すみくにぼちぼち日記

メキシコ生活や欧米旅行記、語学、大学、美術館について

熊野古道と姉妹道。世界三大巡礼地-スペイン サンティアゴ・デ・コンポステラ 旅行記① (2011/04)

バチカンエルサレムと並び世界三大巡礼地に数えられるサンティアゴデコンポステラ。サンティアゴはスペイン北西部、マドリッドから飛行機で1時間程度の場所に位置します。私は大学4年生の4月から5ヶ月間、このサンティアゴに語学留学しておりました。留学の目的は、兄・姉や友人の後に続き、真似ばかりしていた生活に終止符を打ち、新しいことに一人で挑戦すること。留学先を選ぶ際にも、日本人が少ないところ=日本の大学が提携していないところ、町並みがきれいなところ、途中授業を休んでヨーロッパを一人旅できるところという尺度で選びました。着いてみると大正解。日本人は自分含めて2名、町並みはゴシック調で荘厳、休みにはバスでポルトガルやスペイン国内、飛行機でヨーロッパを旅行できる格好の留学先でした。

このサンティアゴですが、実は巡礼路がいくつかあり、代表的なのはフランスからピレネーを越えて2ヶ月間馬や徒歩で巡礼する順路、イギリス側から海を渡る巡礼路、ポルトガルから北上する巡礼路です。巡礼者は帆立貝を杖などに付け、歩きます。つまり、帆立貝をつけている方は巡礼者とみなされ、途中途中にある宿泊所の皆様からもてなされるのだそうです。実はサンティアゴの巡礼路は熊野古道と道の姉妹関係、「姉妹道」を結んでいます。ユーラシアの極東と西の果てが姉妹関係というのは運命を感じます。

 

巡礼者の目的地に当たる場所がこの大聖堂。聖ヤコブサンティアゴ)が奉られており、この大聖堂の前で巡礼者が抱き合って喜びを分かち合っている光景が心を打ちます。

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サンティアゴという町は、霧雨の町。写真を見てもわかるのですが、ロンドンのようにずっと曇っていて、霧雨がしとしと降り注ぐ、どことなくミステリアスな町なのです。この町ではスペイン語の雨が降るという動詞「llover(ジョベール)」ではなく、霧雨がふるという動詞「lloviznar(ジョビスナール)」という単語もよく耳にします。日本語は雨を表す単語が多くあり、雨に特別な情緒を感じる感性が言語に現れているんだなと思いますが、この地域のスペイン人も同じ感覚なのかもしれません。

 

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町にはこのように「Camino de Santiago(サンティアゴへの道)」という看板も出ており、巡礼者とすれ違うことも多いです。

 

大西洋に面していることもあり、海産物も美味しい町です。特にPulpo a la gallega(プルポ・アラ・ガジェガ、蛸のガリシア風)は絶品!

サンティアゴガリシア州にあります。

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アルゼンチン料理として有名なEmpanada(エンパナーダ パンにツナなどのおかずが入ってる)も実はガリシア発祥です。

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美味しい料理、歴史を感じる町並み、ミステリアスな雰囲気のこの町には5か月分の思い出が詰まっていますので、思い出に浸りながらぼちぼちとあの頃の日記を書いていこうと思います。

 

つづく。