者数は4億2千万人に上るといわれています。そんな巨大言語スペイン語ですが、実はスペイン語は4つあるというのをご存知でしょうか。
今回はスペイン語として知られている4つの言葉がどのようなものなのかをご紹介します。
- スペイン語とは何か-カスティーリャ語, カタルーニャ語, ガリシア語, バスク語の違い
- 3兄弟と一匹狼-スペイン語グループ分け
- カスティーリャ語-スペイン・中南米で広く普及している言語
- カタルーニャ語-フランス語の影響を受けたスペイン東部で使用される言語
- ガリシア語-ポルトガル語がスペイン語風に変化したガリシア地方の言語
- バスク語-スペイン北部のバスク地方の言語
- オンラインスペイン語の活用でトリリンガルに
- 終わりに
スペイン語とは何か-カスティーリャ語, カタルーニャ語, ガリシア語, バスク語の違い
一般的にスペイン語と聞いて思い浮かべる言葉は、実はカスティーリャ語と呼ばれるスペインの中で使用されている一言語を指します。
ラテンアメリカで多く使用されている言語もこのカスティーリャ語で、スペイン全土でも通じる言葉です。
一方で、スペイン人の中にはこのカスティーリャ語のことをスペイン語と呼ぶのを嫌う人々も一定数いるのです。
何故、スペイン語なのにスペイン語と呼ぶのを嫌うのか、その答えはスペインの中で話されている他の公用語の存在の中にあります。
実は、スペインではカスティーリャ語の他に、カタルーニャ語、バスク語、そしてガリシア語が公用語とされています。
「スペインで話される言葉=スペイン語」だとするならば、これら4つ全てをスペイン語と呼ぶことができるはず。その点で、カスティーリャ語以外の言語を母語としているスペイン人は、カスティーリャ語のことをスペイン語と呼ぶことに違和感を覚えるのです。
この記事では、スペインで話されている4つの言葉について、それぞれどのような言葉なのかをご紹介します。
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3兄弟と一匹狼-スペイン語グループ分け
スペインでは4つの言語が話されているのですが、うち3つはロマンス諸語と呼ばれる3兄弟です。スペインの中で話されるロマンス諸語はカスティーリャ語、カタルーニャ語、ガリシア語があります。ロマンス諸語は元々ローマで話されていたラテン語を起源とする言語グループで、ヨーロッパではイタリア語、フランス語、ポルトガル語、ルーマニア語などが代表的な言語です。
一方で、スペイン北部で話されているバスク語は、ロマンス諸語ではなく、世界で日本語と並んで唯二つ、兄弟がいない(どの言語グループにも属していない)言語として知られています。
※ロマンス諸語はこちら
カスティーリャ語-スペイン・中南米で広く普及している言語
スペインでは大きく分けて4つの言語が使用されていることが分かりましたが、ここではまず、一つ目の言語である、カスティーリャ語をご紹介します。
私たちがスペイン語というとき、通常このカスティーリャ語を指します。つまり、私が今住んでいるメキシコやその他中南米カリブ諸国(アルゼンチン、ウルグアイ、ペルー、コロンビア、ベネズエラ、キューバなど)ではこのカスティーリャ語が話されているのです。
カスティーリャ語は合計21カ国で公用語として使用されており、世界全体での母語話者数は4億2千万人に上るといわれています。
スペインでは首都マドリッドを中心に広く使用されていますが、言語を有する地域ではそちらの言語が第一言語、カスティーリャ語は第二言語という位置づけとなっています。
※スペインのマドリッドの観光記事はこちら
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カタルーニャ語-フランス語の影響を受けたスペイン東部で使用される言語
二つ目はカタルーニャ語。この言葉は現在も、「独立する・しない」で世論が二分されている、カタルーニャ地方で話される言葉。
カタルーニャ地方(ガウディで有名なバルセロナがある地方)に住むためにはカタルーニャ語を勉強しなければなりません。カタルーニャ語はフランス語からの影響を強く受けており、スペイン語とフランス語のどちらの要素も持っている言語です。
フランス南部の北カタルーニャ地方でもカタルーニャ語は話れています。また、フランスとスペインを隔てるピレネー山脈にある国アンドラはカタルーニャ語を公用語としています。イタリアのサルデーニャ島のラルゲーでも少ないながらカタルーニャ語話者がいます。
カタルーニャ地方はスペインの経済的中心地で、地域的にも独立心が強いです。カタルーニャ語を話すスペイン東部、特にバルセロナでは、カスティーリャ語を話したくない、と言う方もいます。外国人に対してもカタルーニャ語で話しかけるほど、カタルーニャ語及びカタルーニャ文化に誇りを持っている地方の言語です。
※カタルーニャ地方のバルセロナの記事はこちら
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ガリシア語-ポルトガル語がスペイン語風に変化したガリシア地方の言語
ガリシア語はスペイン北西部のガリシア地方で話されており、スペイン語とポルトガル語の間の言語。基本はポルトガル語で発音がスペイン語風といった感じの言語です。
他の3つの言語よりも独立性が低い言語で、ガリシア地方ではカスティーリャ語のほうが圧倒的に優勢な言語であることは間違いありません。その結果、ガリシアはガリシア語が必修科目のはずなのに、ガリシア語を話せないガリシア人も多くなってきています。
例えば、ア・コルーニャと言う町は、その名前がガリシア語で登録されているのにも関わらず、ガリシア語を話せない人が増えてきいるそうです。特に人々の移動範囲が広がっている昨今、両親のどちらかがカスティーリャ語だけを話す場合、両親の会話はカスティーリャ語となり、ガリシア語が子供に継承されません。また、ガリシア語を話せてもガリシア地方でしか使用されないため、使う機会の少なさから話者が減少するのも納得できます。
少数言語を守っていくというのはどこの国でも難しいようです。
※ガリシア地方のア・コルーニャの紹介記事はこちら
バスク語-スペイン北部のバスク地方の言語
スペイン北部に位置するバスク地方はヨーロッパ人が避暑のために利用する有名なリゾート地です。
バスク語は他の3言語と異なり、ラテン系の言語ではありません。バスク語は世界でも珍しく兄弟がいない言語として特異な存在であり、同じく兄弟がいない言語である日本語と並ぶ珍しい言語と認知されています。
バスク地方は以前は独立志向が高い地域で、スペイン中央政府のと小競り合いが続いていましたが、昨今は落ち着いてきており、スペイン中でも特に美食とリゾートで有名な地方となっています。
カタルーニャ語同様、バスク語はフランス南部でも話されており、フランス側は「ペイ・バスク・フランセ」と呼ばれています。
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オンラインスペイン語の活用でトリリンガルに
一昔前は、外国語を日本で身につけるのは大変でしたが、現在では十分に仕事で使えるレベルまで引き上げることができるようになりました。
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終わりに
今回は、スペインで話されているスペイン語について、実はスペイン語と認知されているものは4つあり、そのうちの一つカスティーリャ語が、私たちが考えているスペイン語だ、ということをご紹介しました。
スペインは地方によって文化や言語、建築物などが大きく異なっており、地方ごとに魅力溢れる国です。
スペインで話される4つの言語は、どれもとても美しい言語ですので、是非一度この4つのスペイン語に触れてみてください。
※スペイン語へのアラビア語の影響はこちら