すみくにぼちぼち日記

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メキシコのコロナウィルス(Covid-19)の状況と経済活動の再開について

メキシコのコロナウィルスの状況は悪化する一方で、新規感染者数、死亡者数は増加の一途をたどっています。そんな中、政府は6月1日からの経済活動の再開を決定。メキシコ国内の各州を危険度ごとに色分けし、各色ごとに対策方法を説明、経済の回復に力を入れていく模様です。今回はそんなメキシコのコロナウィルスの状況についてご紹介します。

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メキシコのコロナウィルスの状況(2020/6/5)

メキシコのコロナウィルス対策はまだまだ感染者数が少なかったときから実施されており、公園やレストラン、ショッピングモールの閉鎖、スーパーの人数制限、お店での消毒、マスク着用義務、企業活動の停止、外出自粛要請など4月から5月末まで厳しい制限がされてきたのですが、状況は悪化する一方となっています。

6月に入っても感染者数、死者数共に増加しており、6月4日時点で感染者数10万5680人、死者は1万2545人となりました。

メキシコの各州ごとの色分け

メキシコ政府は各州ごとに危険度の色分けを実施しているのですが、状況はこの様に、ほぼ全域が危険地域となっています(下記色分けは陽性の患者数。黄色が101から250人、ピンクが251から500人と続いていき、紫は20,000人以上)。

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出展:https://www.marca.com/claro-mx/trending/coronavirus/2020/06/03/5ed796feca4741686d8b462c.html

メキシコの状況は未だ改善されず、色分け自体に意味があるのかがわからないほど、全域が赤で染まってしまっています。

メキシコの医療体制

メキシコの医療体制は日本のように整っておらず、私としては、コロナにかかったら最期かなと思いながらメキシコで暮らしています。

1,000人あたり病床数は1.0床で、日本は13.7床(世界一)なので、その13分の1。イタリアで3.2、アメリカで2.7、ブラジル1.7ですから、イタリアやアメリカ、ブラジル以上に危険な状況に陥る可能性を十分に秘めていると考えられます。

また、2019年時点で、人口1万人あたり医師数は26人、看護師数は30人となっており、アメリカ州(南北アメリカ)の人口1万人あたりの医師26人、看護師54人よりも低い値となっています。尚、日本の人口1万人あたりの医師は26人、看護師が123人ですからそういう面でも素晴らしい国だといえます。

※出展:経済産業省HP

https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/iryou/downloadfiles/pdf/countryreport_Mexico.pdf

メキシコで経済活動の再開

この状況下で、メキシコ政府は経済活動の再開を決定しました。メキシコの経済はアメリカ経済と密接な関係を持っており、アメリカの自動車メーカーなどが活動を再開するのであればメキシコも追従する必要がありますし、企業活動停止で失業者が増加すると犯罪が増える可能性があるためだと予想できます。

残念ながら、メキシコ政府はコロナでの活動自粛の際、企業にも個人にも金銭的な支援を行っておらず、特に貧困層や日雇い、サービス業などで生計を立てている場合などは経済的な困窮進む一方でした。

メキシコで企業活動再開に際してはIMSS(社会保険庁)が指針を出しており、感染対策を行ったうえでの企業活動開始となります。また、IMSSがHP上で実施している講習を受講する必要があり、講習を受講した上で、且つ企業活動が再開されます。

企業の規模、形態などで満たさなければならない要綱が異なっており、各企業が各自確認し、対策を実施する必要があります。

※IMSSのHPはこちら

http://www.imss.gob.mx/covid-19

会社のコロナ対策

私が勤務している会社も例に漏れずコロナ対策を実施したうえでの活動再開となります。会社が実際に実施しているコロナ対策は下記の通りです。

①出勤前の体温測定、症状が疑われる場合の出勤停止
②出退勤時及び業務中のマスク使用徹底
③アルコールジェルの設置、出退勤時の使用、頻繁な手洗いの推奨
④事務所、現場入室前の靴底消毒のマット設置及び使用
⑤業務時のソーシャルディスタンスを最低1.5mとること
⑥ドア取っ手部分及び事務机周りの始業前消毒
⑦機械パネル、取っ手やハンドル及び冶工具の始業前消毒
⑧女性髪飾り、男性ネクタイ着用禁止、アクセサリーの使用禁止

また、各州がそれぞれコロナに対する対応策を策定しており、そちらも参照する必要があります。

メキシコのコロナの状況について考えたこと

4月、5月とメキシコ全土で感染対策を行ってきたのですが、残念ながらそれが結果に繋がっていないまま6月を迎え、経済活動が再開されることとなりました。

4月、5月と大都市ではコロナ対策で道端の人が減っていたと思うのですが、村々ではいつも通りの光景を目にすることができ、普通にマスク無しの人が町に溢れかえっていました。また、貧困層が多いメキシコではコロナ感染対策を実施するのが難しい層も一定数存在したと考えられますし、その点に関してもコロナ感染を食い止めることができていない要因ではないかなと感じています。

また、自粛期間である4月から5月までの状況よりも悪化している中で、経済活動が再開されるというのは、どういう理屈が働いたのか分からないというのが心境です。状況が改善されない中、対策を施すとは言え普通に仕事が始まっているわけですから、これまでよりも感染リスクが高まるというのは必然ではないかと思います。

終わりに

今回はメキシコのコロナウィルスの状況と今後の経済活動再開についてご紹介しました。コロナウィルスの状況が悪化している中での経済活動再開が凶と出る可能性は大いに有ると思いますが、各企業がコロナ対策をしっかりと実施し、状況がこれ以上悪くならないように気をつけていければいいなと思います。

 

※コロナで変わった営業の話しはこちら

sumikuni.hatenablog.com

 

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