すみくにぼちぼち日記

メキシコ生活や欧米旅行記、各国の美術館について書いています。

MOCA(ロサンゼルス現代美術館)-小さいながらも存在感ある美術館

アメリカの大都市ロサンゼルス。ハリウッドやビバリーヒルズなど、セレブなイメージの町ですが、ロサンゼルスの美術館も観光では外せません。今回は数ある美術館の中から現代アートの展示を行っているMOCA(ロサンゼルス現代美術館)を紹介します。 

 

※ロサンゼルのノートンサイモン美術館はこちら

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MOCAとは

MOCAはロサンゼルスのダウンタウンにある現代美術館。規模はそれほど大きくありませんが、展示物の存在感は抜群。テーマとして少し怖い雰囲気の絵や綺麗な絵、面白い展示物など、色々な作品がありました。

MOCAはロサンゼルスの中でも有名なThe Broadやウォルト・ディズニー・コンサートホールの直ぐ近くにあります。

MOCA外観

MOCA外観

こちらはMOCAの代名詞とも言えるオブジェ。受付の隣で存在感を放っています。

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MOCAオブジェ

中に入ると受付があり、美術館について丁寧に説明してくれました。

MOCA受付

MOCA受付

 広々とした空間に作品が展示してあり、自由気ままに作品を鑑賞することができます。

MOCA展示雰囲気

※ロサンゼルス観光はこちら

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モダンアートの世界を知る

私自身モダンアートのことは何も知らないため、作品の解説はできないのですが、気になった作品の写真をとりましたので、紹介していきたいと思います。

MOCA作品

MOCA作品

こちらの作品は戦争を主題としているのでしょうか。黄色や青などの明るい色彩の中におどろおどろしい雰囲気が醸成されています。特に真ん中の絵はハーケンクロイツと思われるナチスの鉤十字マークに似せたシンボルが描かれており、戦争を想起させるデザインです。

MOCA作品2

MOCA作品2

こちらの作品は何でしょうか。小学校の下駄箱のようにも、手紙入れにも見える作品。色々なものが収納されています。小学生の頃ランドセルの鍵を閉めていなくて、下駄箱で靴を取り出すときにカバーが開いて教科書が全部ランドセルから流れ出てしまったことが何回かあったのを思い出しました。忘れ物が多く全教科の教科書をランドセルに詰め込んでいたため、拾うのに苦労しました。

MOCA作品3

この作品には私たちにも馴染み深いマリオがいます。色とりどりで綺麗です。ただ何が言いたいのかが分からないところがもどかしいです。

MOCA作品4

うむむ、誰かの手帳でしょうか。この一つ一つの文字情報に何かの謎を解く手がかりでもあるのでしょう。ただ私に分かることは字が読めないということです。

MOCA作品5

MOCA作品5

美術館で休憩も

MOCAの入り口には喫茶スペースもありますので、美術館鑑賞が終わったらこちらで一息つことができます。

MOCA併設カフェ

MOCA併設カフェ

終わりに

ロサンゼルスのMOCA、いかがだったでしょうか。モダンアートというと難しいイメージがあったのですが、美術館を訪れて感じたことは、分からなくても面白いということです。皆さんも是非、ロサンゼルス観光の際はMOCAに立ち寄ってモダンな世界を堪能してみて下さい。

※風俗画の見方はこちら

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肖像画の見方はこちら

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静物画の見方はこちら

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知れば100倍面白くなる美術館の見方(風俗画編)

美術館で大人気の印象派。モネやルノワールなど多くの有名画家が印象派画家として知られています。一方で美術には陽が当たらないテーマというものも存在します。その中の一つが風俗画です。今回はそんな美術界のマイナーカテゴリーとも言える風俗画の見方を「100倍楽しむ」をテーマに考えていきたいと思います。

本記事は個人の趣味の範囲で書かれたものであり、学術的な根拠に基づいた記事ではありません

 

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風俗画とは-暮らしの一瞬を切り取る

風俗画にスポットを当てると言いましたが、そもそも風俗画とはなんでしょうか。その答えを見つけるための鍵はオランダ絵画が握っています。

こちらは1660年代にオランダの画家フェルメールによって描かれた『天文学者』。この天文学者はモデルはいたそうですが、そのモデルの為に描かれた肖像画ではなく、フェルメールが彼の日常の一瞬を切り取った構図となっています。

Johannes Vermeer

Johannes Vermeer(ルーブル美術館蔵)

 

続いてこちらは1641年にオランダで描かれた豚の解体作業の絵画。特定の王族などを描いたものではなく、市井の人々の日常を描いた絵で、当時の生活の様子が生き生きと描かれています。

Isack van Ostade

Isack van Ostade(ノートンサイモン美術館蔵)

この2つの絵から分かるように、風俗画というのは、神話の一場面や特定の個人を書いた絵ではなく、人々の暮らしの一瞬を切り取った、いわば写真の様な絵と言えるのです。

 肖像画の紹介はこちら

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風俗画、オランダで人気を博す

オランダは、1648年にオランダ独立戦争で勝利し、王制が廃止され、市民層が活躍する社会となりました。その為、他のヨーロッパ諸国とは異なり、早くから宗教画や神話画ではなく、市民に光を当てた風景画が描かれていったのです。これは、絵画の購入層が王侯貴族ではなく市民に移ったからであり、当時のオランダの民家には必ずと言って良いほど絵画が飾られていたそうです。 この様な経緯があり、オランダ人画家は風俗画で有名な画家が多く、例えばピーター・ブリューゲルフェルメール はその代表格と言えます。

こちらは1660年にオランダ人画家によって描かれた靴屋さんを主題にした絵画。フランスやスペインなどで王侯貴族の肖像画や神話画、宗教画が描かれた同時期にオランダではリアルな生活の描写が行われ、それが市民層に受け入れられていたのです。

Quiringh Gerritsz.van Brekelenkam

Quiringh Gerritsz.van Brekelenkam(ノートンサイモン美術館蔵)

 知れば100倍面白くなる風俗画の見方

オランダで花開いた風俗画ですが、実は私たち人類にとって一番身近な芸術と言えます。というのも、風俗画は古代より人々によって描かれてきた絵画で、たとえば古代エジプトでは壺などの装飾として人々の暮らしの風景を描いた風俗画が描かれていたのです。また、私たち日本人にとっても風俗画ととても身近な存在であり、その代表格が人々の生活を描写した浮世絵でした。

人々の息吹を感じる風俗画

これまで見てきた通り、風俗画は人々の暮らしに一番近いところにあった芸術です。裏を返せば風俗画を鑑賞することで当時の人々の生活の息吹を感じられるということ。例えば、こちらはオランダ人画家作の牛の乳搾りが主題の絵。1650年に描かれました。この絵に描かれているのは神話でも架空のものでもなく、当時の風景。1650に存在したであろう人々の日常を十二分に感じ取ることができると思います。

Aelbert Cuyp(ノートンサイモン美術館蔵)

次の絵はオランダ南部のフランドル地方出身の画家によって1669年に描かれたマーケットの絵。当時の市の様子が細かく描かれ、まるで自分が遠くから市の様子を伺っているような気分になります。

Willem Reuter(ノートンサイモン美術館蔵)

風俗画に時代の変遷を見る

風俗画は1600年代からオランダで発展した絵画ですが、1800年代の印象派の台頭により、世界へも広まっていきました。印象派とはフランスで起こった芸術の革新のこと。これまで主流だったの宗教画や神話画だけを評価するのではなく、自分たちが描きたいものを描くことを目的として芸術に変革をもたらしたのですが、その主題は特に市民生活に目が向けられていました。

例えばこちらはドガバレリーナの日常を切り取った絵。1890年代に描かれました。ドガは一瞬を切り取る画家として知られており、バレエの絵や馬の絵をよく描きました。ドガが革新的なのは、バレリーナの飾らない日常を描いたところです。これまでは人を描く時にはきっちりとしたポーズをとったモデルをきっちりと描く「肖像画」が普通でしたが、ドガの絵は違います。下の絵のバレリーナはどちらもこちらを向いておらず、飾らない普段の姿で描かれています。

Edgar Degas

Edgar Degas(オスロ国立美術館)

 次にご紹介するのは入浴後というタイトルの1886年の絵画です。ルノワールが描いた裸婦の絵ですが、以前はタブーとされていた普通の人の裸が描かれています。印象派の台頭までは裸婦の絵は厳禁だった為、画家はこぞって神話を主題に裸の女神様を描いていました。それがこの様に裸婦の絵を描いても許容される雰囲気に変わっていったのは、時代の主役が王侯貴族から市民階層に移っていったからと言えるでしょう。ルノワールの少し前に活躍したマネは1865年に『オランピア』という作品を発表し、フランス国内で大スキャンダルとなりました。その理由が、「女神様ではない、普通の人の裸を描いたから」です。この動きを見てもマネからルノワールの20年間で人々の意識が大きく変わったということが見て取れます。

ちなみに、オランピアから遡ること65年、1800年にスペイン人画家ゴヤが実在の人物のヌード画を描きました。それが『裸のマハ』と呼ばれる作品。この作品はゴヤが愛した女性の絵だと言われていますが、ゴヤは罪になるのを恐れ、『着衣のマハ』という全く同じ構図の服を着た女性の絵を描き、『裸のマハ』の絵に被せて作品を保管していました。それほどヌード画はタブー中のタブーだったのです。

Pierre-Auguste Renoir(オスロ国立美術館)

 次の絵は印象派のモリゾの作品。モリゾはマネのモデルでもあった女性です。この絵は1874年に描かれた『ある村の海辺』という絵。私がこの絵で面白と感じたところは、この絵が労働をテーマにしていないところ。これまでの風俗画の主題は初めにご紹介したような農家の絵だったり、靴屋さんの絵だったり、学者だったりと、どの主題も人々が生きるために働いている様子を描いたものでした。一方でモリゾが描いたのは女性が海辺に座って海を見ている絵です。これが余暇を楽しんでいるのか、ふとした休憩なのかは分かりませんが、この絵を見ると、1800年代後半にはすでに生きるために働く中で、自分の時間を持つことができるようになったのではないかなと、人々の生き方に変化を感じ取ることができます。

Berthe Morisot

Berthe Morisot(ノートンサイモン美術館蔵)

1887年にゴッホが描いたタンギー爺さんは肖像画とも言える絵画ですが、この背景には日本の浮世絵が描かれています。この絵から分かることは、この時代に西洋では日本の絵画が高く評価されていたということ。ジャポニズムとして知られるこの日本芸術のヨーロッパへの影響は、当時の印象画の画家たちに大きなインスピレーションを与えました。

Vincent Willem van Gogh

Vincent Willem van Gogh(ロダン美術館)

 

風俗画はスナップ写真を見るように

描かれた時代の暮らしに目を向けたり、歴史的変遷を考えるのはとても面白いのですが、風俗画の最大の魅力はアルバムや携帯の写真を見るような感覚で絵を楽しむことが出来ること。

以前紹介した肖像画がみんなに見てもらうためのインスタなら、風俗画は家族や個人で楽しむスナップ写真。飾らない人々の暮らしを、アルバムをめくっていくように眺め見ることができる、それが風俗画なのです。

1883年に描かれた『母と子』。ノルウェーの画家によって描かれました。赤ちゃんとお母さんが一緒にお昼寝をしているところでしょうか。お母さんの表情は少し疲れているようにも見えますが、赤ちゃんは安心しきっています。

Christian Krohg

Christian Krohg(オスロ国立美術館蔵)

こちらは1859年に描かれたゴンドラ。デンマークの作家の作品です。この絵、一世代前の絵画では考えられないような斬新な構図をしています。まるで自分もゴンドラに乗船しているかのような。目的地にはいつ着くのかな、と乗客の女性に話しかけたくなる一枚。もし彼女が自分の家族だったら、家でこの絵を見ながら旅の思い出を語り明かすことでしょう。

Julius Exner(コペンハーゲン国立美術館蔵)

こちらはノルウェーの画家によって1881年に描かれた窓辺。読書の合間の一瞬でしょうか、女性が窓から外を眺めています。小説であれば1800年代初頭に活躍したジェーン・オースティンなどを読んでるのかな?などと想像しながら作品を見るとさらに楽しく鑑賞することができます。このような日常のふとした瞬間を垣間見ることができるのも風俗画の面白いところです。

Hans Heyerdahi

Hans Heyerdahi(オスロ国立美術館)

 最後にご紹介するのは『テレマーク郡グヴァルフ村からの風景』という1883年の作品。少女2人が楽しそうにお話しています。視線の先には牧歌的な風景が広がって、ゆったりとした空気がこちらまで伝わってくる作品です。

Erik Werenskiold

Erik Werenskiold(オスロ国立美術館)

風俗画の前で足を止めてみて

 今回は昔の人々の暮らしを垣間見ることのできる絵画、風俗画について「知れば100倍楽しくなる」をテーマに美術館の見方を考えてみました。美術館へ行った際は是非風俗画の前で昔の人々の暮らしに思いを馳せながら、アルバムをめくるように絵画を楽しんでみてください。

静物画の紹介はこちら

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ロシアの秘宝-エルミタージュ美術館 ロシア サンクトペテルブルク

世界三大美術館の1つとも言われるエルミタージュ美術館。ロシアのサンクトペテルブルグにある美術館で1700年代半ばから女帝エカテリーナ2世のコレクションが飾られるようになりました。今回はエカテリーナ2世の至高のコレクションを展示しているエルミタージュ美術館をご紹介します。

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エルミタージュ美術館

 

エルミタージュ美術館の作品

エルミタージュ美術館にはレンブラントティツィアーノなど、多くの有名画家の作品が展示されています。

 

エルミタージュ本館の歴史画・宗教画

はじめにご紹介するのはクリスティアーナ・ロバートソンが描いたマリア・アレクサンドロヴナの肖像画。アレクサンドロヴナはロシア皇帝アレクサンドル2世の皇后だった人物です。

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クリスティーナ・ロバートソン【エルミタージュ美術館

 肖像画の楽しみ方はこちら

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続いてエル・グレコの作品の「使徒ペトロとパウロ」です。エル・グレコはスペインのフェリペ二世の治世に活躍したギリシャ人画家。マヌエリスムという全体的に引き伸ばしたような画風が特徴の画家で多くの宗教画を残しました。

どちらもキリスト教の12使徒と呼ばれる重要人物です。ペトロの有名なエピソードとして次のものがあります。

キリストが捕まる前にペトロは「貴方は私のことを知らないと3回言うでしょう」とキリストから予言されます。ペトロは「そんなことありません」と否定するのですが、キリストの捕縛後、キリストの裁判まで、そして裁判中にあわせて3度「貴方はキリストの弟子でしょう?」と周りの人々に尋ねられます。そしてそのたびに「私は知らない」と答えてしまいます。その三度目の否定をしたときに彼は「自分はとんでもないことをしてしまった」と自分の行いを悔いる

というお話。聖書に馴染みがない日本人でも耳にしたことがある気がするエピソードです。

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エル・グレコエルミタージュ美術館

グレコの愛したトレドの記事はこちら

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最後にご紹介するのはレンブラント作の「ダナエ」。ダナエの主題はギリシャ神話です。ダナエが生まれる前、父であるアクリシオスは神の神託を仰ぎます。すると「お前は孫に殺される」という神託が下りました。アクリシオスは恐れおののきダナエを塔に幽閉するのですが、ギリシャ神話の神様であるゼウスが見初め、黄金になってダナエに降り注ぐ。するとダナエは男の子を身ごもってしまったのです。

アクリシオスは断腸の思いで二人を島流しにするのですが、生まれた子はペルセウスという英雄。メデューサ(ゴルゴンの首)を退治したり、アンドロメダを救ったりしながら最終的に母国アルゴスへ帰還しました。

アクリシオスは殺されるのを恐れて家督を譲り、隠居し、姿を暗ませるのですが、ある日開かれた円盤投げ大会でペルセウスが投じた円盤が老人に当たり、老人は死んでしまいます。そしてその老人こそがアクリシオスその人だったのです。

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レンブラントエルミタージュ美術館

 エルミタージュ新館は近代絵画

エルミタージュ美術館の反対側には新館が立っており、そちらでは近代絵画を鑑賞することができます。

こちらはルノワール作の「ジャンヌ・サマリーの立像」。ジャンヌ・サマリーは当時の女優で、他にもルノワールのモデルとして彼の作品に登場しています。

ルノワールエルミタージュ美術館新館】

続いてモネ作の「タンドレスの庭」。モネが描く風景は本当に美しく、癒されました。

モネ【エルミタージュ美術館新館】

エルミタージュ新館には他にもドガゴッホマティスなどの作品も展示されています。

内装の壮麗さはヨーロッパ随一

多くの作品が揃うエルミタージュ美術館ですが、その内装もとても美しく息を呑むほど。

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エルミタージュ美術館 天井画

絵を見て感激するのと同じくらい内装のすごさに感動しました。

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エルミタージュ美術館

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エルミタージュ美術館

こちらはピョートル大帝の偉業を称えて製作された玉座です。

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エルミタージュ美術館玉座

目に入るもの全てに圧倒されたエルミタージュ美術館でした。

 

終わりに

今回はエルミタージュ美術館をご紹介しました。エルミタージュ美術館では本当に多くの名画が展示されており、そして何よりもその内装の豪華さに感動すること間違いなしですので、ロシア御旅行の際は是非エルミタージュ美術館に足を運んでみてください。

 おまけ

エルミタージュ美術館ですが、チケット購入にものすごく並びます。ですが、一番初めの写真の門を抜けたところに自動券売機が設置されており、券売機には誰も並んでいません。思い切って券売機(クレジットカード可)を利用してみてください。入場券を購入できます。その入場券を持って行列に並ばずに入り口まで行くと、待ち時間無しで入場できます。

 

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知れば100倍面白くなる美術館の見方(肖像画編)

デートや海外旅行での定番スポットである美術館。美術館を訪れると必ずといっていいほど展示されているのが肖像画の数々。有名な人なのかなーとは思っても、知らない顔ばかり並んでいる肖像画エリアはついつい早足になってしまいます。

今回はそんななんとなく難しいイメージのある肖像画の楽しみ方について「知れば100倍面白くなる」をテーマに考えてみたいと思います。

静物画を楽しむ豆知識はこちら

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 ※この記事は学術的な研究に基づく記事ではなく、個人の趣味の範囲で書かれています。

肖像画は何故描かれたのか

 肖像画の主人公は王侯貴族が殆ど。と言うのも、元々肖像画というのは画家がお金を稼ぐ手段として描いていた絵画で、その発注元は王族や貴族でした。王侯貴族は、私たち現代人が写真を取る感覚で自分や家族の肖像画を画家に依頼していました。

自分が楽しむために描かせた肖像画も存在しますが、政治的なプロパガンダを目的とした肖像画や結婚するためのお見合い写真のような感覚で描かれた肖像画もあります。プロパガンダとして肖像画を利用した人物として有名なのが、イギリスの処女王エリザベス一世エリマキトカゲのような襟で有名)やフランスのマリーアントワネット。マリーアントワネットは家族の絵をヴィジェ・ルブランに描かせ、「国民の母」を演出していたと言われています。

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Vigée Le Brun(ヴェルサイユ宮殿蔵)

ナポレオンもプロパガンダの達人で、特に有名な絵画は馬にまたがり急峻な崖を登っている絵。絵では駿馬にまたがる颯爽としたイメージを演出していますが、実際は騾馬(ラバ)にまたがり慎重に進行したそうです(その絵がこちら)。

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Paul Delaroche(ルーブル美術館蔵)

お見合い用の肖像画を描かせた場合には、当然実物よりも「盛って」画家に描かせるために、実際に出会ったらお互いに別人のようだったということもあったようです。その代表作?がこちらのアン・オブ・クレーヴズの肖像画

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Hans Holbein(ルーブル美術館蔵)

アンはイギリス国教会を設立したことで有名はヘンリー8世(ブラッディ・メアリーと処女王エリザベス一世の父)の4番目の妃。イギリスをカトリックからプロテスタントへ改宗したヘンリー8世の要望により、クロムウェルにより選出され、ホルバインという画家によって肖像画が描かれました。ヘンリー8世は一目で気に入ったのですが、実物を見た途端にあまりのギャップに激怒しクロムウェルを処刑、ホルバインを追放してしまい、半年後にアンとも離婚してしまいました。この一枚の絵画によって3人の人間の人生が大きく変わってしまったのです。ちなみに、ヘンリー8世は生涯で6人の妻を娶り、多くが悲惨な末路をたどっていることを考えると、離婚後に「王の妹」という称号を貰い余生を楽しんだアンはこの肖像画によって人生が好転したとも言えるかもしれません。

肖像画を100倍楽しむための豆知識

様々な目的のために描かれた肖像画ですが、その見方のコツが分かると、肖像画エリアも一段と面白いものになります。

肖像画はインスタだ

昔の人々は自分の姿や楽しかった思い出を残しておきたい、誰かに見てもらいたいと考えて、多くの王侯貴族が画家に肖像画を依頼していました。そんな肖像画ですが、見る側としてまず心に留めておきたいことは、肖像画はインスタだということです。

インスタって、例え投稿する人のことを良く知らなかったとしても、なんか観てるだけで面白いですよね。そんな感じで、「綺麗な人だなー」とか、「この人イケメン」とか、「赤ちゃん小さくて可愛い」などなどの観点から気楽に楽しめるのが肖像画です。例えばこちらはヴィクターハンター作のオーストリア皇后エリーザベト(レプリカ)。絶世の美女と謳われたエリーザベトの美しさにただただうっとりするばかりです。このエリーザベトは見返り美人風の構図なので、エリーザベトとしてはこのドレスや髪型の横側から後ろにかけての装飾が気に入っていたのかなと思います。

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Franz Xaver Winterhalter(レプリカ)

そしてこちらはクリスティーナ・ロバートソン作のマリア・アレクサンドロヴナ。素敵なドレスだなーとか、この時代も犬を飼っていたんだなーとか、そんな他愛もないことを感じながら絵画を楽しみます。

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Cristina Robertson(エルミタージュ美術館蔵)

中でもインスタ映えする衝撃的な肖像画を残したのが「王の画家にして画家の王」と謳われたルーベンス。その代表作である「マリー・ド・メディシスの生涯」は肖像画の域を超えています。

マリー・ド・メディシスはフランスのアンリ4世の妻で、イタリア・フィレンツェの名門商家メディチ家出身の女性。彼女は莫大な財力をバックにあのルーベンス肖像画を依頼します。ですが、マリー・ド・メディシスはあまりお綺麗な方ではなく、依頼されたルーベンスも「似せて描くと怒られるし、嘘をつくのもな…」と困ってしまいます。そこで考え出したのが、「そうだ!マリー・ド・メディシスを神話の中に入れちゃおう!」という妙案でした。出来上がった作品は、壮大な神話画の中にとても小さく顔が目立たない程度に(というよりもどれがマリーか分からないくらいに)マリー・ド・メディシスを描き込んだ、肖像画とは思えない肖像画。この絵こそが「インスタの写真をアプリで沢山加工してアップする」という現代の肖像画に繋がる源流だったのです(個人の見解です)。

※実物はルーブル美術館ルーベンスの間にありますので、是非実際に見てみてください。

絵にファッションの変遷を見る

モデルのファッションに注目するのも肖像画の楽しみ方のひとつ。例えば、エリザベス一世が着ていたエリマキトカゲのような襞襟(ひだえり)は、当時のヨーロッパでのトレンドでした。(1500年代後半)

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作者不明-オクスフォード大学

こちらは1600年代中旬に描かれた肖像画。襞襟がさらに大きくなっています。

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Johannes Corneliszoon Verspronck(ノートン・サイモン美術館蔵)

こちらのレンブラント作の肖像画の男性も襞襟着用。1600年台中旬の絵です。

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Rembrandt Harmenszoon van Rijn(ノートン・サイモン美術館)

 こちらはマリーアントワネットの肖像画を多く描いたルブランが描いた肖像画。1700年代後半の絵画です。この時代になるとより現代に近い形のファッションになってきます。

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Marie Élisabeth-Louise Vigée Le Brun(ノートン・サイモン美術館蔵)

このように、 肖像画は当時のファッションを知ることができるファッション雑誌のような存在であり、鑑賞するときには、その時代にどんなファッションが流行ったのか、どんな髪形をしていたのかなどに注目してみると、肖像画が生き生きと見えてくるはずです。

悠久の歴史を感じる

肖像画歴史小説でもあります。肖像画に写る王侯貴族を見ながら、「この王様誰だろう?」と携帯で検索し、その時代背景を知りながら鑑賞するのも肖像画を楽しむコツです。

例えばこちらはスペインの巨匠ベラスケスの絵画。ベラスケスはスペインハプスブルク家の宮廷画家(王様に使える画家)で、ラス・メニーナスなど、多くの傑作を残しました。下の絵はスペイン王フェリペ4世の家族の絵。ハプスブルク家の特徴は受け口であること。ベラスケスの絵にはその特徴がしっかりと描かれています。ですが、何故そんなに受け口が遺伝したのかと言うと、実は、ハプスブルク家が「青い血(純潔)」を守るため、近親結婚を繰り返したことが原因でした。中には伯父姪婚を行った例もあり、その血の濃さはすさまじく、その濃さのためか時代を下るにつれ病弱な家系となっていき、カルロス2世の死を最後に200年の歴史に幕を閉じました。

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Diego Velázquez(ルーブル美術館蔵)

 ※ハプスブルク家に関する記事はこちら

sumikuni.hatenablog.com

 絵画の変遷に時代を見る

時代によって変わりゆく絵画の変遷を見るのも楽しみの一つ。中でもここまで紹介してきた絵画から一気に作風が変わるのが1800年代に起こった印象派以降の絵画です。例えばこのゴッホの絵のように、昔とは筆のタッチが変わったというのも変化の1つ。

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Vincent Willem van Gogh(ノートン・サイモン美術館蔵)

そして何より変わったのが描かれる対象です。印象派が台頭するまでのヨーロッパは一部の地域を除き絵画は王侯貴族のものでした。したがって一般市民が絵の対象となることはありませんでした。しかし、時代が下り、市民が主役となると、購買層が市民に移り、様々なテーマの絵画が描かれるようになったのです。例えばゴーギャンの「タヒチの女」やルノワールのヌード画など新しい絵画が次々と描かれるようになりました。

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Eugène Henri Paul Gauguin(ノートン・サイモン美術館蔵)

こちらはルノワールのヌード画。印象派台頭の少し前まで、ヌード画は「神話」もしくは「聖書」の題材(実際の風景ではない、想像の世界)を書くことで許されていたジャンルで、実在する人物のヌードを書くのはタブー中のタブーでした(そのため、ヴィーナスなど、裸の女神様は格好の題材だったのです)。

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Pierre-Auguste Renoir(ノートン・サイモン美術館蔵)

バレエで有名なドガ。人々の生の一瞬を切り取る画家でした。市井の人々やバレリーナなどが描かれ始めたのも印象派が台頭してきてから。特に絵の具の発達により外で色付けができるようになったことが大きく寄与しています。それまでは暗いアトリエの中で色の原料となる植物や虫を磨り潰しながら絵の具を作っていたのですが、この時代からチューブ入り絵の具が普及し始め、アトリエから開放されて絵を描くことができるようになりました。

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Hilaire Germain Edgar de Gas(ノートン・サイモン美術館)

そして最終的には「絵の概念」さえもが変わっていったのです。これまでの注文主が気に入る作品を制作する時代から、自分が好きな絵を描いて表現する時代へと変化していきました。

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Amedeo Clemente Modigliani(ノートン・サイモン美術館蔵)

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Pablo Picasso(ノートン・サイモン美術館蔵)

終わりに

今回は普段美術館でも素通りしてしまいがちな肖像画について、「知れば100倍面白くなる」をテーマに美術館の見方について考えてみました。美術館で肖像画を見つけた際には、是非、インスタを見る感覚で気軽に肖像画を楽しんでみてください。

※風俗画の紹介はこちら

sumikuni.hatenablog.com

 

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知れば100倍面白くなる美術館の見方(静物画編)

海外旅行やデートの定番スポットである美術館。美術館へ行く機会はあるものの、よく分からないから行きづらいという方も多いのではないでしょうか。身近にありながらも、どことなく敷居が高いイメージの美術館ですが、実は美術品の見方のポイントを抑えるだけで、その面白さは何倍にも膨らみます

今回はそんな「知っていれば100倍美術館が面白くなる豆知識」を「静物画」にスポットを当ててご紹介したいと思います。

 ※本記事は学術研究や理論に基づく記事ではなく、一個人の趣味の範囲で書かれているものです。

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Frans Snyders

 

画家の技術の結晶「静物画」

静物画とは、絵画のカテゴリーの1つで、果物や花、グラス、お皿、獣肉などの動かない、静止した物を対象とした絵画のこと。美術館に行くと必ずといっていいほど何点かは展示されている王道の絵画です。静物画自体は紀元前から描かれていたといわれていますが、盛んに描かれるようになったのは17世紀から。そしてその後現在に至るまで描かれ続けているジャンルです。

静物画の特徴として、画家の技量が物を言う絵画ということが上げられます。果物や花、グラスやお皿などを題材とする静物画は、本物そっくりなところに意味が見出されていたため、画家たちは競って静物画を描き、自分の技量を認めてもらおうとしました。謂わば画家たちが自分の技術を比べあうための格好の題材であったのが静物画でした。

市民台頭が鍵-静物画の歴史

何故17世紀から静物画が盛んに描かれるようになったのか、それはオランダでの市民階級の台頭に起因します。

絵画と言うのは元々貴族の偉い人たちのもので、教養ある貴族がその絵を読むためにありました(絵に描かれたギリシャ神話の内容などを絵を見て思い出しながら楽しむ)。また、教会が布教のためのツールとして、目で見て分かる絵画を利用していたことも絵画の存在意義の1つでした。

一方でオランダでは、スペインからの独立を機に市民階級が台頭し、絵画の購買主が市民階級へと変化。画家たちは市民が好んで購入したくなるような風俗画(市民の生活を描いた絵)、風景画、そして静物画を書くようになりました。

※風俗画の紹介はこちら

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静物画が100倍面白くなる鑑賞法

そんな静物画ですが、私は実は「神話画」や「宗教画」、「風景画」などに比べてつまらない絵画だと思っていました。何せ、どれも同じに見えてしまう。これでもかと言うくらい画面に花や果物が詰め込まれた絵、狩られた直後の動物の絵、何の変哲もないグラスの絵…

しかし、そんな一見退屈に見える静物画もちょっとした見方の豆知識でぐっと面白くなるのです。

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Isaac Soreau

四季を楽しむ

17世紀から、オランダで購買主が市民に代わって言ったと前述しましたが、その購買主は購入した絵をリビングやベッドルームに飾っていました。その家に飾る用の絵画として要望したのが四季折々が詰まった絵画です。

現在では、温室などの発達から、春夏秋冬、様々な花や果物を観賞したり頂いたりすることができますが、17世紀には季節のものは季節の間でしか楽しむことができませんでした。そんな中、購入者の要望に多かったのが様々な季節の花や果物を同じキャンパス内に描き、絵画で四季を堪能すること。日本では茶道などで季節にあった茶花や掛け軸を準備し四季を楽しむという「わびさび」が伝統的ですが、ヨーロッパではまた別の美を楽しんでいたのです。

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Balthasar van der Ast

例えば上の絵を見ると、現実では起こりえないほど様々な季節の花や果物が描かれています。まず春を彩るバラやあやめ、初夏の味覚ブドウ、そして冬の果物洋梨とリンゴ。それに加えて海の幸も絵画を彩っています。 このように、どんな季節にも様々な四季を楽しむことができる静物画は、人々の生活を彩り、華やかにするために描かれた存在だったのです。

画家の技量が随所に

冒頭に静物画は画家の腕を見せる絶好の芸術だと書きました。この腕の見せ所となるのが、あのグラスやお皿の絵。私の場合、美術館で横を素通りしがちな分野です。しかし、この無機物の絵には、画家の技が所狭しと詰め込まれています。

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Sebastian Stoskopff

例えば上の絵のグラスの透け感。本当にグラスが目の前にある感じがしませんか?バケツやコップの金属の質感も画家が渾身の技術を込めて表しており、画家はこのリアリティを観客に味わってほしいと考えていたのです。ですから、私たちも画家が見てほしいと思っていた、このリアルさに注目するとより一層絵画が楽しくなります。

次の絵はフルーツと牡蠣の絵。牡蠣やフルーツの瑞々しさ、布の柔らかさ、ランプの光沢、食器の質感が表現されています。

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Laurense Craen

 このように、一見無機質な絵に見える絵画でも、実は随所に画家の技術が詰め込まれており、その絵のリアルさに注目してみることで無機質な絵が生き生きと見えてくるのです。

儚さの寓意ヴァニタス

ヴァニタスというのも静物画の見所。ヴァニタスは、絵のモチーフによってこの世の無常を表す表現方法のことで、例えば髑髏や熟した果実、泡、砂時計などを描くことで、時の儚さを表現します。静物画には一見綺麗な絵に見えても実はヴァニタスだったということもあるので、これはヴァニタスではなかろうか?と考えながら静物画を鑑賞するのもひとつの楽しみ方です。私が持っている写真の中にはヴァニタスが表現された絵がないのでここでは紹介できないのですが、美術館に行ったときに、もし髑髏の絵や砂時計など描かれた絵画を発見したら、その絵を見ながらこの世の無常を感じてみてください。

デザイン重視に変貌

 印象派が活躍する19世紀になると、リアルな技巧派の絵画よりも、よりデザインを重視した静物画が登場します。その代表格がりんごの絵でお馴染みのセザンヌ。これまでの「どれだけリアルな表現で描けるか」という視点から、自分の描きたい世界を静物で表現するという視点へ変化していきました。

 

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Paul Cezanne

こちらは「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」や「ピアノに寄る少女たち」など可愛らしい絵のイメージが強い画家ルノワール静物画もやっぱり可愛らしい。リアリティよりも自分らしさが存分に表現されています。

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Pierre Auguste Renoir

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Pierre Auguste Renoir

リアリティを追求した絵よりも独創的で面白い静物画を見ることができるこの時代の静物画は「自分の家ならリビングに飾りたいな」や「玄関に合いそう」など、より自分の生活に密着した視点で鑑賞するととても楽しく鑑賞できます。 

終わりに

今回は「知れば100倍面白くなる美術館の見方」をテーマに、静物画の鑑賞ポイントについて紹介しました。美術品鑑賞は自分が見たいように見ることが一番なのですが、少しだけ自分の感性に見方のポイントをプラスしてみると、これまでとはまた違った感動に出会うことができるかもしれませんので、是非今回紹介した鑑賞方法を頭の片隅に、美術館に足を運んでみてください。

 

※ちなみに、ピカソ静物画を描くとこうなる。

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Pablo Picasso(ノートン・サイモン美術館蔵)

肖像画編はこちら

知れば100倍面白くなる美術館の見方(肖像画編) - すみくにぼちぼち日記

 

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建物との融合-ティムケン美術館 アメリカ サンディエゴ

アメリカサンディエゴのバルボアパークにあるティムケン美術館をご紹介。ティムケン美術館はサンディエゴ美術館のお隣にあり、とても小さいですが、じっくり作品を鑑賞できる美術館。また、入館料無料というのもとても嬉しい美術館です。

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※サンディエゴ美術館はこちら

芸術の小箱-サンディエゴ美術館 アメリカ サンディエゴ - すみくにぼちぼち日記

 

自然光が差し込む上品な内装

建物は平屋で階段がない分お子さま連れや足が不自由な場合にも行きやすい美術館です。内装は落ち着いた雰囲気で、自然光が差し込み、ゆったりとした気持ちで作品を楽しむことができます。

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厳選された個人コレクション

ティムケン家によって開設された美術館ですが、コレクションはパトナム姉妹という富豪の個人コレクションだそう。ヨーロッパやアメリカ絵画が揃います。

はじめにご紹介するのはブーシェの「公園の恋人」とフラゴナールの「目隠し遊び」。ブーシェフラゴナールロココを代表する画家です。ロココ絵画はルイ14世の時代に花開き、ルイ16世の治世で終焉を迎えた絵画様式。特徴はその可愛らしさと甘美さ。

この絵はブーシェの作品で、ブーシェフラゴナールの師でもありました。

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特に次の絵を描いたフラゴナールは有名で、その作品の中でも「ブランコ」という絵画がよく知られています。

個人的にお勧めなロココ画家はヴィジェ・ルブラン。マリー・アントワネットの良き理解者であり、王朝の最後を見届けた人物で、マリーアントワネットや子どもたちの肖像画を数多く残しました。

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続いてルーベンスルーベンスは王の画家にして画家の王と称され、ベルギーのアントワープで巨大な工房を経営した経営者でもあります。

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アントワープの記事はこちら

王の画家にして画家の王- ベルギー アントワープ旅行記(2011/4) - すみくにぼちぼち日記

 

最後はヴァンダイクの肖像画です。ヴァンダイクはルーベンスに師事し、主にイギリスの王侯貴族の肖像画を描きました。特に有名な絵はチャールズ1世が狩をしているシーンを描いた絵。ティムケン美術館ではこちらの肖像画の展示がありました。

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※チャールズ1世の狩りの絵はこちら(ルーヴル美術館蔵)

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終わりに

今回はアメリカサンディエゴのティムケン美術館をご紹介しました。小規模ですがゆったりとした空間で絵画を楽しめる美術館ですので、サンディエゴへのご旅行の際は是非足を運んでみてください。

 

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芸術の小箱-サンディエゴ美術館 アメリカ サンディエゴ

サンディエゴ美術館はアメリカサンディエゴのバルボアパークにある美術館。規模は大きくないですが、とても素晴らしい作品を間近で鑑賞することができます。今回はそんなサンディエゴ美術館をご紹介します。

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素敵な内装

美術館自体の雰囲気がとても良く、入った瞬間からワクワクしてくる美術館です。エントランスから左右に展示室があり、2階にも展示室があります。

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至高のコレクション

サンディエゴ美術館に展示いている絵画は数は多くないものの、とても見応えのある作品ばかり。

はじめにご紹介するのはディエゴ・リベラ。メキシコで1番有名な画家である彼は、メキシコ壁画運動の中心的人物であり、フリーダ・カロの旦那さんだった人です(フリーダ・カロはメキシコの女流画家)。

壁画運動とは、1900年代初頭に起こった革命をイデオロギーの側面から支援した運動。当時のメキシコはディアス大統領の独裁政権下にあり、ディアス大統領が土地の国有化と大規模農業経営者及び外国資本への売却を進めていったため、メキシコ農民の99%が土地を失い、農業労働者(所謂貧困層)へ没落していったという状況でした。そんな中、勃発したのが打倒ディアスを掲げるメキシコ革命。その革命の中で、メキシコ人としてのアイデンティティを国民に自認させるため、また、革命の意義を国民に流布するための絵を壁画と言う形で製作していったのが壁画運動です。

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続いてスペインの巨匠ダリの作品。ダリの絵の特徴はなんと言っても物質を柔らかそうに見せる作風。有名なのは時計がくにゃりと折れ曲がってしまっている絵などです。一目で分かる作風と、見ていて飽きないデザインに、美術館の中で自然と足を止めてみてしまう画家です。

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モネの作品。睡蓮のイメージの強いモネですが、サンディエゴ美術館では別の一面を見ることができました。

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こちらはドガ。バレエの絵がとても有名な画家。他にも競馬の絵や像も残しています。

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ドガの説明はこちら

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 次の絵は女流印象派のモリゾ。モリゾはマネの弟と結婚した画家で、印象派の中ではメアリー・カサットと並ぶ女流画家です。印象派と言うのは、元々フランス画壇の権威であった国立芸術アカデミーが主催する「サロン・ド・パリ」と呼ばれる展覧会で入賞できなかった画家たちが集まって作ったアートカテゴリー。その印象派の中でも異彩を放っていたのがモリゾです。

モリゾは第一回印象派展が開催される前年の1873年まで6回サロン・ド・パリに入選しており(作品が飾られており)、謂わば当時の主流であった国立芸術アカデミーからも認められる存在でした。画家と言うのは職業ですから、本来であれば国立芸術アカデミーに認められる実力であれば、正統派であるアカデミー風の作品を作り続ければ安泰であったのにもかかわらず、その後の第一回印象派展開催からは印象派の画家としての道を歩み始めたのです。その経緯から、彼女の印象派としての活動に対する並々ならぬ強い決意が感じることができます。

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こちらはモリディアーニの絵画。モリディアーニは細長い輪郭がとても特徴的で、一度見たら忘れられない絵。生前は全く評価されず酒におぼれ、35歳と言う若さで早世した悲劇の画家です。死後、その評価は一変し、現在ではエコール・ド・パリを代表する画家の一人となっています。

ちなみに、名古屋在住であれば一度は彼の「おさげ髪の少女」という作品を目にしたことのある方も多いはず。「おさげ髪の少女」は名古屋市美術館で見ることができます。

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最後はこちらのアジアコーナー。他にも歴史画なども充実しています。

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終わりに

今回はアメリカサンディエゴのサンディエゴ美術館をご紹介しました。特に近現代の美術コレクションが印象的な美術館で、充実の絵画を楽しむことができますので、サンディエゴへのご旅行の際は是非サンディエゴ美術館にも足を運んでみてください。

 

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