コロナウィルスの影響で、9月入学の議論が巻き起こっている昨今、これまでは早生まれではない月に生まれた子どもたちが早生まれになるかもしれないという心配をされている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ちなみに私の子どもは1月生まれで今のところ早生まれ、私自身は3月30日生まれと早生まれの中の早生まれ、生粋の早生まれで、学年で一番年下という人生を送ってきました。
今では気にならない早生まれ(むしろずっと若くて得)ですが、子どもの頃は確かに不利だったりすることはありました。
今回はそんな早生まれに生まれて損したことと得したことをご紹介し、早生まれ、そんなに悪いことばかりじゃないよという視点で早生まれについて書いていきたいと思います。※本記事では経済的、政治的な損得に関しては考慮していません。
- 早生まれはいつからいつまで?
- 早生まれで一番不利なのはスポーツ-小学校4年生までは我慢の時期
- 学力で不利だと感じたことは無いが成績は悪い
- 皆に可愛がられる人生で甘える能力が身についた
- できないのが当たり前で挫折感がない
- 1年の浪人・休学・留学・留年によるデメリットがない
- 高校以降の差はない
- 大人になってからは絶対得
- 終わりに
早生まれはいつからいつまで?
基本的に早生まれと呼ばれるのは、1月2日から4月1日に生まれた子どもたちです。何故4月1日なのかというと、学校教育法という法律で、「満6歳となった時点で最初に迎える4月1日に子どもが入学する」と定められており、4月1日生まれだと、3月31日時点で満6歳になるため、3月31日までに生まれた子どもたちと同じ学年になります。
早生まれで一番不利なのはスポーツ-小学校4年生までは我慢の時期
「早生まれあるある」だと思うのですが、早生まれの場合、小さい頃は背の順で前から1番目、2番目とかだったりします。そして、その影響を一番受けるのはスポーツの力です。
私の場合、4月生まれの同級生と比べて1年近く遅く生まれたので、体も1歳分小さい、運動能力も1歳分低かったのですが、小学校4年生まではこの運動能力の差が大きく、運動会ではいつもビリでした。見に来る親にはかけっこの時、「見なくて良いよ、絶対ビリだから」といつも言っていました。
体育の授業も逆上がりや二重跳び、クロールなどがいつまでたってもできなくて、家で兄姉に特訓して貰う日々。「自分は運動ができない」とずっと思っていました。また、部活もついていくことができず、4年生で入ったサッカー部はほぼ行きませんでした。
転機は小学校5年生-5年生になれば追いつき追い越せる
そんな状況が変わったのは、小学校5年生の時。成長期となり、体も追いついてきて、背の順で後ろから3番目に。するとスポーツで逆転現象が起こります。
まず、かけっこが速くなります。続いて、ドッジボールが強くなり、休み時間でやっていた「どろけい」や「ドッジボール」、「さんぱん(ボールを持ったら三歩あるけて、近くの子にボールを当てる遊び)」などでだんだんと対等に、若しくはそれ以上に活躍できるようになっていきました。
部活では、小5から一生懸命部活に行き始め、小5の冬の新人戦でレギュラーに、小6の引退までずっとレギュラーで試合に出続けることができました。部員が70人くらいいるサッカー部の強豪チームでした。
中学1年生の時には50m走で学年1番になり、バレーボール部では1年生からレギュラー、2年次からキャプテン、市の選抜選手にも選ばれることができました。
体が小さいながらに同級生と同じ運動を頑張った結果運動能力が上がった
小5から急成長した運動能力ですが、個人的に小4まで、自分より1歳近く年が離れた同級生と同じように運動していたため、飛躍的に運動の基礎能力がつき、体の成長に伴ってそれが実を結んだのだと思います。
ですから、小学校低学年、中学年の時に運動ができなかったとしても、大きくなればその頃の苦労が報われますので、安心して、子どもを見守るのが良いのかなと思います。
学力で不利だと感じたことは無いが成績は悪い
学力で劣ると感じたことは無いです。幼稚園は年少から行っていましたし、親もその年齢にあった接し方をしてくれていたので、とりわけ字が覚えられなかった、テストの点数が悪かったということはなかっです。
周りと同じように授業を受けるのは難しい
学力面で問題は無かったのですが、成績面では顕著に差が出ました。所謂「意欲・関心・態度」というものです。
例えば、授業の態度は、1年生には1年生の態度、2年生には2年生の態度が求めれるのですが、2年生になっても自分の精神年齢は1年生ですので、皆と同じように「きっちり」授業を受けることはできませんでした。
当然、通知表は悪かったです。これは中3まで続きました(ここまで続くというのは個人の性格の問題かもですが)。
小学校受験、中学受験では不利なことも
小学校、中学受験を考えている場合には不利に働くということもあります。
というのも誕生日が直接言葉の発達度合いに影響するからです。
学校側も、多様化が叫ばれる昨今ですので、その辺も考慮してくれればいいなあと思います。
内申点は低くてもテストの点数は悪くない
内申点は取れなくても、テストの点数は周りの子と同じように取れていました。テストの点数については、家庭学習や学校の授業をしっかりと取り組んでいれば何の問題もありません。
内申点が必要な中学受験や高校の公立入試では多少の違いが出てくるかもしれませんが、大学受験では早生まれは全く不利になりませんでした。
英語の学習には有利-早期英語教育を自然と享受できる
ちなみに、早ければ早いほど良いといわれるのが英語教育。特に発音面では年齢が低いほど、英語の発音の基礎が身につきます。
私の時代、英語は中学校から学ぶものでしたが、私自身は小学校4年生から英語を学んでいました。見た目は小学校4年生ですが、実際の年齢的にはほぼ3年生のようなものだったので、その点で英語の発音の身につき方は良かったと思います。
また、現在も早期に英語を話し始めたことが吉と出て、英語を頭で考えて話すことは無く、自然と口から出てきます。
そのときに身につけた英語能力は今も役立っていて、大学時代は、「○○(私)の英語って、自然だよね」とか言われたり、就職して直ぐに海外部門の上司や先輩方から英語を絶賛されました。
皆に可愛がられる人生で甘える能力が身についた
スポーツや成績の面で、低学年中学年までは難しいと思うこともあったのですが、個人的に早生まれで得したこと、利点だと感じることは、「皆から可愛がられること」です。
実際、授業やスポーツ以外でも皆よりできないことが多いのも事実で、周りを見ながら真似しながら学校生活を送るようになるのですが、そんな時、先生方はもちろんのこと、同級生も何かと助けてくれました。
小さい頃から周りの皆が助けてくれるという環境に身をおいていたので、それは成長してからもとても貴重な体験となっており、大学でも、社会人になってからも、自分の「甘え方が上手」という小さい頃に身についたスキルで、誰にでも甘えることができ、物事が円滑に進んでいきます。
これは、個人的にものすごく得になっていると思います。この甘えるというのも、自発的に甘えているのではなく、自然に甘えているらしいので、自分はお願いした記憶が無いのに、皆様が「やっておいたよ」的な感じで助けてくださいます。
皆様に助けていただけるというは本当にありがたいことで、その点に関しては早生まれで得したなと思います(出世には向かないかもしれません)。
できないのが当たり前で挫折感がない
早生まれの場合、小さい頃から周りよりできないことが当たり前ですので、できないことへの劣等感がありません。
ですから、壁にぶつかった時も、楽観的に「できないけど、何とかなるかなー」という気持ちになれます。
実際、周りよりできない、進めている仕事ができない、数学が分からないなど、人生においてできないことの方ができることよりも多いです。
できないことは周りにいる「それをできる人」に任せて、自分は自分ができることだけやれば良いという、気楽な気持ちで人生を楽しむことができるようになります。
1年の浪人・休学・留学・留年によるデメリットがない
早生まれはもともと学年が1個下くらいの誕生日で生まれるため、1年休学した時にも、まったく問題ありません。何せ、同じ年に生まれた下の学年の子たちが同級生なのです。
年も殆ど変わりませんし、気持ち的にも、「本来の学年に戻った」という感覚で、過ごすことができます。
私も1年休学して世界を遊び歩いていたので、会社の同期も大学院卒の同期以外は殆ど1学年下の同期ですが、生まれた年は同じなので、「遅れた」という感覚が全くしません。
そういうところもメリットの一つかなと思います。
高校以降の差はない
中学くらいまでは早生まれとそうでない子どもたちで差が見られることがあります。それは、小学校の立ち位置が中学2年生くらいまで続くからなのですが、それ以降、中3、高1となっていくとその差は完全に無くなります。
大学も志望校に入学できましたし、就職も第一希望に就職して、27歳で海外駐在員に選出されるなど、努力が実っていると実感しています。
ですから、高校までの少しの不利も、高校以降で全く問題なく挽回できます。全然問題ありません。
大人になってからは絶対得
若さ信仰ではないですが、やっぱり同級生よりちょっとだけ若いって言うのは嬉しいものです。
皆が30歳になっても自分は1年間、半年間はまだまだ29歳。いつまでも「少し若い」感じがします。自分の中ではすごく得だなと思っています。
あとは、基本的に最年少記録を狙いやすいというのもお得です。同じことをやっても、誕生日が遅いと全部最年少記録になります。例えば、同じことをやったとしても、20歳で達成すると、驚かないですが、19歳なら「10代で!?」ってなります。同じ学年なのに、誕生日が遅い方が得なのです。
この最年少というブランド?で得したことが人生で数回ありました。
終わりに
今回は「早生まれは損なのか、得なのか」をテーマについて自分の経験をもとに考えていました。家族計画などで早生まれを回避したかったのに子どもが早生まれになったなどで悩んでいる親御さん、「それほど気にしなくて良いですよ」です。
人生良いことも悪いこともあります。早生まれでも良かったなと思うことも多いです。ですから、生まれた月に関わらず、子どもが自由にすくすくと育っていくのを温かい目で見守れたら良いなと思います。
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