家族帯同で海外駐在となった時の負の側面、それは喧嘩が増えること。日本では気にならなかった些細なことが気になり、喧嘩に発展してしまいます。
今回はそんな海外駐在で増える喧嘩について、その原因を考えてみたいと思います。
家族帯同海外駐在で喧嘩が増える
海外駐在で家族帯同になると良いことがたくさんあるのですが、数少ないデメリットの1つが、喧嘩が増えること。
日本では気にも留めなかったことにイライラし、怒鳴り合いにまで発展してしまう始末。特に家族帯同となって1ヶ月後くらいから、喧嘩が増え始め、3、4ヶ月でピークに。その原因はストレスです。
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駐在員側の原因
喧嘩が多くなる家族帯同駐在員生活。まずは駐在員側の原因を考えてみたいと思います。
仕事のストレス・プレッシャー
海外駐在は仕事のプレッシャーがすごいです。会社を切り盛りする日本人は少人数。現地スタッフをまとめ、不測の事態には知恵を出し合い会社を継続させていかなければなりません。また、本社からのプレッシャーも大きいため、仕事のストレスが増えます。この様な極度のプレッシャーを毎日感じることで、気づかないうちに心が負担を感じているのです。
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安全面に関するストレス
安全面でも常にストレスを抱えています。特に車で遠出する時や出張時。私はメキシコに駐在中なのですが、仕事で危ない地域にいくこともあります。その時には神経を張り巡らせて、ものすごく注意する必要があります。
また、日常生活でも家の外では絶対に気を抜いてはいけません。いつでも緊張状態にあるため、精神的にストレスが溜まってしまうのです。
家族からの文句に辟易
駐在となった時、帯同家族からの文句がすごいです。とくに家族が駐在先に着いてから数ヶ月は覚悟してください。これは帯同家族のストレスから来るものなのですが、分かっていても自分もいっぱいいっぱいなので追い詰められていきます。
我が家での文句は下記のようなものがありました。
①家がおしゃれじゃない
②日本人が少ない
③車がほしい
④繁華街から遠い
⑤仕事に関する文句
⑥待遇に関する文句
家に関することに関して言えば、こちらとしては安全面、インフラサービスなどを色々考えて決定した(決める時に16件見て回った)ので、色々批判されて悲しかったです。特に、家に問題が無いので、サービスの重要性などを説明しても相手にしてもらえない辛さがありました。
※メキシコにおける家のサービスの大切さはこちら
その何ヵ月後かに妻が友達からお家のトラブルについてきいて聞かされ、そこで初めて今住んでいる家のサービスが重要だとわかったみたいでした。
また、待遇など、他の会社と比べられても自分でどうにかできる範囲ではないし、会社の規模も違うし、ただただ駐在員が追い詰められ、反発しました。また、本人も日本で働いていたのに、そういう理由を理解してくれないのには腹が立ちました。
家族側の原因
駐在員側の不満ばかり挙げても解決になりませんので、次は家族側の原因をまとめてみたいと思います。
慣れない環境によるストレス
家族が引っ越してくる時、そこは初めての場所で、本当に何も分からない状態です。ですから、自分で自由気ままに生活することができません。
慣れない生活によるストレスは相当なもの。最初は買い物にも自由に行くことができず、駐在員に頼らなければならない環境で、見も心も磨り減っていきます。
愚痴のはけ口がない
愚痴のはけ口がないというのも大きな原因の一つ。何か嫌なことがあっても聞いてもらえるのは配偶者だけ。そうなると自然と配偶者への愚痴も増えていきます。
駐在員はその愚痴を初めのうちは聞けるのですが、だんだん自分が責められている気分になり、家族と駐在員の間に摩擦が生まれてしまうのです。
常に気を使っている
帯同家族が現地で生活し始めてから時間が経つと、現地にお友達ができてきます。すると、気はまぎれるのですが、一方で、特に知り合って間もない頃は、お友達に対して毎日気を使っている状態が続きます。
慣れてくると気の置けない仲になるのですが、初期の段階では人間関係の構築だけでも一苦労なのです。
言葉が分からない
赴任先で生活する上で、多くの場合、日本語が通じない環境となります。すると、言葉が分からないため、自分で物事を決定したり、コミュニケーションをとることができなくなってしまい、それがストレスにつながっていきます。
ストレスフルな生活でも仲良く生活するために
そんなこんなでお互いにストレスが溜まる駐在員生活。当初は毎日のように怒鳴りあいの喧嘩をしていました(学生時代の同級生なので友達感覚でお互い遠慮がない)。
今思えば、何であんなに些細なことで喧嘩していたんだろうと思うのですが…
とはいえ、この喧嘩ばかりの毎日に終止符を打つべく、二人で話し合いを行い、少しでも仲良く暮らすためにどうしたら良いのかを考えました。
どうしようもないことへの文句は言わない
喧嘩の原因の半分くらいが「どうしようもないことに対して文句を言う」ことが原因でした。特に、駐在員の待遇や仕事内容を配偶者のお友達の家と比較することは、本当に意味が無いこと。
違う会社に勤めているのだから、待遇は違っていて当たり前なのです。それを駐在員も配偶者も正しく理解し、比べないことで、火種を消すことができます。
休みの日には開けた場所へ
平日、滞在家族はずっと狭い環境で過ごすこととなります。ですから、休日には是非リフレッシュのために開けた場所で過ごしてみてください。
とても心が穏やかになります。我が家は休日はゴルフ場へ出かけ、そこで子どもと遊んだり、運動したし、開けた景色を見ながらご飯を食べたりすることでリフレッシュしていました。
何か辛いことなどが無いかを冷静に話し合う
どちらかに不満があるときには、ちくちくと皮肉を言ったり、文句を言い合うのではなく、お互いに冷静に話し合うのがお勧め。
不満が出る前に解決できると一番良いので、例えば土曜日の晩御飯の時など、時間を決めて一週間の出来事や困っていることなどを冷静に話しあうことで、怒りの感情を伴わずに改善へ向けて行動できるようになります。
一緒に出かける
生活に慣れてきたら車で日帰り旅行に行ったり、買い物に行ったりすることでリフレッシュができます。
自分たちに厳しくならない
お金を節約したい、ダイエットしたいなど、日本では当たり前の様に自分を律して生活することができますが、海外赴任中はできる限り自分たちに寛容になるのがお勧めです。ただでさえストレスが溜まる環境に身をおいているわけですから、家の中、家族で過ごす時には自分たちに優しく、心穏やかな日々を送ってくださいね。
駐在中の子どもの学習サポート
海外駐在中は補習校などで子どもの学習をサポートいただくこととなると思いますが、最近では海外子女向けのオンライン家庭教室なども充実してきているので、そちらを利用するのもおすすめです。
色々調べた中では「エフィサージュ」というオンライン家庭教師が良さそうでしたので、検討しているという場合は是非一度無料体験を受講なさってみてください。
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終わりに
今回は家族帯同海外駐在中に増える喧嘩について、原因と対策をご紹介しました。
本当に大変な海外生活ですが、だからこそ家族で助け合い絆を深めることもできます。一方で、非日常的な駐在生活の間に家族の関係が崩れてしまってはとても悲しいですので、駐在は「特別な時間」と割り切って、自分たちに優しく、できる限りストレス無く過ごせるよう、家族で楽しんで過ごしてみてください。